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昼寝ネコの雑記帳

正常な愛と異常な愛

正常な愛と異常な愛_c0115242_123520.jpg


カトリ〜ヌ・笠井さん作、初代昼寝ネコの画である。こうして改めて見てみると、確かに漫画チックではあるが、味わいのある表情だと思う。画の構図に関しては、まったくカトリ〜ヌさん任せなので、できあがって初めてフ〜ンということになる。人間の心理とは面白いもので、同じ画を見ても想像する内容が違うものだ・・・まあそれが普通なのかもしれない。

さて、ひとつ不思議なことが起こった。私が初めてこの画を目にしたとき、中年雄ネコがなぜ雌ネズミを追いかけているのか・・・?しかもどうしてネズミはビキニスタイルなのか・・・?未だにその謎は解明されていない。全ては私の想像力に任されているらしい。さて、そこでだ。この雌ネズミの名前はなんだろうかと考えた。数秒後に頭に浮かんだのは「ジョセフィーヌ」。一体どこから、そしてどうしてその名前が浮かんだのか、今でも思い当たらない。しかし後日、そのことを伝えるとカトリ〜ヌさんは絶叫するぐらい驚いてしまった。なぜなら、若かりし頃、職場でつけられていたあだ名が「ジョゼフィーヌ」なのだそうだ。なるほど、同じ綴りでもフランス語やドイツ語、あるいは英語によっては読み方が違う。しかし「ジョセフィーヌ」と「ジョゼフィーヌ」というちょっとした違いはあったとしても、よくもまあ、このドンピシャリの名前が思い浮かんだものだと感心する。

さて、なぜ昼寝ネコはビキニ姿の雌ネズミを追いかけているのだろうか。自分ではかなり想像力がある方だと思っていたのだが、この画に関してははたと機能が停止してしまっている。直感力を動員しても無理なので、少し理性を働かせている。・・・それでも難しい。

昼寝ネコはそんなに必死な形相で追いかけているわけではない。つまり空腹に耐えかねて「エサ」であるネズミを食べようとしているのではないようだ。かといって、ジョセフィーヌに求愛して逃げられ、なんとか説得しようと必死で追いかけているようでもない。いずれにしても、第三者の人間があれこれ詮索しても始まらないのではないだろうか。だって、減量中の二人が・・・いや二匹が・・・励まし合ってランニングしているだけなのかもしれないのだから。

ところで、昨今ではかなり死語に近くなってしまった「愛」を、昼寝ネコがジョセフィーヌに対して抱いているとしたら、それは「種」という垣根を越えた、異常な禁断の「愛」だとされるのだろうか?それとも、嫁入り前のジョセフィーヌの腹部の脂肪が気になり、隣人愛で一緒にランニングの付き合いをしているだけだとしたら、人道的人類愛ともいうべき正常な愛なのだろうか。

エーリッヒ・フロムは著書「愛するということ」の中で、愛とは相手を理解し、尊敬し、受け入れることだと、簡潔に述べている。人を愛すること、人から愛されること、人を愛するあまり、愛されないことが憎しみに変わること、世の中には愛憎にまつわる目に見えない苦悩の、なんと多いことか。それだけ人間は、実は愛に飢えているのだと思う。人から愛されることを諦め、絶望した人間が、本当の意味で無償の心をもって、人を愛することができるのかもしれない。おそらく生涯のテーマなのだろう。

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昼寝ネコの文章がグリーティング絵本になりました

グリーティング絵本のコミュニティーもできています(mixiです)
by hirune-neko | 2007-07-19 01:28 | 心の中のできごと | Comments(8)
Commented by うめ at 2007-07-19 16:22 x
ランキング上位おめでとうございます。
ネズミのジョセフィーヌには名前があって昼寝ネコさんのお名前はないのでしょうか?  初代昼寝ネコさんのほうが中年オヤジらしさがでていますね。   の〜んびり昼寝することに慣れてしまっていたネコさんが、ジョセフィーヌに挑発されて、オスの本能が目覚めてしまったのかしら?

