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昼寝ネコの雑記帳

今日も労作の最新時事小説をご紹介する

"Solo" Roberto Goyeneche

いつもクリックを有難うございます。励みになっています。


 状況を把握し、事態の方向性や、どのように対応すべきかを判断するためには、どのような行動が適切だろうか。

 人によっては、テレビのニュースあるいは新聞の記事を鵜呑みにし、そのまま影響を受けてしまう場合もあるだろう。逆に、できるだけ多くの情報を集め、自分なりに分析して判断する人もいることだろう。

 表面的な事象だけを見て判断したり、テレビや新聞の報道だけで判断するのは、今の時代、すなわち情報戦争・プロパガンダ活動が横行する現代社会にあっては、とても危険なことだと思う。

 世界の主要な情報機関が、その70%から80%の人的あるいは資金的資源をかけるのは、公開情報の収集と分析だと言われている。OSINT情報:Open Source Intelligenceと呼ばれる手法だ。

 これまでにもう何度かご紹介している、ブログ「徒然なるままに」のブログ主の方は、日常的にかなり広範囲の情報源から情報を収集している。その時点で、信憑性の高い情報源であることを前提に、ブログで紹介をされていると推測している。

 さらにブログ主の方は、それらの情報をもとに分析や考察を加え、とてもリアルな国際時事小説として、時々発表している。作品中では、G7加盟国それぞれを擬人化して、それぞれの視点からの意見も述べている。しかも、かなり過去に遡った歴史的な考察も加えている。

 フィクションと言われればそれまでだが、かなり広範囲の実態情報を収集し、分析を加えて方向性や判断を示している。これは、ある意味では上記のOSINT情報の手法に匹敵する行為だと思う。なかなかできない、情報収集と分析のプロセスを、実際に経ている作品なので、読者にとっても知識面で勉強になるし、かつ、表象的な情報だけからは得ることのできない、深く洞察した判断を味わうこともできる。

 その意味で、ご一読をお勧めしたいと思い、今日発表されていた作品を以下にご紹介させていただく。


【ブログ「徒然なるままに」】
●日本アラカルト[時代の行方30 ジャパニーズ・パラドックス]
2020/04/11 04:20


[皆様へ]

いつも拙作を御訪問いただきありがとうございます。

全国7都府県に緊急事態宣言が発令されましたが、
皆様、如何お過ごしでしょうか。

人々の交流が密な地域では、感染拡大地域から帰郷した人々への厳しい応対があるようです。
罷り間違えば大量殺人にも成り兼ねません。
心配や不安に駆られることもあるとは思いますが、1ヶ月間の辛抱です。

Chinese Virusに勝利する為に頑張りましょう!

2020年4月11日 ちはや拝

*****

(注意)
欧州各国の感染者数・死者数の記載がありますが、
感染者数は4/9、死者数は3月の終わり頃の資料を参考にしています。

※本作品は『国擬人化漫画・ヘタリア』の二次小説です。
※幾つかのニュース記事やブログ、資料などを参考に執筆したお話しです。
※少々過激な発言があります。
※真偽は問わない、どの様な内容でも構わないとおっしゃる方は、ご自分の責任の下に閲覧ください。

*****

●日本アラカルト[時代の行方30 ジャパニーズ・パラドックス]

普:よう、お帰り、ルッツ!
菊もフェリちゃんもようこそ、おー、アーサーも来たのか、歓迎するぜ!

 ホテル泊を回避してドイツ邸に招かれたG7メンバーは、 思いがけずも賑やかに出迎えられてポカーンと目の前の銀髪の人物を見た。

独:兄さん…?

普:おう、兄ちゃんだぜ。
 ほら、お前たちの部屋番号だ、さっさと着替えてシャワーを浴びてこい、スーツはハンガーに掛けてカバンと一緒に廊下に出しておけよ、俺様が消毒するからな。
 おっと、その前にスリッパに履き替えてくれ、我が家は土足厳禁だ。

 プロイセンことギルベルトは、それぞれの手に何やら書かれたカードを渡すとG7一行を二階へとせき立てた。
 命令することに慣れた声音に誰もが反論することなく従った。

 ギルベルトが靴やスーツに鞄、ドアの取っ手やその他消毒を終え、自身もシャワーを浴びてリビングに降りた頃、G7一行が一人二人と降りてきた。

独:兄さん、戻っていたんだな、イタリアはもういいのか?

普:おー、フェリちゃんのお兄様(イタリア・ロマーノ)が、ルッツが疲れているみてえだからドイツに戻るようにと言ってくれたんだぜ。
 口は悪いけど、優しいんだよなぁー

伊:俺の子供たちがお世話になりました、ありがとう、ギルベルト…

普:少しでもフェリちゃんの役に立てて良かったぜ。

伊:うん…

 腹減っただろ、ちょっと待ってろよ、そう言ってギルベルトはリビングを出て行った。

日:医療支援か何かですか?

 菊が隣にいたルートヴィヒに尋ねた。
ドイツの兄プロイセンは優秀な医師でもあった。

独:いや、教会の手伝いだ。

日:教会ですか…?

