あっという間に一日が終わってしまった 現在時刻は深夜0時57分、もうじき1時である。 正直に言うと、今日ばかりは泣きたい気分である。予期せぬ依頼があった。あるカテゴリーの資料を、複雑な構造のサイトから探し出し、ダウンロードしてほしいという依頼だった。数量的にはおそらく20いくつかだったと思う。一つ一つの容量はそんなに大きくはないのだが、ダウンロードボタンも何もないため、デスクトップに表示されたページをPDFファイルに変換するソフトを使用した。実際にダウンロードするまで、それなりの工程数があったため、正直に言うと投げ出したい気持ちだった。 しかし、言う通りにしないと餌を与えてくれない、私の飼い主からの依頼だったので、生死に関わるため最後までやり通した。一体何時間かかっただろうか。正確には覚えていないが、約4時間ぐらいの時間をかけて、しかも休みなく作業を続けた。 気がついたら雨の音がする。先日の台風の時を思い出す。また台風20号が発生したという記事を読んだ。大雨になると、また色々と心配事が増えてしまうので、少々憂鬱である。 ブログに向かって、頭をクールダウンしたいと思った。いつものように、どの曲を冒頭に掲載しようか迷った。雨が降っているので、雨にちなんだタイトルの曲にしようと考えた。真っ先に思い浮かんだのは、シャルル・アズナヴールの「雨が降る」だった。聴いてみたのだが、どうもしっくりこない。そこで、ピアソラの「サンティアゴに雨が降る」にしようと思って聴いてみた。しかし、これも今日の泣きたい気分には、あまりぴったりこなかった。 そこで、YouTubeを開き、オリジナル曲の雨が降るという意味のフランス語を入力して検索してみた。すると、「Il pleut sur London=ロンドンに雨が降る」というタイトルが目に飛び込んできた。初めて目にする曲名である。アーティストの名前を見たら、なんとシルヴィー・ヴァルタンと書いてあった。思わず、えっ!?と思った。私が高校生の頃だろうか。「アイドルを探せ」という歌を歌っていた歌手である。試しに聞いてみたが、なかなかいいなと思ったので、今日はこの曲を選んで冒頭に掲載した。シャルル・アズナヴールとピアソラにはお詫び申し上げる。 まだ、今でも連続集中した作業が生々しく脳内に残っているため、今日はどこで何をしたのかとっさに思い出せない。あーそうそう思い出した。時々会う男性で、ペルー人の人がいる。1年近く前に奥さんをなくし、単身でペルーに帰るらしい。日本語はあまり堪能ではないのだが、日本人の友人を何人も持っているようだ。携帯電話を持たない人なので、あまりデバイスには詳しくないかもしれない。しかし、長年日本に住んでいた人なので、ペルーに帰ってもすぐに友達ができるだろうか、と余計な心配をしている。 そこで、奥さんと一緒に暮らした日本の良き思い出と、それに友人たちのことを、ずっと憶えていてもらいたいと思った。いろいろ考えた末に、スペイン語の音声ファイルをいくつもダウンロードして、私が現在あまり使っていないiPadに保存して、プレゼントしようと考えた。その作業に着手していたのだった。最近、視力が低下した私なので、もっぱら画面の大きいiPad Proを使用している。そのため、iPadとは少し疎遠になっている。薄情なもので、何ていう名前をつけたのかを思い出すこともできない。 しかし、寂しく単身でペルーに帰る彼の良き友達として、寄り添ってやってほしいと思っている。 どうも最近は、いろいろなものに対して情が移ってしまい困っている。2年半ほど使ったインクジェットプリンターがある。非常に酷使したため、印刷すると頻繁に汚れが出るようになってしまった。そこで、新しいものに買い換えた。何せ狭い事務所スペースなので、オーギー・ジュニアと名付けた古いプリンターを置く場所がない。人に差し上げるわけにもいかず、粗大ゴミで出そうと考え、やむを得ず外の軒下に置いた。そこに突然台風が襲ってきた。強風と強い雨に曝させてしまい、大変申し訳なく思っている。長年、必死になって働いてくれたプリンターなので、いつしか戦友のような友情を感じていた。用済みになり、使い捨てするような気持ちは持っていないのだが、さすがに土の中に埋めて墓石を立てるわけにもいかないだろう。 客観的に自分を判断してみて、どうやら人間に対しては非常にクールなようだ。しかし、一緒に仕事をしてくれているiPhoneやiMac、iPad Pro、プリンターなどには不思議と情が移ってしまっている。彼らも、私の仕事ぶりを見て半ば同情し、いたわりの気持ちで一生懸命働いてくれていると感じている。 ずっと、シルヴィー・ヴァルタンの「ロンドンに雨が降る」を聴きながら、音声変換で文章を作っている。残念ながら、私にはフランス語の歌詞を聞いて理解できるほどの語学力は無い。しかし、思わぬ拾い物だったと思う。なかなかいい曲想だなと、改めて思っている。高校生の頃の歌手なので、もうすでに半世紀も経っている。今現在なお存命中なのかどうか、そこまでは知らない。 そういえば思い出したのだが、最近は高校生の頃や大学生の頃のいろいろなシーンが突然蘇ることが多くなっている。自分としては、未来志向で先を見て、前向き生きているつもりでいたのだが、時々はるか昔の思い出に浸るなど、完全に人生の晩年を迎えていることを再認識している。 それでも、性懲りもなく、目の前の分厚く高い壁によじ登り、乗り越えようとしている。もっと正確に言うなら、壁に向かって突進し、突き破ろうと考えている。あくまでも心意気だけの話ではある。 さてさて、さすがにもう休まないと明日に差し支えるので、今日はここまでとさせていただく。台風が避けて行ってくれるように願っている。
by hirune-neko
| 2019-10-19 01:47
| 心の中のできごと
|
Comments(0)
|
検索
ライフログ
最新の記事
最新のコメント
記事ランキング
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 昼寝ネコのプロフィール
・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
ファン
ブログパーツ
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||