人を愛する事…代償を求めない愛、それがわかりながらも求めてしまうんですね。   語らずしては理解もできないし、語り過ぎては衝突も…
Commented by ケ・セラ・ソラ at 2007-07-19 16:29 x
そもそも愛という感覚?感じ方,形を確立したのはアダムとイブ?
天照大御神?でも親が子をおもう愛に勝る愛はないでしょう・・
それこそ無償の愛です。(悲しいかな損なわれている気もしますが)
Commented by hirune-neko at 2007-07-19 17:03
>うめさん

ランキング、ちょうど一週間前の登録ですから
速いスピードで十傑入りさせていただきました。
皆さんのご協力のおかげですから嬉しいのは当然なんですが、
半面、自分の書く文章にさらなる責任を感じでいます。
引き続きよろしくお願いいたします。

確かに初代の方が中年オヤジっぽいですね。
ちょっと個性的でクセもありそうですね。
実物の昼寝ネコは、どちらかというと淡泊で
小心で、面と向かっての自己主張が苦手で、
イメージ的にはちょっと違うようにも思います。
で、昼寝ネコにはそういえば名前はないんですね。
おそらく日本的な名前の方が似合うんでしょうね。
お好きなようにお呼びください。

愛っていうのは、あまり言葉に出し過ぎると
軽くなってしまうような印象を受けています。
・・・うめさんって、小梅さんかなと、
ふと懐かしく思ってしまいましたが、それはともかく、
いくら小説の世界とはいえ、初老にさしかかってもなお
愛=不倫のような表現をされるとげんなりですね。
自制の効いた、精神性の高い愛をテーマに
書いてみたいものだと思っています。
貴重なご意見を有難うございます。
是非ときどきお立ち寄りください。
Commented by hirune-neko at 2007-07-19 17:10
>ケ・セラ・ソラさん

そうですね、無償の愛とか、自己犠牲とか
そういう感じの行為は人の心を動かすんでしょうね。
何かいいことをしても、
「右の手がしたことを左の手に知らせない」
という、いわゆる見返りを求めず計算もしない
そんな言動をする人が増えれば、世の中も
もっと過ごしやすくなるのではないでしょうか。
仮想の人物にそれをさせるのはまだいいのですが
実際に自分がしようと思っても、なかなか簡単ではないですね。
ですから、せめて仮想の世界で、こうあったらいいなという
ストーリーを書いてみたいと考えるようになりました。
Commented by バオバブ at 2007-07-19 23:10 x
愛...
これはこれは難しいテーマですね。
言葉で語ると陳腐、表現し過ぎると嘘臭い気もしますが、
こころの中のもっとも重要な部分にあるようなもの...
ですから目に見えないんでしょうね。
ただこれは愛だなぁ〜と感じる瞬間はあるのですよ。
例えば抱っこしながら赤ちゃんを見つめる優しい母親の笑顔とか、
仔犬とか仔猫と出会った時の互いの温かいアイコンタクトとか、
そういう事を目にする時、気持ちがじ〜〜〜〜んとします。
実に美しく、実に穏やかな笑顔に出会えるんです。

やはり人のこころを動かす最大の、ち、か、ら、ですね!

Commented by うめ at 2007-07-19 23:43 x
小梅でもカツラかぶってる小梅でもなく「うめ」ですよ。
「愛」はさりげなく感じていたいですね。 シャボン玉の中に入っているようにフワフワとそこらじゅうに…   少しでも悲しい出来事がおこらないように。

昼寝ネコさん 残念ながら初老ではないですよ。 初老はもう少しお若い年齢の事だそうです。  私も驚いたのですが…
Commented by hirune-neko at 2007-07-20 01:25
>うめさん

どなたかと思ったら、うめさんじゃないですか。
再度のご登場、有難うございます。
どなたかと思って、内閣情報調査局に至急調査を依頼し、
なんとかどのような筋の方かは把握しました。
私の友人がご贔屓にあずかっているようで、
有難うございます。お礼申し上げます。

で、私は初老ではない訳なんですか?
は?初老じゃない?じゃあ・・・ひょっとして
「とっくに老人」というカテゴリーに入ってしまうんですか?
ぎょえ〜っ!それは知りませんでした、
何かどっと老け込んだ気がします。
いつもより重力をズシンと感じています。
Commented by hirune-neko at 2007-07-20 01:59
>バオバブさん

そうですね。愛って目に見えませんし、言葉で定義するのも
億劫ですしね。でも、うかつに気を許すと詐欺に遭いそうですし、
そんな世の中で、愛を表現するというのは至難の業ですよね。
でも、私は理屈や定義ではない、心で感じる愛を
表現したいんです。そうです、あのジャック・ニコルソン演じる
メルビン・ユドールのように、偏屈な恋愛小説家になりたいんですよ。
それが夢なんです。で、レストランに行くときは、彼をまねて
プラスチックのナイフとフォークを持って行くわけです・・・。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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