伊:司祭として臨終に立ち会ってくれたんだよ。
カトリックでは臨終の儀式として臨終の床にある者の額に香油を塗るんだけど、Chinese Virusに感染して何人もの司祭様が亡くなったんだ…それでギルベルトが応援に来てくれたんだよ。

日:そうでしたか、痛ましいことですね…

英:臨終の床にあるカトリック教徒にとっては欠くことのできない儀式だからな…

伊:洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油(終油の秘跡)、叙階、結婚をカトリック教会では『七つの秘跡』としているんだけど、秘跡が行えるのは司祭だけという決まりなんだよ。
 ギルベルトはマリア病院修道会から始まって、ドイツ騎士団、プロイセン公国、プロイセン王国、そしてドイツ帝国になったのは知っているよね?
 ドイツ帝国をルートヴッヒに譲って引退したんだけど、ドイツ騎士団はオーストリアで今も活動しているんだ。
 そのドイツ騎士団を通してギルベルトに救援の要請が来たんだって。

伊:多分ね…、兄ちゃん、頼みにくかったんだと思うんだ…
 イタリアは感染爆発が起こって次々と国民が死んでいたから、そんなイタリアに来てくれとは言えなかったんだと思う…
 バチカン市国の化身でもある兄ちゃんは、司祭として臨終の儀式に走り回っていたんだけど、昼も夜も寝る間もなくて疲れ切っていたんじゃないかな…?
 それでバチカンの誰かが、ドイツ騎士団を通してギルベルトにメッセージを送ったんだと思うんだ。
 ギルベルトは直ぐに来てくれて司祭の務めを果たしてくれたんだよ。

日英:……

伊:たくさんの俺の子供たちを看取ってくれたんだ…、感謝しても仕切れないくらいだよ…

 フェリシアーノの頬をぽろぽろと涙が零れ落ちる…
 ルートヴイッヒの大きな手が慰めるようにはその頭をぽんぽんと撫でた。

伊:ルートもありがとう…、ギルベルトを送り出してくれて…

独:兄さんにしかできないことだからな、当然のことだ…

*****

 カトリック教会の七つの秘跡(Septem Ecclesiæ Sacramenta)

 洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油(終油の秘蹟)、叙階、結婚

 古代から行われていた病者への塗油は、時が経つにつれて「臨終にある者」に対してのみ行われるようになっていたため、「終油(しゅうゆ)の秘跡」と呼ばれていた。
 だが、第二バチカン公会議後の1972年には秘跡の由来と本来的な意味の見直しが行われ、対象を「病気や臨終にある者」とし「病者の塗油」という名前に改めた。
 秘跡を行うことができるのは、司祭のみである。額および両手への塗油は、典礼書に規定されている通りに行われなければならない。また、必要な場合には、額または身体の他の部分の一か所に塗油するだけで十分とされる。教区の司教の規定に従い、同時に複数の病者に対しこの秘跡を行うことも可能である。重大な罪の状態にあり、罪を改めないでいる者には病者の塗油を行ってはならないとされる。
 儀式の流れは初めに祈りがあり、聖書の朗読および連願が行われ、中心的な部分である塗油が行われる。次いで聖体拝領と祝福が行われ、儀式が終わる。この聖体拝領は、特に臨終の者にとっては最後の拝領として大きな意味がある。

*****

独:ところで兄さん、服や鞄…、靴もか、を消毒する必要があったのか、俺たちが感染することはないんだぞ。

 夕食を終えめいめいリビングで寛いでいた。

普:何言ってんだ、俺たちは感染しなくてもウイルスを運ばねえとは限らねえだろ。
 俺たちが感染源になることだけは避けねえとならねえんだよ。
 国民を護る為に出来るだけの予防策を講じるのは当然のことだぜ。

独:そうだったな、うっかりしていた、すまない。

日:私もうっかりしておりました、今後気をつけます。

英:スペイン風邪もだが、黒死病(肺ペスト)は最悪だったな。
 まるで、あの悪夢の再来のようだ…

普:イングランドやイタリアは人口の8割が亡くなったんだったか?

英:ああ、罹れば肺炎を起こしてほぼ100%が死んだ、幾つもの町や村が全滅したんだ…
 当時のイングランドの総人口は約400万人で、1/3が死んだと言われている。

普:130~140万人か、悲惨だな…

伊:イタリアも北部の都市はほとんど全滅したんだよ…、ドイツはどうだったの?

普:う~ん、それがよくわかんねえんだよなぁ。
 神聖ローマ帝国時代だからなぁ、帝国とは言っても内実は王国公国諸侯領の集合体みたいなもんだったし、その頃の俺様は帝国のメンバーじゃなかったからなぁ。
 確か、ドイツ騎士団国を築いてバルト沿岸やポーランド辺りにいたんじゃねえかな?

英:そう言えば、ポーランドは黒死病の流行がほとんどなかったんじゃなかったか?

普:ああ、それであまり覚えてねえのか。
 ドイツの死者数はよくわからねえが、グリム童話に『ハメルーンの笛吹き男』という伝承があるのは知っているだろ?
 あれは黒死病の寓話じゃねえかと言われている…、つまり、黒死病で町の子供が全員死んだってことだな。

英:あの頃の欧州の総人口の1/3が死んだと言われている。
 5000万とも2億とも諸説あるが、時代が一変したことは間違いないだろう。
あ…、そういやぁ、黒死病もイタリアから始まったんだよな…?

伊:ヴェーーー!!!

普:フェリちゃん、落ち着け、ルッツ!

 黙って話に耳を傾けていた菊とルートヴッヒが慌ててフェリシアーノを宥めにかかった。

普:アーサー、正確さを欠くな、海洋国家イタリアは感染ルートになっただけだ。
 欧州にペストを持ち込んだのはモンゴル帝国だぜ。
言わば、今の…

英:Chinaだな。

普:Chinaからイタリア経由で欧州に広がった…?

英:まんまだな。

普:正しく再来かよ!
 彼奴ら、とんでもねえ昔から迷惑掛けやがってーーーっ!!!

英:スペイン風邪の発祥も、SARSや鳥インフルエンザの発祥もChinaだな。
 疫病発祥の地なのに、彼奴らなんで14億人もいるんだ?

