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昼寝ネコの雑記帳

まるで家族ドラマのラストシーンを観るようだ

Changeling Soundtrack - End Title
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 研修医としての期間終了間際にアキレス腱を切断してしまった三男。これが本当の呆れす件、である。

 今日、お嫁さんから報告があった。大学付属病院で研修していた研修医の中から、何人かのベストレジデントが発表され、三男がその一人に選ばれたそうだ。表彰式の静止画と動画が添付されていたので、観てみた。

 そのひとつは、本来なら自分自身で受け取るべき賞状や記念品を、松葉杖をついているため、代わりに小5の長女と幼稚園生の次女が受け取る光景だった。

 微笑ましい光景だったと想像しているが、授与する先生や周りの皆さんの表情には笑顔が溢れていた。おそらくこれまでの表彰式で、小さな子どもたちが父親の代理で、授与されることなど、初めてのことだったのではないだろうか。

 親のいうことをきかない反抗期の子どもたちに手を焼き、苦労の絶えなかった家族が、ある出来事をきっかけに心がひとつにまとまった・・・というストーリーの家族ドラマが思い浮かんだ。そのドラマのラストシーンにぴったりの光景だと思いながら、受賞挨拶の動画も観た。

 親としては、清々しい感動を味わうことができた。

 大学生時代に学生結婚し、卒業後は少年院の法務教官の職に就いた。しかし、医師への志を捨てきれず、少年院の上司の先生の勧めと励ましもあったようで、夫婦と娘の三人家族のとき、北陸の大学に学士入学した。

 学士入学といっても、5年間の在籍が必要で、その間に二人目の娘が生まれた。ボランティアも欠かさず、早朝4時に起きる生活が続いていたようだ。大学卒業時には、学部長賞をいただいたが、文字通り苦学生としての生活と、騒々しい二人の小さな娘達との賑やかな生活が重なっていた。

 地元の農家の皆さんや知人の皆さんからは、ずいぶん助けをいただき、今でも交流が続いているようだ。

 親を当てにせず、奨学金と学費免除、自らの蓄えで卒業まで頑張り通した本人の努力には敬服している。また、絶叫型の騒々しい小さな娘二人を育てながら、三男の学業を支えてくれたお嫁さんにも、心から感謝している。

 良くは知らないが、これで前期研修期間が終わるらしい。この2年間で色々迷い、考えた末、当初の考え通り精神科医を目指すことに決めたようだ。これからは、後期研修期間が始まるそうだ。

 苦難の末に、報われる時を迎えるというストーリーは、いかにもアメリカ的なハッピーエンドである。

まるで家族ドラマのラストシーンを観るようだ_c0115242_23474768.jpg

 今日、選んだ音楽は、クリント・イーストウッドが音楽も含めて監督した「チェンジリング」という映画の、エンドタイトルである。

 小さな息子が誘拐され、行方を捜し続ける母親の、長い心の旅路を描いた映画だ。最後に辿り着いた息子の結末は、ハリウッド映画にしては珍しく、決してハッピーエンドではなかった。

 Wikipediaでは、以下のように概要が説明されている。

(引用開始)
 ゴードン・ノースコット事件は、アメリカ合衆国で1920年代後半に発生した連続少年誘拐殺人事件である。裁判で有罪になったのは3人の殺害であるが、本人いわく犠牲者は後述のウォルター・コリンズなど20人としている。この事件の被害者の母親の身に起きた出来事をモチーフにした映画が2008年公開の『チェンジリング』である。
(引用終了)

 ネタバレになってしまうが・・・かなりの年数が経ち、ある日、息子と一緒に誘拐されていたという青年との面会が実現した。誘拐された少年達が集団脱走を図ったとき、この母親の息子は、追いつめられた仲間の命を救うために、自らを犠牲にした、という説明を受けた。

 長い長い捜索の旅路の果てに、息子がすでに還らぬ存在になっていることを知った母親の落胆と、悲痛な涙。しかし、その母親の心には、失った息子からの囁きが届く。・・・最後まで、お母さんの子どもとして、正しく生きたよ・・・そして、すっかり成長したであろう息子の姿と、平安に満ちた笑顔が心の中に思い浮かぶ。

