昼寝ネコの雑記帳

2018年 05月 27日 ( 1 )

天下のAmazonに向かって、弓を引く気はないのだが

Astor Piazzolla - Milonga Tres

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 栄枯盛衰という言葉がある。企業寿命という言葉もある。すぐ近所で、コインランドリーがオープンした。その前がなんの店だったか、さっぱり記憶にない。商店街には文房具屋さんが2店、はす向かいに営業していた。1店のシャッターが下りたと思ったら、イタリアレストランになっていた。閉店した文房具屋さんには、紀州の色上質紙の全判があったので、ときどき買いに行く程度だった。考えてみたら、文房具や梱包資材、用紙、封筒類はほぼ100%アスクルを利用して久しい。

 Amazonを利用する頻度もかなり高い。書籍だけでなく、リステリンやココナツオイルなどの食品、非常用の七輪や木炭も購入している。年額数千円のプライム会員なので無料の映画や、定額で読み放題の電子書籍も利用している。

 そのAmazonが過日のG20で問題になったという。世界中で販売益を上げているにも拘わらず、アメリカ以外の国では税金をあまり払っていない、というのが問題視されている主要因のようだ。しかし、違法・不法な会計処理を行っているのではなく、租税回避のためにタックスヘブンに会社を設立し、合法的に利益を集中させているのであれば、税制そのものを改正すべきかどうかというのが、最初に論じられるべきなのではないだろうか。

 私個人は別の視点からAmazonを問題視しつつある。以前、救急医薬品セットを購入した。とくに原産国の記載がなかったが、中国から郵便で届いた。返品交渉をしたが、商品に不具合がない限り返品に応じられない、というのが最終回答だった。すぐにAmazonにクレームを入れた。なぜ原産国を表示しないのか、と書いて送信したが、なしのつぶてである。
 数日前、次男が注文した帽子が、中国からやはり郵便で届いた。本人は驚き、ヒアリが付着していないか、私も心配した。現在、返品の申し出をしており返事待ちである。

 Amazonの販売の仕組みや、顧客管理システムはなるほど大したものだと思う。今日、Amazonから届いたメールを読むと、ネットで購入した情報やダウンロードした商品の情報を把握したい、と同意を求められた。個人の嗜好や思想傾向の把握に拍車がかかってしまうことになる。さらには、運送業者に破格の低料金で即日、あるいは翌日配達を強いているようだ。そのあおりで、最近届いた第1回目のゆうパックの見積もり金額は、なんと現状のほぼ2倍だった。

 おそらくAmazonでは、違法な商品以外はほぼ、なんでも購入できるのではないだろうか。逆の視点から見ると、長年に渡って地域社会に密着して商いをしてきた小売店が、まるでブルドーザーに踏みつぶされるかのごとく、廃業に追い込まれていくのは、このままでは時間の問題だと考えるようになってきた。

 そんな矢先、会社のサイトに設置してある「取次・書店様専用の注文・在庫問い合わせフォーム」から、在庫確認の照会が入った、珍しい名前なので見覚えがあった。確認したら、照会対象は単行本の「昼寝ネコの雑記帳」だった。書店を確認したら、北海道の道南地方の書店で、書店主は室蘭時代の高校の同窓生であるH氏だった。携帯電話の番号が記載されていたので、すぐに電話した。

 先週の土曜日に市ヶ谷の私学会館で行われた同窓会の写真が、北海道の彼にLineで届き、私が映っているので会社のサイトを閲覧しに来たという。名入りグリーティング絵本に興味があり、サイトに掲載されていたこのブログを見つけて読んだそうだ。どうして室蘭の市議会で名入り絵本が取り上げられたのか、と質問された。なんでそんなことまで知っているのか驚いたが、1時間かけてブログ記事をかなり読んでくれたそうだ。

 道南地方のその市では、かつて書店が6店舗営業していたそうだが、今では彼の店だけになってしまったという。彼曰く、わが社が創業時にC・W・ニコル氏の単行本を何冊か出版したとき、私が営業で彼の店に立ち寄ったそうだ。すっかり記憶の彼方になってしまい、失礼してしまった。

 奇しくも同窓生同士であるだけでなく、書店・出版社という同じ業界人同士なので、話題も共通して一気に饒舌な会話になってしまった。もう半世紀以上にわって、地元で書店を営んでいるだけあり、産婦人科のある総合病院の事務長と会うこともあるそうだ。その市は、生まれた赤ちゃんに絵本を贈るブックスタートも実施しているという。旧知の間柄なので、お互いに警戒心も何もない。街ですれ違ったとしても、互いに気づかないのは間違いないだろうが・・・そんなことより、遠慮の必要が無いので、私は一気に書店・出版社が提携して推進できる共同のプロジェクトについて提案した。絵本の見本と関係資料を送ることになった。
 
 東日本大震災の直後に、現地に何度も足を運び、自然の残した無残な爪痕を目にした。地元の新聞社、将棋連盟の支部の人たち、地元の皆さんとの交流の中から生まれた企画がある。子どもたちに、内面に存在する夢と希望を原動力にしてもらい、創作を通して感性や自信を深めてもらいたい、という一念で企画した独自の案である。あれからすでに6年近くが経過しているが、いつでもスタートできるノウハウは温存している。

 私は、地元で真摯に、地道に小売業を営んでいる方々と協力し合いたいと思っている。苦戦の渦中にある出版業界で、書店さんが活路を見出し、良書の普及に努めてほしいと願っている。そのために、私は売り上げ至上主義ではなく、既存の販売ルートの維持発展に協力したい、という説明に彼は心の中で深く頷いたように感じた。

 別に天下のAmazonに対して弓を引くなどという考えは、毛頭持っていない。ただ、これまでの人生で、欧米の企業経営者とは比較的接触する機会が多かったと思うのだが、限られた数ではあっても、その経験から感じているのは、日本は欧米資本によって植民地化されてはならない、という警戒心である。いざとなれば、総引き上げとなり、日本がどうなろうと知ったことではない。おそらく、ほとんどの欧米人経営者はそのような距離感で、日本市場を捉えていると思っている。

 とりあえず彼には、絵本に関するPDF版の資料をメールに添付して送った。そのメールの最後に、私は以下のように付け加えた。

 「これをご縁に、出版物という貴重な媒体の有効活用を創出し、仕事上でも有益な環境が作られますよう、願っています。長くなりましたが、今後とも宜しくお願いします。お元気で頑張ってください。
 多分、私は高校時代は異端児でしたが、今でも相変わらず、異端児だと自覚しています。ここまで生きてくれば、変えようがないので、自分の特質をこのまま維持したいと思っています。」

 正直な気持ちをいわせていただくと、私は自分のことを少しも異端児だとは思っていない。自分ほどまともな考えの持ち主は、そんなに多くはないと思っている。ただ、一般的な考え方とは、かなりかけ離れているだけであり、自分を卑下することはしない。・・・しかしもしかして、そういう人間のことを、世の中は異端児と呼ぶのかもしれないと思うが、好きに呼んでいただいて結構である。


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by hirune-neko | 2018-05-27 01:05 | 心の中のできごと | Comments(0)



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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