普:あ…、世界の七不思議だな。

英:ロマンの欠片もないな。

普:ひたすら厄介なだけだぜ。

 うんうんと頷きあっている二人にルートヴッヒが声を掛けた。

独:ポーランドでほとんど流行がなかったのは何故なんだ?

普:ポーランドはアルコール(蒸留酒)で食器や家具を消毒したり、腋や足などを消臭する習慣が国民に広く定着していたからじゃねえかな?
 原生林も結構残っていて、ネズミを捕食する狼や猛禽類などが多数生息していたのもあってペストの発生が抑えられたんじゃねえかと考えられているみてえだな。

独:肺ペストが終息した理由は?
 スペイン風邪の場合は、多数が感染して免疫を獲得したからだと言われているが?

普:うーん、そこなんだが、単に人間が少なくなったからじゃねえかなぁ?

独:そういうことか…

 二人の遣り取りを聞いていたアーサーたちがぼそりと呟いた。

英:原生林、大事だな。

伊:パーソナルスペース、大事だね。

日:アルコール、大事ですね…、我が国では一般では購入できなくなりました。

独:医療施設が最優先だから仕方がないが、そう言えば兄さん、何処でアルコールを手に入れたんだ?

普:あ、自分で作ったんだぜ。

独:えっ、作った!?

英:ああ、教会なら蒸留酒の作り方を知っていて当然か。

伊:そうだね、元々製薬も教会の役目だったからね。

普:…というのは冗談で、イヴァン(露)に頼んだんだぜ。
 「ちょっとウオッカ送ってくれねえか」って電話したら、大喜びで送ってくれたぜ。
 ダースで12箱、地下室に置いてあるからな、飲むんじゃねえぞ。

独:俺はビールの方がいいが、アルコール代わりにするには度数が足りないか…

普:泡も邪魔だな。

独:うむ。

日:我が国は外国と関わる度に未知の流行病に曝されて多くの国民を失いました。
 天然痘は大陸の先進的な知識や技術を取り入れる為に遣わした遣唐使が持ち帰ったと言われており、繰り返し大流行を起こしています。
 チフスやコレラは外国船と交易をするようになってからですし、ペストに至っては開国するまで国内流行は確認されませんでした。

英:日本は四方を海に護られた隔絶の地だからな。

日:『蘭学』と言って、オランダを通して長崎の出島で西洋医学を学んだ者たちや、開国後に西洋留学で医学を学んだ者たちが防疫に尽力してくれたので、水際で食い止められたこともあったそうです。

普:『蘭学』てえのはドイツ医学のことだな、正確にはプロイセン医学なんだが、日本が開国した頃の欧州諸国はプロイセン医学を学んでいたんだぜ。

日:はい、存じております、最先端の医療技術国でしたし、それは今も変わりません。
 それ故、医学留学先としてプロイセン王国を選んだのですから。

普:フランスに近代医学を教えたのは日本だったよな。

日:はい、フランスは第一次世界大戦まで近代戦争の経験がなかったそうです。
 日本赤十字を通してフランスの医療支援に派遣された医師たちが、近代医学をフランスの医師たちに教えたと伝えられています。

独:憲法を始めとする近代法体系も近代医学も、欧州諸国は兄さん…、プロイセン王国から学んだんだ。
 プロイセン王国はドイツ帝国に名を替え今は歴史の中に遺るだけだが、プロイセン王国から学んだものは欧州諸国の根幹となって生き続けているんだな。

日:近代国家を造り上げる為に、プロイセン王国に学んだことが私の誇りです。

普:俺様の弟も弟子も可愛いいことを言ってくれるぜー!


嬉しそうに笑うギルベルトを横目に、アーサーは菊に話し掛けた。


英:なあ、菊、日本がChinese Virusの感染爆発を食い止められた理由は聞いたし納得もした。
 今は感染確定者が急増しつつあり、首都ロックダウン(閉鎖)こそなかったものの1ヶ月間の『緊急事態宣言』も発令された。
 俺たち欧州からすれば、日本の現状はまだまだ余裕だと言えなくもない。自衛隊のChinese Virus対策を見ていた『軍』の助言もあって、欧州各国は日本方式の対策に切り替えたわけだが、それは正しかったと思っている。
 トランプ大統領が検査対象を絞ると言っていたにも関わらず、ニューヨークはKoreaやWHOのもっと検査しろー、に従って無闇矢鱈に検査対象を拡大した挙げ句、医療崩壊を起こし多数の死者を出した。
 だが、この先、日本は、第二の感染爆発を抑え込める確信はあるのか?

ギルベルトたちも話を止め二人の話に注意を向けた。

日:この先も上手く行くという確信はありませんが、ダイヤモンド・プリンセス号の試練があったから、医療現場の準備を整えることができたということが大きかったのではないかと思います。

独:そう言えば、「ダイヤモンド・プリンセス号の一件があったから、検査対象を絞ることの意義や対処方法をを実地で学ぶことができた」と言っていたが、具体的にはどういうとなんだ?

 『時間を稼ぐこと』

日:それが、『鍵』でした。
 1月30日に自衛隊に災害派遣命令が発令され、当初は武漢からのチャーター機帰国者の対応に当たることになっていたのですが、イレギュラーなダイヤモンド・プリンセス号の入港でその対応にも当たることになりました。
 実は、この事が幸運でもあったのです。
 自衛隊の生物兵器対応の専門部隊が、自衛隊中央病院の医師を始めとした医療関係者に未知のウイルス感染者の受け入に対する様々なレクチャーを行い、万全の準備を整えさせていました。
 D.P号を始めとした初期の感染者を自衛隊中央病院が受け入れたことで、他の感染者受け入れ指定病院が患者の受け入れ準備を整える時間を稼ぐことができたのです。
 自衛隊病院の医官は感染者の治療に当たる中で知り得た様々な情報を整理し、厚生労働省を通して医療機関に提供され、各医療機関は自衛隊中央病院の情報を基にして対応に当たることができたのです。
 対応に当たった自衛隊の医官も、中央病院の医療関係者も一人として感染者を出すことがなかったことはお伝えした通りです。

