帰り来ぬ青春時代から聞こえるラ・ボエーム 昨日の、童謡・シャンソン歌手の大庭照子さんに関する記事「珍しく、横浜関内までコンサートに出かけた」を、童謡館の理事長さんにお送りした。誤った記述内容があるといけないと考え、確認をお願いした。 返信メールをいただき、大庭照子さんからのメッセージを受け取った。2カ所を修正することになったが、最後の部分に、このように書かれていた。 「今回のメールでまたまた新たな力が湧いてきました。7月頃、ハーバーズダイニングでパリ祭によせてのシャンソンコンサートをやろうと企画を進めております。 是非ラボエームを歌っていただけませんか。夢が広がります。」 思わず声を上げて笑ってしまった。なんて博愛精神の豊富な方なのだろうか。私がステージに立って歌ったら、お客さんからは「金返せ!」の大合唱になるだろう。 そこで、以下のように返信した。 「なお、マ・ヴィーでラ・ボエームを歌ったということに関連し、大庭先生には大変な博愛精神をお示しいただきましたが、あれはもう、40年ほど前の出来事であり、今ではボサノヴァを歌うのがやっとの状態です。お言葉は大変有難く頂戴しますが、どうぞご放念ください。」 過去に、声楽は故・宮本良平先生、坂本博士先生、坂本秀明先生に師事したことがある。大庭照子さんは坂本博士先生とのご縁がある方なので、私ともある意味ではちょっとした細いつながりがあることになる。 アズナヴールのラ・ボエームを初めて聴いたのは、もう50年近く前のことだ。改めて、当時のことを懐かしく思い巡らせた。ラ・ボエームも、帰り来ぬ青春も、似たような心情を歌っているのだと思う。帰り来ぬ青春の、フランス語のタイトルは Hier Encore(過ぎ去りし日よ再び・昼寝ネコ訳)で、英語のはYesterday When I Was Youngである。ラ・ボエームにも、帰り来ぬ青春にも、両方とも遙か彼方に過ぎ去った、二十歳の頃を懐かしむ、という表現がある。 今の私の年齢や、ほろ苦い思い出の多い人生を振り返ると、現在の私にこそふさわしい内容の歌詞だと思ったので、改めて日本語の歌詞を探してみた。以前も何かでご紹介したことのあるブログ「朝倉ノニーの<歌物語」に掲載されている邦訳が、なかなかいいなと思った。http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-325.html そこで、なにを血迷ったか、フランス語と日本語の対訳資料を作成してしまった。アズナヴールの歌を聴きながら、フランス語の発音を確認し、日本語で意味を味わうためだ。・・・で、一体何のために? いや、別に具体的な目的は何もない。ただ、1曲ぐらい暗譜し、フランス語で歌えるレパートリーがあってもいいのではないかと思っただけだ。・・・で、どこで歌う気なのだろうか。ハハハ、特訓して、パリ祭のシャンソンコンサートにエントリーするだなんていう考えがある訳ではない。 オペラのアリアや古典歌曲は、声で聴かせるように感じる。しかし、シャンソンやピアソラ曲のオラシオ・フェレールの歌詞などは、文字通り語り聴かせる歌だと思う。いかに聴き手の心に訴えかけるか、という歌唱法だと思う。これまでにシャンソンは習ったことがないが、上記の朝倉ノニーさんは、フランス語でシャンソンを歌う会を主宰されている。いつか仕事が一段落し、体力と気力が残っていたら、そのサロンを覗いてみようかな、思ったりしている。 以下は、目的不明で作成した、ラ・ボエームの仏日対訳表である。どうも、興味があることには、ついつい時間を費やしてしまう。悪い癖だとは思うが、他に楽しみが無いので、許容範囲内だと思うようにしたい。 【ラ・ボエームフランス語・日本語対訳表】
by hirune-neko
| 2019-02-05 02:17
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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