昼寝ネコの雑記帳

2015年 04月 26日 ( 1 )

ペルー人の男性はピアソラファンだった


piazzolla goyeneche la ultima curda

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珍しく、昼過ぎから外出し、都心に行った。
外出する機会が少なくなっているので、
何時間も外で過ごしていると、疲労を感じる。

知人と次男を送る途中、奉仕団体から電話があった。
7時から急な面談が入ったが、同席できないか
という用件だった。
道路が渋滞気味だったので、遅れても良ければ
という条件で引き受けた。

遅れて到着したが、
ちょうど面談が始まったところだった。
自己紹介されたが、良く聞き取れなかった。

面談した二人はアメリカ人で、ペルー人との
やりとりは英語だった。
以前何度か同席したのは、パキスタンからの
難民の男性だったことを思い出した。

黙って話を聞くうちに、脳内に疲労が拡がるのを
感じていた。
ペルー人の男性の英語を理解するのは
少し厳しかった。集中しようとしたのだが、
いつの間にか、うたた寝していたらしい。
私に意見を求めるのをかろうじて認識したが
質問がなんのか把握しておらず、聞き直した。

私には少々専門的な内容だったので、
完全には理解できなかった。

再び私に意見を求めてきた。
直前になぜか、ピアソラがペルーでは
良く知られた作曲家なのかどうか訊こうと
思ったので、iPadでピアソラ音の出る図書館を
開いていた。

「ペルーでは、作曲家のアストル・ピアソラは
良く知られた存在ですか?」
彼は意外そうな表情を見せた。
「ピアソラは(彼はピアゾラと発音した)、
アルゼンチンの人ですが、ペルーでも
よく知られていますよ。私もピアソラが好きですよ」

へえ、と思い、図書館のトップページを見せた。
「私はピアソラの作品が好きで、ネット上に
自分でピアソラの図書館を作ったんですよ。
ペルーはコロンビアに近いですか?(近いそうだ)
コロンビアに住んでいるFacebook友だちと一緒に
作ったんですよ。200曲以上が、アルファベット順に
並んでいて、聴くことができますよ」

ピアソラ作品をアルファベット順に並べたページを見せた。
彼は嬉しそうな表情になった。

それからひとしきり、南米人がいかに音楽を愛するか
というテーマでの、彼の独演会になってしまった。
奉仕団体の方には、話題が横道に逸れてしまい
申し訳ないと思ったが、表情を見ると
にこやかに彼の話を聴いていた。
できた人たちだ。

それまでは、人生観や宗教観など、堅い話題に
終始していたのだが、一気に打ち解けた雰囲気になった。

ピアソラファンの方との出会いがあって
私もすっかり嬉しくなってしまった。

スペイン語の歌で、日本語に聞こえる部分があるが、
本当にスペイン語なのか、と訊いてみた。
「蹴って消えろ、池の声を」
こんな風に聞こえるんだけど、というと
彼は笑いながら、それはスペイン語だといった。

現金なもので、いつしか私の眠気もすっかり覚めてしまい
ピアソラの組曲・天使のミロンガと、悪魔のミロンガの
曲想の違いについて、さらには神学的解釈についてまで
持論を述べるに至ってしまった。

南米人と音楽について熱く語る彼の表情を見ながら、
ラテン音楽の源流を垣間見た感じがした。
思いがけなく、貴重な出会いだった。


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by hirune-neko | 2015-04-26 00:24 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(0)



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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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