日:また、D.P号が完全に隔絶することのできる客船であったことも幸いでした。
 人員数は確定しており、外部から新たな感染者が入り込むことはありません。
 感染の初期症状や、どのような過程を辿って治癒して行くのか、或いは悪化して行くのか、どのように感染拡大して行くのか、どのような対策を取れば感染を収束させて行けるのか、隔離は有効なのか、マスクや防護服は感染防止に役立つのか。
 様々なデーターが収集され、関係機関に共有され、それらのデーターを基に『新型コロナウイルス感染症対策専門家家議』が開かれ、その後のChinese Virus対策に活かされることになったのです。
 そして、その情報は、防衛省を通して各国の『軍』にも伝えられたものと思われます。

英:俺たち欧米がD.P号の対応を非難していた間に、日本は着々とデーターを収集し、Chinese Virus対策に活かしていたんだな。

日:傍目にはイライラハラハラだったでしょうが、結果としてD.P号はたくさんの贈り物を遺して行ってくれました。
 3月25日に船内消毒を終え、横浜港を出港しています。

*****

■「ダイヤモンド・プリンセス」横浜出港、消毒終え2か月ぶり 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

2020年3月25日 21:54 発信地:横浜/神奈川
【3月25日 AFP】新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」が25日、横浜港の埠頭(ふとう)から離岸した。
 同船では乗客乗員計712人が同ウイルスに感染し、10人が死亡した。
当初約3700人が乗っていたダイヤモンド・プリンセスでは、一時は中国以外では最多の集団感染が発生。日本が当たった検疫対応についても世界中のメディアが大きく報じた。
 横浜市関係者はAFPに対し、「消毒作業は完了した」と述べ、同日午後2時ごろ離岸すると明かしたが、行き先や乗員数については言及しなかった。同船の航行は2か月ぶり。

■Twitterより
[サヘル]
 今朝友人から送られてきた写真。 消毒終えた ダイヤモンドプリンセス ARIGATO JAPANっと客室灯で メッセージを。 ウィルスが蔓延してしまった船内ですが、船が悪いわけではない。色んな意見はあるとは思いますが、こうゆうメッセージが日本へ向けていることも ちゃんと知る事も大切だと感じます。

【画像】 はこちらから ↓

■ジョセフ・M・ヤング 駐日米国臨時代理大使
 米政府と米国民を代表して、ダイヤモンド・プリンセス号の米国人乗客に最高のケアをしてくださった日本の医療関係者の皆さまに感謝申し上げます。

[[jumpuri:駐日米国臨時代理大使 > https://mobile.twitter.com/USAmbJapan/status/1245856409985544193]]

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普:結局欧米は日本方式を採用したわけだな。
時間稼ぎをし、感染ピークをできるだけ遅らせ、クラスターを潰して行く。
 Chinese Virusの治療薬も日本製が有望だったな?
 アビガン、イベルメクチン(ストロメクトール)、フサンにオルベコスだったか?
 イベルメクチンは2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した日本人が発見したんだよな?

日:大村智博士です、微生物が生産する天然有機化合物の研究者で、北里大学特別栄誉教授です。
 静岡県伊東市のゴルフ場で採取した土から発見された放線菌(Streptomyces avermitilis)が、 アベルメクチンという物質を作り出すことを突き止めたと言われています。
 ペットの駆虫剤として使用されていたアベルメクチンを、アメリカの製薬会社が人間用として開発製造したものがイベルメクチン(ストロメクトール)です。
 不思議なことに、この放線菌(Streptomyces avermitilis)は日本にしか存在せず、世界中を探しても何処からも見つからなかったそうです。
 更に不思議なことは、それ以降自然界の何処からも発見されず、最初の発見場所のゴルフ場にも何度も探しに行ったそうですが、遂に発見することはできなかったそうです。

伊:なんだか奇跡みたいだね…

普:欲得もなく、ただひたすらに研究に邁進する大村智博士への神からの贈り物だったのかもな…、こうした事態を見越して…

日:もしかしたらそうなのかもしれませんね。
 ゴルフ場の土も「いい感じの土だなぁー」と思って拾ったそうですから。

菊は、ひたすら土を採取し続ける我が子を想い柔らかに微笑んだ。

独:アビガンはドイツでも有効性が確認され、数百人分を発注したところだ。

日:伺っています、ドイツ以外にも多くの国からアビガンの無償提供の求めがあると。
臨床試験で有効性が認められたなら、できればChina製の後継薬(ジェネリック)ではなく、日本製を求めていただければ思います。
 と申しますのは、製薬物質については特許切れなのですが、製薬方法の特許はまだ切れてないからです。
 製薬物質は同じでも、製薬方法や製薬行程が違えば異物が混入したり異変が生じたりする恐れがあり、重大な医療事故を引き起こす危険性があるからです。

日:新型インフルエンザウイルスの治療薬として製薬されたアビガンは、ウイルスの増殖を阻止する作用があります。
 その性質からアビガンはあらゆるウイルス疾患の治療薬となる可能性を秘めてるのです。
 その為には、正しい製薬物質を使って正しく製薬されたアビガンで評価されることが重要なのです。
 間違った製法で作られたアビガンで、重大な医療事故が起きたり、効果が期待できないと評価されたりすれば、他のウイルス疾患で苦しむ人々の命を救う機会を失ってしまうことになります。
日本政府がアビガンの無償提供に踏み切ったのは、そういう事態を回避する為ではなかったかと思います。