 そんなラストシーンで流れるのが、このエンドタイトルの曲である。今でもこの曲を聴くと、私の心は母親の悲痛な悲しみに共鳴し、涙が止まらなくなる。ある意味では、二度と観たくない映画でもある。

 人生とは、苦楽を含めて、いつ何が起きるか分からないものである。非常事態に備える、というテーマで、過去に何度も備蓄を勧めている。資金と場所さえあれば、物資的な備えはかなり可能である。

 しかし、一番難しいのは、心の中、精神世界に蓄える要素だと思っている。いずれも目に見えず、手で触ることができないことばかりである。

 忍耐心、寛容さ、洞察力、意思、信念、理念、慈愛、感性・・・。

 私自身の唯一優れている点、それは子どもたちに対する「反面教師」という側面だと思う。

 子どもたちは皆、お父さんのようになってはいけない、もっと現実社会に適応し、前向きに生きなくてはいけない・・・身近に接し、子どもたちにそのような自立心の必要性を痛感させた私。その意味では、本当に反面教師としての役割を果たせたのではないかと、最近はかなり安堵し、達成感を感じることができている。

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by hirune-neko | 2019-03-11 23:52 | 心の中のできごと | Comments(4)
Commented by causal at 2019-03-12 12:49 x
チェンジリングですね。
録画していましたので再び鑑賞しました。
冒頭、放課後に息子を迎えに来た母親と息子との会話。
・息子「ビリーと喧嘩した。ぶたれたからぶち返した。」
・母親「偉い。”喧嘩を売るな。最後にケリをつけろ” 何故彼をぶったの?」
・息子「パパは僕が嫌いで出て行ったと”ビリー”が言ったから」
・母親「知りもしないでよく言うのね。
貴方が生まれた日、ある物が届いたの。中身は「責任」というものよ。
  世の中には何よりも「責任」を恐れる人達がいるの」

※慰安婦や、強制徴用工問題、和解・癒やし財団解散、自衛隊哨戒機レーダー照射問題などで゛日本を殴っておいて、その責任を問われて、今頃恐れている常識の無い国が有る様です。
■韓国「日本は慎重な対応を」=徴用工訴訟の対抗措置で
2019年03月11日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031100758&g=int
自分が求める外国からの慎重な対応を、かの国が今までした事が有りましたか?? 

❤泰平の眠りを覚ます常識戦  たつた四杯(慰安婦、強制徴用問題、和解・癒やし財団解散、自衛隊哨戒機レーダー照射問題)で夜も眠れず。

Commented by hirune-neko at 2019-03-12 17:53
causalさん

コメントを有難うございます。

この映画を録画なさっていたんですか?それは意外でした。あまり一般的な作品ではないと思ってましたので。でも、アメリカ人のメンタリティの一面が描かれていると思います。

 ここ数日の公開情報を読んで、どうやら韓国人だけでなく、韓国企業も韓国を見捨てるケースが増えているようですね。国際的にここまで信用を失墜し、日本からもかなりの忌避感を持たれてしまうと、行き所が狭まっているのではないかと思います。

 これも積年の選択の結果だと思いますが、ここしばらくの東アジア情勢からは、目が離せませんね。お互いに気をつけましょう。 昼寝ネコ
Commented by causal at 2019-03-13 11:20 x
「17歳のカルテ」も主人公が「チェンジリング」同様、精神科病院に入院するはめに。脇役のアンジェリーナはこの作品で第72回アカデミー助演女優賞を受賞。
2019年2月18日にwowowで放映。録画しました。
Commented by hirune-neko at 2019-03-13 11:40
causalさん

「17歳のカルテ」ですね?有難うございました。
最近はずっと映画も観る時間を取れない状態が続いています。以前ご紹介いただいた「アサイラム」も、ダウンロードしたまま、眠っています。

一段落したら、両方とも観たいと思います。いつも情報を有難うございます。 昼寝ネコ
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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