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昼寝ネコの雑記帳

2007年 12月 01日 ( 1 )

果てしない道を走ってみた・・・だけの話し

ここらには、国道5号線という主要道路の他に
石狩街道という、やはりメインストリートがある。
今日は11月の末日で、なんとか月末をクリア。
ひと区切りついたのと、少し独りになりたかったので、
試しに、その石狩街道を走ってみることにした。
ものの数分で住居表示が手稲区から石狩市に変わった。
しばらく走ると、左方向が小樽の表示となり、
構わず走り続けるとやがて銭函という海水浴場の表示。
それも無視して真っ直ぐ走ると、標識の表示に
留萌(るもい)という地名が出てくる。
留萌だなんて、かなり北のはずだが・・・。
いつの間にか信号がなくなっており、ひたすら走る。
カーナビの画面を見ると、石狩湾沿いに進んでいることが分かる。
街灯も対向車も少なくなり、後続車もない。
道路脇に時折見える明かりは、ガソリンスタンドかコンビニ。
一軒だけ、木造平屋造りの「海産物屋」が
がらんとした店内を灯りに浮かび上がらせている。
徐々に心細くなる。もう少し走ってみよう・・・
遠くに灯りが見える。あれはなんだろう・・・
比較的真っ直ぐな道路はしかし、本当に何もない。
民家らしきものは、海岸線の反対側の山側に点在している。
すでに半時間は走っただろうに、景色に変化がない。
引き返す決心がつかず、惰性で走り続けるうちに
奇妙な現実感に包まれる・・・住んだことのない場所だが、
おそらく、現金は貴重な通貨であり、農作物や海産物は
身近なものだろうけれど、工業製品は・・・
燃料や肥料や工具などは、雑貨屋で貴重な現金と
引き替えで購入しているのだろう・・・
反復と単調な情報に覆われているのだろうか。
寒い夜はストーブのある屋内で暖を取り、
厳しい冬が過ぎ去るのを・・・柔らかい春が訪れるのを
じっと寡黙に耐えているのだろう・・・
子どもの頃の冬の日々をかすかに思い出し、
なにかある種の閉塞感を突きつけられたような、
あるいはあらゆる虚飾を一切排した現実を突きつけられたような
なにやら感性の覚醒というものを感じた。
人は生きるために生きなくてはいけない・・・
そんな最も根源的な生活の匂いがした。

とうとう引き返さざるを得ない心境になり、
細い道を右折してブレーキを踏み、向きを転じた。
留萌、あるいはさらにずっと行けば、おそらく
道路標識は稚内を指すのだろう。
行ったことのない街だが、最果ての・・・最北端の
稚内の街には、どんな心模様の人たちが住んでいるんだろう。
行ったことのないシベリアが私の原風景なのだが、
それに近い何かがあるような気がして、
そして、恐ろしく人生を覚醒させられる何かが
そこにあるような気がして、足を踏み入れることに
強い恐れを感じる・・・不思議なことだ。

カーナビの画面に札幌市の表示が現れると
先ほどまでの孤独感と寂寞感が急速に薄まり、
木が森の中に紛れるような妙な安心感に浸ることができた。
裸の自分が直視される場所から、暗闇と雑踏に
ひっそりと姿を隠すに好都合な、都会の生活に・・・。

何も具体性はないものの、何か考えさせられた時間だった。
本当に果てしない道を走っているような感覚だった。

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昼寝ネコの文章がグリーティング絵本になりました

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by hirune-neko | 2007-12-01 01:33 | 心の中のできごと | Comments(4)



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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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