英:そう言えば、いつだったか、アビガンがChinaに盗まれたと聞いたことがあるな。

日:2014年のエボラ出血熱の特効薬として候補に選ばれた時のことですね。

*****

■中国に盗まれた「エボラ特効薬」:FACTA ONLINE

2014年
富山化学の「特許」を盗む
ワクチンは、ウイルスが遺伝子変異すると効果が薄れるため、ウイルスが変異しても効く治療薬が、どうしても必要だ。世界が今、注目する治療薬候補は3つある

 エボラウイルスはインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスに属しているので、アビガンがエボラウイルスにも効くと想定され、しかも、エボラウイルスを感染させたマウスの試験でアビガン投与群は死亡例がゼロだったため、米国防総省はパンデミック(感染爆発)に備え、軍需品として開発に乗り出した」(政府関係筋)。米国などは臨床試験を急ぎ、年末から年初には承認することになりそうだ。
 世界保健機関(WHO)は9月の専門家会合で、エボラの治療法として、回復した患者の血液、血清による治療を第一とし、ワクチンについては安全性確認後に感染国の医療従事者に投与すること。治療薬については有効性と安全性を確認してから検討する方針を示していた。
 それにしても怒りに堪えないのは、この専門家会合後の記者会見で、中国が抗インフル薬として人民解放軍に使用を認めたJK-05が、富山化学のアビガンと同一成分であることが判明したことだ。
 富山化学は中国でアビガンの物質、製造、用途特許を出願しており、中国の研究機関が富山化学の成果を掠め取り、軍需品として製造を開始していたのだ。これは明らかな特許法違反である。
(略)

*****

英:2014年のWHOはちゃんと機能していたんだな。

日:China製の検査キットやマスクに防護服などの医療品が、著しい粗悪品だと世界中で問題になっています。
 China製ジェネリック・アビガンが如何に安価でも、安価は安価なりに理由があるのです。
 Chinaは人権がなく、人命は空気よりも軽い国です。
 人間の命を弄び、何一つ真実のない共産主義国家に、患者の命を救う最も重要な医薬品を委ねてよいものでしょうか?
 私たちは、China共産党が『救世主』なることだけは絶対に赦してはならないのです。

独:同意する。

英:Chinese Virus禍を招いたChinaを決して許さない!
必ずこの報いを受けることになるだろう!

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■「コロナ拡大は中国政府のせい」欧米で激しい怒りの表明が相次ぐ(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース

2020.4.8
 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。東京でも感染者数が1000人を超え、4月7日には政府がついに緊急事態宣言を発令した。
 欧米各国の惨状は、すでに報じられている通り。医療崩壊したイタリアやスペインはおろか、アメリカのトランプ大統領も、3月末の会見で米国内での死者が20万人にのぼる可能性がある、との試算を明らかにし、「地獄のような2週間になるかもしれない」と述べた。
「中国政府が隠蔽しなければここまで広がらなかった」
 このように、全世界がいまだ収束への道筋を見いだせないでいる現状だが、同時に、国際情勢は、すでに“アフターコロナ”を見据えた動きを見せ始めている。
 アメリカでは、先月12日にフロリダ州の個人や企業が中国政府を相手に損害賠償請求の訴えを起こした。テキサス州やネバダ州でも同様の訴訟がなされているという。
 フランスも、政府のサイトにコロナウイルスの伝染が「中国から広まった」と明記。これに対し、中国メディアが「発生源が中国とは限らない」との中国政府の主張を用いて反論した。

 そんななか、いま最も厳しい視線で中国を見つめているのがイギリスかもしれない。実際には中国全土で最大40倍以上もの感染者数がいた可能性を伏せていたとして、ジョンソン首相が激怒しているのだ。
 『BUSINESS INSIDER JAPAN』3月31日の記事によると、イギリス政府関係者は、コロナ危機が一段落ついたあかつきには、<中国政府は「報い」を受けるだろうと警告している。>というのだ。

「中国は敵性国家」イギリス主要紙の激烈コラム
 そして、とうとうイギリスの主要メディアからも中国に対する容赦のない批判が飛び出した。『The Telegraph』4月1日の記事には、衝撃的な見出しが付けられていた。

「Coronavirus means that we must now treat China like a hostile state」(コロナ危機が意味するものは、今こそ我々は中国を敵性国家として扱わねばならないということだ。/以下すべて筆者訳)

 コラムは、ジョンソン政権を怒らせた感染者数の“偽装”疑惑のみならず、その後の中国政府の取った無責任な振る舞いを、こう断罪する。

 <あたかもウイルスの被害者であるかのようなメディアキャンペーンを展開し、40000を超える人命が失われる世界的な公衆衛生上の危機を作った責任から逃れるのみならず、第2次大戦以来最悪の世界不況を招いた。>

 そのうえで、中国との経済的な結びつきによるメリットに目がくらんできた欧米の政治家たちのナイーブさこそが問題だったと分析し、こう締めくくっている。
 <西洋のお人好したちによる、とりあえず中国を信用してみようかなどという時代は、完全に終わったのだ>

*****

日:救世主と言えば、ドイツ政府も思い切った決断をされましたね。
 イタリアやフランスの重症者を受け入れたと聞いています。
 フランス政府が、TGVで重症者の大規模な移送を行ったことは我が国でもニュースになっていました。いう

独:兄さんの助言もあって政府に働き掛けたんだが、医師会もよく決断してくれたものだ、感謝する。
 しかし、重症者を受け入れると言ってもそう簡単ではない。
患者の搬送をするにしても呼吸器や心電図モニターその他の医療機器なども同時に搬送しなければならず、医師や看護師を付き添わせなければならない。
 その煩雑さや医療現場の過大な負担を思えば大変な苦難を強いられたが、軍の協力を得て大規模な移送が行われ、今や国境を越えた緊密な連携が取られている。

