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昼寝ネコの雑記帳

人生を旅に例えるなら、人はいつでも常に旅人である

Bill Evans Trio - Young and Foolish

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 地震のお見舞いに、北海道内の何人かに電話してみた。携帯はつながったものの、固定電話はつながらなかった。道内全域が停電と聞いていたが、昼過ぎには回復した所もあったようだ。信号も停止し、都市機能がすっかりマヒしたようだ。早期の機能回復を祈念したい。

 毎週木曜日は、製本所まで往復する日だ。個数は少ないのだが、紙なので包みが重い。私には少々負担が大きくなっている。名入り絵本は1冊ずつ、手作業の製本である。文字通り、製本職人による工芸品である。それゆえに、営業活動を活発化して受注数が増えると、機械的な製本ではないので、いずれは製本能力の上限に達してしまうことになる。

 今どき、手作業で製本を引き受ける製本職人は、そんなに多くはないようなので、どのように手を確保するかも課題となる。もちろん、1冊ずつ名前が違う絵本なので、社内での製作と印刷工程も手作業である。考えてみれば、ずいぶん原始的で素朴な絵本である。文字通り、オンリー・ユーの絵本と言っていい。

 出産は、赤ちゃんにとっては人生のスタートである。普通の人生を考えると、やがて幼稚園に入園し小学校、中学校、高校、大学を経て就職するのだろう。いつかは結婚し、自分の子どもを迎えることになる。そして孫の顔を見、もしかしたらひ孫の顔も見るだろう。やがては、誰しもが迎える晩年・・・その晩年に、自分の人生を振り返るときに、人は何を思うのだろうか。

 約16年前に、「大切なわが子へ」というタイトルの名入り絵本を世に送り出した。人生を旅に例えると、これは旅の出発点に立つ新生児への、励ましの旅券である。生涯にわたって、肌身離さず携行してもらいたい、親の愛情の証明書のようなものである。

 人生の荒波を航行し、いつしか旅程の終着地点である晩年に辿り着いた方々が、自分の人生を振り返ってみて、いい人生だったと実感できるなら、それこそ真の意味で人生を全うしたことになると思う。そんな時期に、自分の血を引く子どもたちみんなから「大切なお父さんへ」あるいは「大切なお母さんへ」というタイトルの絵本をプレゼントされたら、どのように感じるだろうか。

 ページを開くと、自分の名前が目に飛び込んでくる。そしてすっかり忘れていたかつての労苦が記されており、苦難の中でも自分たちに愛情を注ぎ、大切に育ててくれたことへの子どもたちからの感謝の気持ちが、何ページにもわたって綴られている。・・・このような、文字通り世界に一冊しか存在しない絵本を手にしたら、旅の途中で味わった苦痛や哀しみの全てが、この日を迎えるための訓練の機会だったと思えるのではないだろうか。

 全ての人たちが同じ旅程を歩むわけではない。旅の途中で挫折する人もいるだろうし、耐えがたい人生のままで終わる人もいるだろう。新生児の全てに両親が揃っているわけではなく、母親独りで産み育てなければならないケースもある。胎内で、あるいは分娩中に天使になってしまう場合もある。先天性の障がいを持って生まれてくる子どももいる。

 しかし、どんな子どもも心を持って生まれてくる。どのような状況で生まれてきても、その心に愛と思いやり、慈悲が届くような文章を書きたいと思い続けてきた。

 今の私は、人生という旅の出発点から終着地点に至るまでの、決して平坦ではない旅程の随所で、旅人の心を励まし、勇気づけ、前向きで建設的に生き続けようという気力を与えられるような、そんな文章の絵本を創り続けようと思っている。

 人の心に届く言葉が必要なときはいつも、まずは私自身の心に、その言葉が与えられるよう願っている。


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by hirune-neko | 2018-09-07 01:17 | 創作への道 | Comments(0)
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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