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昼寝ネコの雑記帳

このような詩があるのを知らなかった〜ある無名兵士の詩


piazzolla tristeza de un doble a

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 先日亡くなった知人の葬儀に出席した。告別式の前に、開かれた棺の中に安置された遺体と対面し、献花して最期の別れを告げる、というキリスト教の方式だった。

 故人は無表情で静かに目を閉じていた(当たり前か)。顔からはすっかり余分な肉が削がれた感じで、幾分黄色みを帯びていた。胸元には、家族揃って撮った写真が何枚も連ねられていた。少し顔を近づけてみたが、すでに他界しているご主人と小さなお子さん達との、平安で楽しげな写真だった。

 告別式で、教会の管理の男性が故人との生前の思い出に触れた。故人は時折彼に、読むようにといって本をプレゼントしていたそうだ。本を開くと、所々に線が引いてあり、あるいは栞(しおり)が挟まっていたそうだ。その部分を開くと「ある無名兵士の詩」というタイトルの詩が紹介されていたそうだ。一部を読み上げたのを聴き、興味を持ったのでその場でiPadを開いて検索してみたら、次のように紹介されていた。

この詩は、ニューヨーク大学の壁に掲げられていて、140年前にアメリカの南北戦争に従軍した南軍の兵士が記したものといわれている。中日新聞で紹介されて大きな反響があったとか。

 心に残る、しかも人生を考える上でとても深い意味の詩なので、紹介したいと思う。作者不詳となっているが、とても鋭い感性を持つ人物の作品だと感じる。

【ある無名兵士の詩

A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED
「悩める人々への銘」

I asked God for strength, that I might achieve
I was made weak, that I might learn humbly to obey...

「大きなことを成し遂げるために 強さを与えてほしいと神に求
めたのに 謙遜を学ぶように 弱さを授かった」

I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things...

「偉大なことができるようにと 健康を求めたのに
 よりよきことをするようにと 病気を賜った」

I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise...

「幸せになろうとして 富を求めたのに
 賢明であるようにと 貧困を授かった」

I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God...

「世の人々の称賛を得ようとして 力と成功を求めたのに
 得意にならないようにと 失敗を授かった」

I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things...

「人生を楽しむために あらゆるものを求めたのに
 あらゆるものをいつくしむために 人生を授かった」

I got nothing that I asked for―but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
I am among all men, most richly blessed!

「求めたものは一つとして与えられなかったが 願いはすべて
聞き届けられた 私はもっとも豊かに祝福されたのだ」

                  AUTHOR UNKNOWN(作者不詳)
(以上で引用終了)
【引用元 ブレイン・リンク集


 この詩には人間としての生き方、宗教者としての信仰のあり方についての、深い洞察があると思う。20歳代や30歳代の兵士にはとても書けない内容だと思うので、おそらくはそれなりの年齢の将校の作品なのではないかと想像している。味わい深い言葉であり、信仰者の本質を衝いた教訓でもあると感じる。

 故人の長女の方が最初に挨拶された。故人は65歳だったそうだ。余命半年の宣告を受けたのがちょうど10年間だったそうで、数十年の闘病というのは私の勘違いだった。また、故人の夫・長女の父親の享年は48歳だったとのことで、これも私の思い違いで30歳半ばではなかった。改めて、人生の旅路について考えさせられた一日だった。

 一緒に仕事を手伝ってくれている次男以外の子どもたち三人が、私にもしものことがあった場合に、仕事を含め、どのように対応すればいいのかを聞きたいといってきている。なるほど、私もそのような年齢なのだと実感している。私自身は創業者であり、ゼロから立ち上げたため、一緒に苦労してくれてる次男は、創業の大変さをよく理解してくれている。ときどきアップルの創業者であるスティーブ・ジョブズの苦労話を教えてくれる。危機管理の一環で、もしものときに実務が停滞しないよう、基本機能を維持するのに必要な情報は整理しておこうと思っている。

 いつでも死地に赴けるような心境は、どのように醸成できるのだろうか。そんなことは意識せず、ただひたすら明日のことを視野に入れている。この「ある無名兵士の詩」を改めて読み返してみて、百数十年前の兵士が、今日の私に対する箴言として書き残してくれたような気がする。ということは、今の時代を生きる全ての人たちに対して、知恵ある者、人生を洞察している者、そして神聖な霊感を受けた者から贈られた箴言ではないかと思う。箴言、即ち教訓の意をもつ短い句・戒めとなる言葉である。

 来たるべき激動の時期に備え、感性を研ぎ澄まし、洞察力を高め、不毛の議論に振り回されず、奸智奸計を見抜き、正邪を嗅ぎ分けて賢明に生きるようにと励ますために、先人が残してくれた貴重なメッセージなのだと考えたい。


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by hirune-neko | 2018-04-24 22:03 | 心の中のできごと | Comments(2)
Commented by 山本瑞教 at 2018-04-25 06:00 x
立花大係さんのしあわせ通信…で読んだ記憶があります。この無名兵士の悟境になりたいものです。
Commented by hirune-neko at 2018-04-25 17:48
山本瑞教さん

コメントを有難うございました。
私も同感で、このように私心を捨てた生き方が
できるようになれば、心穏やかに人生を
送ることができるだろうと思いました。
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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