日:EUは一つですね。

独:ああ、欧州は一つだ。

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■ヨーロッパ 国境越えて患者受け入れ 新型コロナウイルス | NHKニュース

2020年3月29日
 新型コロナウイルスの感染が広がるヨーロッパでは、重症の患者が急増し、医療機関が十分な治療を行えなくなるおそれが出てきたことから、28日には、感染拡大が深刻なイタリア北部からドイツが患者を受け入れるなど、国境を越えた協力も始まっています。
 ヨーロッパでは28日、感染者がイタリアで9万2000人、スペインで7万2000人、フランスで3万7000人をそれぞれ超え、感染拡大に歯止めがかかっていません。
 このため、イタリア北部やフランス東部など、重症の患者が急増している地域の医療機関では、十分な治療を行えなくなるおそれが出てきていて、フランスでは、軍用機や高速鉄道を使って感染者の少ない南部や西部に患者を搬送しています。
 また、重症の患者を周辺の国が受け入れる、国境を越えた協力も始まっていて、28日には、イタリア北部の患者6人を乗せたドイツの軍用機が西部ケルンの空港に到着しました。
 イタリアとフランスからの重症患者の受け入れは、スイスやルクセンブルクも行っています。

 ドイツのクランプカレンバウアー国防相はツイッターで「国境を越えた支援が重要だ。ヨーロッパは結束している」と書き込み、今回の危機に対してはヨーロッパの結束が必要だと強調しました。

■仏、新型コロナ感染者をTGVなどで大規模移送 流行地でICU確保へ 写真15枚 国際ニュース:AFPBB News

2020.3.30
【3月30日 AFP】フランスでは29日、新型コロナウイルスの感染拡大により集中治療室(ICU)の不足が深刻な懸念となっている東部の病院から、感染者数が比較的少ない西海岸や隣国ドイツの病院へ患者の大規模移送が行われた。関係当局は今後数日間で重症例がさらに増加するとみて、警戒を強めている。
 これまでで最大の移送作戦は、仏国内でも最も感染者が集中している東部ミュルーズ(Mulhouse)とナンシー(Nancy)の病院から、高速鉄道TGVの特別列車で西海岸まで患者36人を運ぶというもの。病院関係者は29日未明から警察や軍の警備の中で、数時間かけて1車両に4人ずつ患者を乗せた。
 「病床を空けなければならない。これは絶対に必要なことだ。患者数は増加し続けている」と北東部メッス(Metz)近郊の救急当局者は述べた。
 同じく東部のストラスブールにはドイツ軍の軍用機が初めて派遣され、患者2人が独南部ウルム(Ulm)の病院に移送された。
 アメリ・ドモンシャラン(Amelie de Montchalin)仏欧州問題担当相によると、現在およそ80人のフランス人感染者がドイツ、スイス、ルクセンブルクの病院に入院している。
 ICUに入院中の重症患者は、仏全土で4600人を超えている。多くは呼吸器に深刻な症状があり人工呼吸器が必要だが、関係者によれば間もなく機器の不足に直面する恐れがある。
 エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は28日、新型ウイルス流行前の1月時点で約5000床しかなかったICUの増床に政府が取り組んでおり、近くベッド数は1万4000床に増えると語った。

 どこか誇らしげな弟を見遣りながら、ギルベルトはソ連時代のことを思い返していた。
 ソ連、今はロシアだか、その化身であるイヴァンとは、ドイツ騎士団時代からの長い長い腐れ縁だった。
 雪と氷に閉ざされて他国との交流がままならなかったイヴァンにとって、何かと理由をつけては争いを仕掛けてくる相手だとしても、顔馴染みのギルベルトのことを密かに友達だと思っていたようだ。
 第二次世界大戦の後に、東西に分かたれたドイツの東側の化身として、ギルベルトはソ連圏に連れ去られた。
 幸い東ドイツはソ連圏の優等生として確固とした地位を築いていたこともあって、ギルベルトはそこそこ安穏とした暮らしを許されていた。
 元々兄気質のギルベルトは、ウクライナとベラルーシ姉妹に挟まれた弟気質のイヴァンにも懐かれ、ある程度は我が儘の利く立場だった。

 『オスタルギー』

 旧東ドイツの国民の中には、西側資本主義の遣り方に不満を持つものが少なくなく、東ドイツ時代を懐かしむ風潮があった。
 ギルベルト個人としては、ソ連時代にあまり良い思い出はない。
 しかし、今、一つだけ、ソ連に感謝したいと思っている。

『ソ連株BCG』

 今、それが、旧東ドイツ国民の命を救ってくれているかもしれないのだ。ドイツ政府がイタリアやフランスの重症者受け入れの決断ができたのは、ドイツ国内の重症者数や死者数がある程度低く抑えられていたからだ。『ソ連株BCG』に、本当に意味があったなら、俺様は…

普:イヴァンにキスして遣りてえー!

 皆がギョッとしてギルベルトを見返した。

独:に、兄さん、何を言っているのだ、あなたは!

英:正気か!?

日:師匠、大丈夫ですか?

伊:ヴェ~

 ルートヴィッヒはコメカミに青筋を立て、菊たちは顔を青ざめさせていた。

普:あ、悪い…、本当にキスしてえとかじゃなくて、そういう気分だってことだ、変な誤解すんなよ。
 でも、今、ここにイヴァンがいたら、ハグの一つくらいしてやってもいいかなぁーとは思う。

独:兄さん…

日:あ、もしかして、BCGのことですか?

独:え、あっ!

普:おっ、察しがいいな、さすが俺様の弟子!

