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昼寝ネコの雑記帳

2019年 05月 12日 ( 1 )

川崎郷土・市民劇「日本民家園ものがたり」

Bill Evans - Quiet Light
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 2年ごとに開催される、川崎郷土・市民劇を観に行ってきた。

 作品は川崎市に由来する人物や、出来事にスポットライトを当て、いわば再現ドラマである。今年は第7回目なので、最初の公演からは14年の歳月が流れている。

 いつもながら、入念な調査と取材を行って作品化されているのには、頭が下がる。それと、市民劇となってはいるが、出演者の演技レベルはとても高い。プロの俳優さんと、劇団や演劇塾に所属している皆さんがほとんどのようだ。

 今年の川崎市民劇のタイトルは「日本民家園ものがたり」だった。川崎市の推進なのに、なぜ「川崎民家園」あるいは「神奈川民家園」ではなく、「日本民家園」なのか、という論点で激論が戦わされる。

 プログラムを読むと、今回も作者は小川信夫先生だった。第1回目からずっと、作品を提供されている。今回の作品の特長のひとつは、川崎市で働く労働者の背景事情を視野に入れていることだ。東北や他地域を離れ、京浜工業地帯の主要な一画・川崎で、労働者として暮らす人たち。

 彼らが郷里に帰る度に目にするのは、幼少時から慣れ親しんだ家が、今では古民家として老朽化し、次々と取り壊されている光景だ。そのような古民家を川崎・生田緑地に移築し、労働者の「心のふるさと」を視覚的に再現しようという理念が、「日本民家園」として形になったものだ。

 行政組織に身を置きながらも、川崎市の工業活動を支える労働者の心中を察し、文字通り身を挺して、果敢に「日本民家園」構想の実現を説き続けた古江亮仁氏の、並々ならぬ労苦を軸に、舞台が進行する。すでに故人となっている方だが、劇場内の片隅から舞台を鑑賞し、報われた気持ちで落涙していたのではないだろうか。

 その古江亮仁氏の描く構想の原風景には、スウェーデンにある世界初の野外博物館・スカンセンがあったという。劇中で何度も出て来る名前だ。「日本民家園」構想実現の鍵を握る、横浜国大の教授も、奇しくも同じ原風景を持っていたことが分かる。なかなか良く練られた伏線だと思う。

 現在の民家園の画像を舞台上で投影し、効果的に使われていた。舞台装置やテーブル・椅子はそのまま通して使われ、場面によって配置が変えられる程度だったが、違和感はなかった。照明もいろいろ工夫し、リアルな舞台進行と脳内イメージの世界を、上手に色分けしていた。衣装も、居酒屋、役所のいずれもリアリティを増幅していたと思う。

 冒頭から流れる電子楽器による音楽は、おそらくオリジナルで作曲されたののなのだと思う。なかなかいい作品だったと思う。三波春夫が歌う東京五輪音頭が流れたとき、来年が東京オリンピックの年であることを思い出した。喫茶店の場面では、ジャズピアノ・トリオの演奏が流れた。ビル・エヴァンスの演奏を彷彿とさせる演奏だったが、初めて聴く曲だった。しかし、ほっとできた瞬間だった。

 私自身は、日本民家園などという大きな構想を目指している訳ではない、しかし、劇中の古江亮仁氏が抱いていた原風景とは異なるものの、私なりの原風景を手放さず、実現に向けて歩み続けている。全国の自治体に対する提案を準備しているので、今日の舞台で繰り広げられた、行政や議会内での様々なシーンはとても参考になった。

 これからも、自分自身の原風景を大事に持ち続けたいと、そう思える勇気と励ましを与えてくれる作品だった。

【作品資料】
・第7回 川崎郷土市民劇「日本民家園ものがたり」
 生田緑地に日本の故郷を〜壮大なロマンを実現させた男のドラマ
・作/小川信夫
・演出/鈴木龍男(前進座)
・公演日程
 5月10日(金)18時30分
 5月11日(土)14時00分
 5月12日(日)14時00分
  以上 多摩市民館
 5月18日(土)14時00分
 5月19日(日)14時00分
  以上 エポックなかはら
・問い合わせ先
 川崎郷土・市民劇上演実行委員会事務局
 電話&FAX 044-555-0588

【スウェーデンの野外博物館スカンセン】
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by hirune-neko | 2019-05-12 04:01 | 心の中のできごと | Comments(0)



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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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