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昼寝ネコの雑記帳

ああ、なんたる失策・・・老いの入り口

自慢ではないが、私は滅法誘惑に弱い方だ。

ウィークリーマンションを引き払い、
エレベーターに乗り込む。
小さな車輪のついたカバンを引き、
ショルダーバッグが肩に重い。
一歩外に出ると、うぐっ、初夏の大阪。
とたんに歩くのが億劫になる。
新大阪までタクシーで行きたいなあ。
そういう気持ちを抑え、JR塚本駅へ。
駅の階段を昇る気力がない。
ああ、エレベーターがあった、天国だ。

新大阪の東口を出て少し歩いたところに
マンション業者の事務所があり
鍵を返さなくてはいけない。
東口にはエレベーターも
エスカレーターもないことは先刻承知である。
おかげで前回は酷い目にあった。
今日は抜かりなく、大型のコインロッカーだ。
手ぶらで歩くのがこんなにいい気分だとは・・・。

事務所に着いたら外出中の貼り紙。
ご用の方は電話するように・・・。
いくら電話しても出ないではないか。
仕方がないので、本部に電話し指示を仰ぐ。
鍵は、玄関の郵便受けに入れてくれというので
なんの疑いも持たず、ダイヤル錠で
ロックされている郵便受けに入れて
東口に戻る。
てぶらだと階段も苦にならない。
さて、昼飯ぐらいゆっくり食べてから
コインロッカーに行こう。
そう決めて、ロッカーの鍵があることを
確認しようとポケットを探ったとき、
ふと不安な気持ちになる。
あちゃ、間違えてロッカーの鍵を入れちゃった。

再び事務所に戻るが、やはり不在。
また本部に電話し、結局は数分で
スタッフの方が来てくれたので
事なきを得た。

ちょっとした落胆を感じた。
集中力が途切れたといえば聞こえはいいが
なんのことはない。
人間はこんな感じで徐々にぼけていくのだろう。
でも、ぼけたらぼけたで、いやな思い出も
きれいさっぱり忘れられるのだろうか。
肝心なことをどんどん忘れ、
忘れたいことだけが残る人生だったら
最悪ではないか。
いや、おそらくは恩讐を忘れ
心穏やかに晩年を送るのが
人間へのせめてもの贈り物なのではないだろうか。

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by hirune-neko | 2008-04-16 20:26 | Comments(6)
Commented by at 2008-04-17 06:34 x
いやいや、ボケなんぞ言わないでください。
疲れていただけですよ、誰しも疲れていれば大なり小なりミスはします。
あまり知らない土地へ行き、初顔合わせの営業とくれば
身も心もクタクタではないでしょうか。
自分は営業なんてとてもできないので、営業される方は凄いなと関心します。
Commented by hirune-neko at 2008-04-17 12:19
>堀さん

慰めてくださり、ありがとうございます。
昨日はずいぶん寝ました。
また次のハードル向かって助走です。
Commented by 天然木 at 2008-04-17 13:15 x
忍び寄る脳の衰えに焦る今日この頃。
例えば・・4830円を徴収するのに、5050円をいただいた途端
計算力がストップ!あややこややで大パニック・・これって危ないですね。ショックですよ本当に。
Commented by hirune-neko at 2008-04-17 13:43
>天然木さん

そういうお金の渡し方も珍しいですね。
5000円で4800円を払い、
50円で30円を払う・・・というつもりなんでしょうね。
でも、2回引き算をしてまた足し算・・・
ん〜クイズみたいなものですね。
私も一瞬、パニックになると思います。
Commented by 旅遊亭のトーマス at 2008-04-17 16:55 x
はじめまして、
旅遊亭のトーマス青木と申します。
ブログランキングエッセイからお伺いしました。
不肖トーマス青木のサラリーマン時代を回想しつつ、たのしく拝読しております。今後とも宜しくお願いします。

PS:おっと、RKing!応援して帰ります、、、。
(できる限り、毎日伺いしたいです…)
Commented by hirune-neko at 2008-04-17 20:18
>旅遊亭のトーマス青木さん

ようこそおいでくださいました。
こちらこそ宜しくお願いいたします。
応援、有難うございます。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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