日:BCGもオーストラリアからの情報でしたね。

普:『Jun Sato』の論文だ。
 今はまだ仮説にしか過ぎねえが、『相関性』は否定できねえ。
 有力な情報として期待している。

英:『サトウ』…、日系人か?

日:『BCG日本株』がネットでも大注目されており、佐藤論文との相関性に期待が高まっています。
 確かオーストラリアやオランダが、医療スタッフを対象に臨床試験を開始したと聞いています。

独:ドイツも臨床試験を開始したところだ。
 旧東西ドイツやベルリンの相違性に鳥肌が立っほどの衝撃だった。

日:はい、私もしばらく動悸が治りませんでした。

 そそくさと菊が開いたノートパソコンを、皆が覗き込んだ。

●BCG佐藤論文

伊:ヴェー、本当だ、BCG接種を義務付けていなかったイタリアとアメリカは酷いことになっているよ。
 スペイン兄ちゃんとポルトガル兄ちゃんのところの比較がわかりやすいね。

日:結核患者が少なくなった欧州では途中からBCG接種の義務化を取り止めた国がある中で、ポルトガルはBCGデンマーク株の接種を続けていたそうです。
 感染者数こそ1万人を超えていますが、死者は300人ほどで、スペインは死者だけで1万人を超えています。

英:カナダはBCGを義務付けていないがかなり抑え込めているな。
 感染者数は2万人を超えているが、死者はポルトガルと同じくらいだ。
早くにアメリカとの国境を閉じて鎖国状態に入ったのが功を奏したのか、国土の広さが功を奏したのか…?
 だが、専門家が指摘しているように、現状が『2週間前』の状況を表しているなら、カナダはこれから死者数が急増するかもしれないな、油断は禁物だ。
 北欧はどうなんだ?

独:ノルウェーはBCGを義務付けているが、他は途中で義務化を取り止めているな。
 感染者数は、スウェーデン9000人、ノルウエー6000人、デンマーク5000人、フィンランド2000人、アイスランドは1000人台だな。
 死者数はそれぞれ400、150、180、30、0だ。

英:あまり大きな差異はないな。
 アイスランドは孤立無援の孤島だが、それでも感染者が1000人以上もいるのか…

日:世界は狭くなりましたね。
 北欧は総じてBCGデンマーク株を接種していたのですね。

独:論文でも指摘されていたが、イランとイラクの差にも注目だな。
 イランの感染者数と死者数は6600人と3000人台だが、イラクは1000人台と100人以下だな。
 イランのデーターは今一つ信用ならないが、公表されているだけでも歴然とした違いがある。
 イランは独自株のBCGで、イラクはBCG日本株を接種しているそうだ。

普:決定打はドイツだな。
 ドイツ各都市の感染者数を色分けした図に注目し、旧東西ドイツを見比べてみてくれ。

伊:本当だ、東ドイツ側は色が薄いね。
 東ドイツの中でもベルリンだけがくっきりと濃い色になっているよ、凄いねソ連株BCG。

英:この論文によると、ソ連株と日本株以外はほとんど効果がないみたいだな。
 俺たちが推奨して来たBCG接種は意味がなかったってことか。

日:いえ、結核予防に関しては欧州株(デンマーク株)の方が有効性が高いそうですよ。
 ソ連株、日本株はたまたまChinese Virusに効果があったとも考えられます。
 結核は主に肺の病気で、その肺の病気を予防する為に作られたBCGが、肺炎という病に適合したのかもしれません。
 例えば、こんな事例があります。

*****

■寝たきり高齢者へのBCGワクチンで肺炎発症の予防に効果:MedWave Back Number

2003.3.20
 寝たきり高齢者へのBCGワクチン接種により、肺炎発症の予防が可能になりそうだ。3月15日の一般口演「肺感染症12-肺炎球菌/ワクチン」で、東北大学老年呼吸器内科の大類孝氏(写真)が発表した。

 大類氏らは、高齢者介護施設に入所中でADLが低下した高齢者155人を対象とし、まずツベルクリン反応を行い、その結果に基づいて、陽性者(PT群)と陰性群にわけた。さらに、陰性群を無作為にBCG接種群および非接種群(NT群)に振り分けた。BCG接種群については、接種4週間後に再びツベルクリン反応を行い、陽転者を同定(CT群)、その後2年間に渡りそれぞれの群における肺炎およびその合併症の有無、入院率、生命予後などを追跡した。

 その結果、新たな肺炎の発生は、NT群では44例中19例(42%)に確認された。一方、CT群では41例中6例(15%)、PT群では67例中9例(13%)に確認されただけで、特にCT群ではNT群に比べて、肺炎の発症率が有意に抑制された(p=0.03)。
 これらの結果から研究グループは、「BCG接種は寝たきり高齢者において、肺炎予防効果があることが明らかにされた」と結論付けている。

*****

英:成る程な、BCGの予防効果が切れても、追加接種すれば有効なんだな、

日:肺炎リスクの高い寝た切り老人でも肺炎予防効果があるということですね。

 アーサーは『佐藤論文』の様々な図を見比べながら、疑問を口にした。

英:日本株、ソ連株と欧州株とは何が違うんだろうな?

日:Chinese Virusに対しては、BCGの種類の中でもソ連株と日本株が有望だと言われていますが、特に日本株は『生きている数』が多いのだそうです。

英:生きている数?

