昼寝ネコの雑記帳

2019年 01月 27日 ( 1 )

私は本当に、現実世界で生きているのだろうか

Bill Evans - Like Someone in Love
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 処理作業に追われて脳内が飽和状態のときは、まったく意識しないのだが、今日のように土曜日で電話も少なく、仕事場の整理をしているときには、身体は忙しいが脳内には空洞ができる。その空洞に、いろいろなイメージや視点が忽然と現れることが多い。

 歩いて5分ほどの所に、間口2間ほどの小さな果物屋さんがある。申し訳程度に一部に野菜も置いている。ご主人は高齢の男性で、つい最近まで体調が悪く、店には出ていなかった。何度か買いに行き、雑談を重ねるうちに、ご主人も私のことを憶えてくれるようになった。

 今日はミカン2袋と、サツマイモ芋2袋を買った。サツマイモの煮たのは、義母の常食なのだが、ちょうど切らしてしまったので買いに行った。「今日のリンゴは甘くて美味しいよ、福嶋産だけど」と勧められた。「ちょうど福嶋のリンゴ園から取り寄せて、まだ残ってるから、無くなったら買いに来ます」と答えた。心なしか嬉しそうな表情を感じた。もしかしてご主人は福島の出身で、原発事故の風評被害で苦労している、福島の農家の皆さんを応援しているのかもしれない、という気がした。

 会計の時、小さな箱に饅頭が6個ばかり置いてあるのが目に留まった。「あら、果物屋さんで饅頭も売ってるんですか?」思わず、そのような言葉が出てしまった。なんでも、市場に出ていたので仕入れたという。どこの製造なのか訊いたら、福島だという。「私はこしあんしか食べないので」といい、茶饅頭のような色のをひとつ購入した。

 買ったものをリュックに詰め、店を後にした。そのとき、福島や岩手など太平洋岸の農家の皆さんのことが目に浮かんだ。土にまみれ、丹精込めて作物を育てている、純朴な人柄の人たち。・・・出来上がった生産物は、すべて農協が買い取ってくれるのだろうか。それとも、自ら販売努力をすることが必要なのだろうか。農作物の生産と販売営業。いかにも相容れない感じがする。

 世界中、もちろん日本も含めてマーケティングは、IT技術が全盛である。インターネットで簡単に注文でき、一般価格より安く、迅速に配達までしてもらえる。いわゆる、高度にグローバル化された販売ネットワークである。

 1年ちょっと前に他界された、岩手県の冷凍和菓子メーカーの社長の事を思い出した。頑固一徹な方で、地元の穀類を主原料にした和菓子を作っている会社だ。 全国のほとんどの生協に販売をしていると聞いている。文字通り、地元の農家の皆さんと密接な関係を築き、長年にわたって特色ある製品を開発・販売してきた。その社長とは、かれこれ40年ほど前からの付き合いだった。何度か会社にお邪魔したことがあるし、ご夫婦で東京出張の折は三人で歓談したものだ。

 いつか、非常時に備えた備蓄用の製品を一緒に作りましょう、という話をしていた。私自身の構想である、みるとす会員向けに提供したいという考えがあるからだ。一昨年、喪中の葉書が来たので、常務である奥様に電話をした。その時に、社長と一緒にこのような計画を話し合っていたんですよ、と伝えた。すると、即座に息子さんが跡を継いでいるので、よろしくお願いしますと言われた。

 これまでの長い間、仕事で北海道から沖縄まで訪れている。もちろん、全都道府県をくまなく訪れてはいないが、考えてみると東北地方に足を運んだ回数が断然多い。東日本大震災の後、絵本の寄贈プロジェクトを告知していただくをお願いで、北海道から青森、岩手、宮城、福島までの地方新聞社を回った。

 最終的には、岩手県大船渡市にある東海新報社に、最も多くお邪魔した。そのご縁で、津波の被害が甚大だった気仙地方のみなさんに、励ましの目的で気仙オリジナル版の絵本の寄贈を継続することにしている。予算の関係もあり、まだ実現していないが、もう少しお待ちいただきたいと思っている。そういえば、一時期、日本将棋連盟の大船渡支部が主催する、ちびっこ将棋大会に参加賞のノートを提供させていただいた。震災直後の大変な時期の頃だ。必要であれば、またお手伝いをさせていただきたいと思っている。

 東海新報社の役員の方には、みるとすの構想を簡単に説明している。何年も前からブログに書いているが、 会員制のファミリー・インテリジェンスサービスである。もう少し具体性が高まったら、取材をお願いし記事にしていただくことになっている。その時に、地元気仙地方の農業生産者の皆さんの状況や、加工食品メーカーの様子も聞いてみたい。三陸地方はリアス式海岸で、漁業も盛んなところである。農産物と海産物、それと加工食品の生産力があれば、何らかの形で提携できればいいなと希望している。

 自分の構想を客観的に見てみると、現在主流となっているウェブマーケティングなど、一連のグローバル化指向とは180度真逆の方向に進んでいると思う。長期的に見るなら、その方向が正しいという確信を持っている。つまり、人生観や価値観を共有し、人的な交流を束ねてお互いに、有意義な事業を構築していく・・・仮に逆風が吹くときであっても、お互いの信頼関係と、共に助け合う精神で乗り越えて行けると思うからだ。

 長いものに巻かれず、周りの空気を読まず、相手の地位や権力に臆せず、至ってマイペースな考えて生きている。

 そのような自分の生き方を客観的に見たときに、もしかしたら私はすでに他界しており、地上の価値観や風潮に惑わされず、あの世の視点から物事を考えているのではないか、と思うことがある。早世の家系に生まれ、早死にを覚悟してずっと生きてきている。いや、もしかしたら途中で寿命が尽きていたのだが、まだまだ地上での苦労と修行が足りないという理由で、あの世に受け入れてもらえず、 何度も地上に送り返されているのではないだろうか。つまり、何度もこの世とあの世を往来しているのではないか、という感じを持つことがある。

 そんなことが時々あるので、自分が本当に現実世界で生きているのか、あるいは、あの世でいろいろな訓練と指導を受け、少しは世の中の人のためになることをして成長し、あの世で受け入れられるようなレベルになって戻ってきなさい、と言われているのではないだろうか。そのような荒唐無稽な考えが浮かんでしまう。
 
 こうしていても、自分が本当に生身の人間なのか、あるいは異空間との往来を続けている変種人間なのか、はたまた昭和生まれの人間なのか、あるいは実際に紀元前1000年ごろに生まれ、できが悪いのでなかなかあの世に受け入れてもらえないため、ずるずると3世紀も生きているのか、自信と確信を持って判断することができないでいる。

 そんな行き場の無い私を、どうか憐れんでやっていただきたい。それだけがせめてもの救いである。

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by hirune-neko | 2019-01-27 01:37 | 心の中のできごと | Comments(0)



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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