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昼寝ネコの雑記帳

緊急事態発生〜昼寝ネコが呼吸停止状態に陥る

Bill Evans - Granadas
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 新春早々、まさかこのようなタイトルを書くことになるとは思いもよらなかった。

 年末年始の2週間の間に溜まった絵本の原稿を検品し、今年初めて製本所に持って行く日だった。みんなそれぞれ締め切り時間に追われ、ピリピリしながら忙しくしていた。そんな最中に、私の呼吸が停止し、息を吸うことも吐くこともできなくなってしまった。

 今日の記事のタイトルをお読みになり、一体何が起こったのだろうかと、驚かれたのではないだろうか。

 実は、カルロス・ゴーン氏が、私の事業理念に共感し、支援のための資金として用意してくれていた15億円が、保釈金没収ということで雲散霧消してしまい、脱力したというわけではない。イランの革命軍が私の言動に対して反感を持ち、攻撃対象として無人爆撃機を派遣した、と聞いて恐怖感に打ちのめされたからでもない。

 時間に追われながら、クエン酸顆粒が入ったスティックを開け、慌てて口に放り込んだ弾みにどういうわけか、少し気管に入ってしまった。元々酸味の強い食品なので、それでなくても刺激が強い。それが、たとえ少しといえど気管に入ってしまったので、息を吸うことも吐くこともできなくなってしまい、文字通り呼吸停止状態になってしまった。

 かろうじてうめき声を上げることができたが、何も言葉にすることができなかった。これまでに、何度も息苦しさは経験しているが、息を吸うことも吐くこともできない、などというのは生まれて初めての経験だった。このまま呼吸が停止し、直に心肺機能が停止して、絶命するのだろうか、という思いが頭をよぎった。緊張の一瞬だった。

 幸いに、数秒後には深く息を吸うことができた。しかし、まだクエン酸の顆粒が気管内に残っていたため、咳をすると、再び呼吸ができなくなってしまった。そのような症状を、3、4回繰り返しただろうか。しかし、幸いなことに症状はそれで治った。

 いやあ、その瞬間はどうなるかと思った。本当に命拾いをした思いだった。

 何とか落ち着いたので、車を運転して製本所まで往復した。今では、何事もなかったかのように落ち着いている。

 その瞬間は、周りの人たちをすっかり驚かせてしまった。冷静な人もいた。ある人は「あら、生命保険をいくら貰えることになるだろうか」と考えたかもしれない。またある人は「これで世話の焼ける人間がいなくなってほっとする」と思っただろうか。まあどうやら、そんな事はなさそうな雰囲気だった。すっかり心配をかけてしまった。

 歳をとってからの誤飲事故という話をよく聞くが、まさしくこのようなことなのではないだろうか。やれやれ、私ももうすっかり年寄りの仲間入りをしているのかと思うと、少々気落ちしている。

 しかし一方で、タスク管理ソフトと向き合い、主要なプロジェクトについて考えていると、まるで短編小説のストーリーが展開するかのように、いろいろなヒントが思い浮かんだ。不思議なものだ。つい数日前までは、タスク管理ソフトの私に対する評価は「アマチュア」だった。しかし、昨日も書いたかもしれないが、ようやく「中級」と認定してくれるようになった。単細胞な話だが、嬉しくなっている。

 ここ何年もの間、自社商品を少しでも多く売るために、いろいろなマーケティング手法に関する資料を集め、多少は勉強した。しかし、最近になって思うのだが、便利だとか安いとか、品揃えが良いとか、すぐに配達される、などという利便性だけで、売り上げが伸びていく時代はそろそろ終わりなのではないかと思い始めている。マーケティング手法のように、テクニックで人の心理を惹きつけ、購買に結びつけるという時代もそろそろ終わりに近づいているのではないだろうか。

 逆に、これからの時代は、社会的な不安や混乱が増大し、多くの人たちが自分たちの生活や人生にとって、本当に必要なものは何か、と吟味する意識が、本能的に働くようになると予測している。したがって、文字通りしっかりした哲学や理念を持ち、時代の変化にも対応するような商品こそが、これからの時代には求められる、と徐々に確信するようになっている。

 自分なりに、ほぼ10年ほどを費やし、あれこれと思い巡らし試行錯誤してきた。なかなか簡単に結果が出せないまま時間が経過してきた。一緒に仕事を手伝ってくれている家内や次男は、一切の不平不満を言わず、ただひたすらそれぞれの持ち場を、必死になって支えてくれている。とても有難いことだ。

 これまでの経験を通し、仕事の実務上の範囲については、隅々までよく熟知するようになったと思う。注意力や集中力が身に付いたと思っている。後は、目に見えない力によって、多くの人たちの自意識を喚起し自覚してもらう。そこに私たちの商品が広がっていく。そのようなイメージに到達することができた。しかも、単なる抽象的なイメージではなく、具体的な形になろうとしているのを実感している。

 いささか宗教じみた発想になるかもしれないが、世の中には、人を善や徳に導く力と、逆に人を悪の道に誘い滅ぼそうとする力が、拮抗しているような気がする。その意味で、私は多くの人たちの心に感動や平安を感じてもらおう、という意識が強いと思っている。それはすなわち、多くの人たちの自意識の中に、真善美を大事にするきっかけをつかむ、お手伝いになるのではないかと感じている。

 したがって、そのように自意識を持つ人たちの増大を忌み嫌う勢力から見れば、私はとても邪魔な存在に違いない。そこで、あの手この手の策によって、私の勇気をくじき、自信を喪失させ、さらには肉体上の機能を低下させて抹殺しよう、という力が働くのかもしれない。

 そんな事は、荒唐無稽な発想だと思われるだろう。しかし、私はもともと妄想家であることを自認しているので、脳内ではそのようなストーリーが組み立てられる。

 しかし今日は、救急車を呼ぶこともなく、後遺症もなく、まるで何事もなかったかのように、こうして長い文章で記録に残せることをとても幸いに思っている。これまでの長い年月、何度も何度も危殆に瀕したことがあるが、ここまで生きながらえてきた。これからも、ある程度の環境を達成するまでは、図々しく、しぶとくわが道を行きたいという思いを新たにしている。

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by hirune-neko | 2020-01-10 00:17 | 心の中のできごと | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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