日:BCGワクチンはウシ型結核菌由来のワクチンですが、生ワクチン、生菌毒ワクチンとも言われています。
 結核菌を生きたまま毒性を弱めた状態にして接種するものです。
因みに、菌を殺したものを不活化ワクチン、死菌毒ワクチンと言うそうです。
 ポリオワクチンのように飲用するものもありますが、BCGワクチンは皮膚を傷つけてそこから結核菌を感染させて免疫を獲得させるものです。
日本では『ハンコ型』のもので皮膚に傷を作るので腕にその跡が残ることがあります。
 中には跡が残らないこともありますが、日本人なら1歳までにほぼ100%接種していることになります。

日:日本株はフランスのパスツール研究所から北里柴三郎が日本に持ち帰ったもので、今は172代目の株で『Tokyo172』と呼ばれています。
 欧州株はパスツール研究所のものでもオリジナルのものとは別物になっているそうですが、日本株はオリジナルに近い『第一世代』になります。
BCGワクチンの開発当初は菌の毒性が強過ぎて使い物にならず、何年も掛けて人間に使用できるまで毒性を弱めたそうです。
 言わば日本株は『出来立ての元気なワクチンそのまま』と言ってもいいのではないかと思います。

普:ピッチピチーか?

日:はい、ピッチピチーです!

独:ワクチンの活きの良さ、新鮮さが明暗を分けたということか、納得した。

英:臨床試験待ちだが、BCG説は当たりかもな?
 『ジャパニーズ・パラドックス』の真犯人はBCG日本株だったってことか。

日:ジャパニーズ・パラドックス? 逆説ですか?

*****

■パラドックス
一般に正しいと思われていることに反することがらをいう。
〈背理〉〈逆理〉〈逆説〉などともいわれる。語源的には,ギリシャ語のpara(超えた,外れた,反した)とdoxa(考え,通念)の合成に由来する。
 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について

名 (paradox)
① 一見、不合理であったり矛盾したりしていながら、よく考えると一種の真理であるという事柄。また、それを言い表わしている表現法。逆説。
② 論理学で、ある命題と、それの否定命題が共に成り立つと結論され、その推論の中に誤りがあることを明確に指摘できない二命題。逆説。
③ 常理に反する説で、その説に反する正当な論拠を見いだしがたいもの。逆説。
 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 

*****

英:SARSの時もMARSの時も日本は感染者ゼロだったが、島国だからじゃないかと何となく納得していた。
 今度のChinese Virusについては、ダイヤモンド・プリンセス号の件もあって、日本政府の対応の稚拙さから第2の武漢になるのも時間の問題だと考えられていた。
 そのうちsouth Koreaで感染爆発が起こり日に日に拡大して行くにも拘らず、日本政府はChinaやKoreaからの入国を禁止しようとはしなかった。
 それなのに、何故か日本国内の感染者数は遅々として増えない。
 オリンピックや習近平の国賓招待を気にして意図的に検査数を減らしているんじゃないか、感染者数や死者数を誤魔化しているんじゃないかと疑心暗鬼になっていたところに、イタリアで感染爆発が起こり死者数が倍増して行く。
 フランスやスペインでも感染爆発が起こり、ドイツやイギリス、欧州中に感染が拡大してパンデミックが宣言される事態になった。
 アメリカでも感染爆発が起こり死者数が鰻登りに増えて行き欧米共にパニックに陥っていたにも拘らず、何故か日本だけが平穏を保っていた。

英:一体何故なのか、日本には特別な何かがあるのか?
 世界中が納得の行く理由を探し始めた。
ハグや握手をする習慣がなく、親しい間でも適度な距離を保っているからじゃないか、土足で家に入らないから、毎日入浴をするから、規律ある人々だからとか文化や生活習慣に答えを求めたり、マスクや手洗いなどの衛生面に答えを見い出そうとしたりと試行錯誤を繰り返していたが、時間が経つにつれ疑問は増すばかりだった。
 感染拡大のセオリーを否定する『ジャパニーズ・パラドックス』に世界は困惑していたんだ。
 それなのに、真犯人は思わぬ伏兵BCG日本株だったとはな。

 アーサーはどこか悔しそうに言い捨てた。

日:ジャパニーズ・パラドックスなんて初めからなかったですよ。
 大航海時代の最後に日本に辿り着いたように、Chinese Virus pandemicが最後に日本に辿り着いただけなのかもしれません。
 『首都ロックダウン』も視野に入れなければならないほど、大都市圏での感染拡大が始まっています。
 『緊急事態宣言』が発令されなければならなかったほど、国民は事態の深刻さを理解してはいませんでした。
 現状が2週間前を表しているのなら、2週間後は皆様と変わらない状態になっているかもしれません。
 皆様のところが終息に向かったとしても、日本は拡大して行く一方になっているかもしれません。

 地球は丸く、太陽は東から昇るのに、世界の潮流は最後に訪れる…

 それが、我が日本国ですから…

(終)

*****

一個人の戯れ言です。
決して鵜呑みにはなさらないでください。

2020年4月11日 ちはや拝


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by hirune-neko | 2020-04-12 00:57 | インテリジェンス | Comments(2)
Commented by ちはや at 2020-04-12 17:54 x
昼寝ネコ様

お世話になっております。
新作時事作品のご紹介と素敵な紹介文をありがとうございます。
また、私のミスで何度もお手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。

今回は少し納得のいく話が書けたかなと思っております。
今後も精進して参ります。

いつも応援いただきありがとうございます。
緊急事態宣言下の折、何事もなくお過ごしになられますように。

ちはや拝
Commented by hirune-neko at 2020-04-12 18:39
ちはやさん

 いえいえ、こちらこそ、いつも労作を公開してくださり有難うございます。知らなかったことがたくさんあり、勉強になっています。

 このたびの武漢ウィルスによる世界的な大騒動終息の後に待ち受けているのは、現在の中国の共産主義体制の崩壊と、ゆるやかな民主化だと感じています。

 つまり、ある意味での神学的視点も加え、近未来予測を立てるべき時期なのではないでしょうか。

 いずれにしても、無事健康・安全に乗り切ってください。 昼寝ネコ
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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