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昼寝ネコの雑記帳

ようやく舞台用脚本の読後感想を送り終えた


Astor Piazzolla - Finale (Tango Apasionado)


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一週間ほど前、来年度の川崎市民劇用脚本の決定稿が、
著者の方から送られて来た。
かなり以前、初稿段階の原稿が送られていたのだが、
母の発病から死に至る期間だったので、なかなか
まとまった時間を確保できず、そのまま失礼してしまった。

いくつかの案件が保留中なのだが、今日なんとか時間を確保し、
読ませていただいた。

著者はこれまでに、川崎市民劇用の作品を何作も手がけている。
元特攻隊の生き残りで、朝日新聞記者、川崎市教育センターの
初代所長、大学講師を歴任されている。

あるときは喫茶店での会話で、「逮捕者の通明報道」
について指摘したり、作品中の在日朝鮮人が登場するシーンに
私なりの意見をいわせていただいたり、とにかく
遠慮せずに持論を述べるので、煙たがられているはずだと思う。

毎回、川崎市の史実をベースに作品を書かれている。
かなり膨大な資料に目を通されたり、取材されたりなど、
ご苦労の伴う執筆活動だ。

著者はすでに90歳だと、メールに書かれていた。
さらに、私に対して、まだ若いのだから理想を追求して欲しい、
と、激励のメッセージも添えられていた。
ええっ?私はまだ若いのか?と、一瞬だが錯覚してしまった。

原稿を開くと、来年度の舞台作品のテーマは「南武線」だった。
川崎駅と立川駅を結び、川崎市を南北に縦断する鉄道だ。
取引先に、立川の産婦人科クリニックがあるため、
これまでに何度も南武線を利用している。
そういえば、初期の頃は院長先生のお嬢さんの家庭教師を、
わが息子の後任として引き受けた時期がある。
なので、南武線はそれなりの回数を利用している。

その南武線は昭和初期に構想が持ち上がり、
どうやら今年かあるいは来年が90周年になるらしい。

ずいぶん地味なテーマだし、何せ川崎市は全国的に
最近のデモ潰し事件のせいで一躍有名になっているし、
さらには、有事の際には武装解除して、戦いを放棄する
条例の制定を市に迫るなど、個人的には懸念材料が多い。
なので、果たしてどのような政治的な視点で書かれているのか、
正直にいうと、内心は少々憂鬱だった。

ページを開くと、登場人物も非常に多いので、
やれやれの出だしだった。

送っていただいた原稿はwordで作られていたが、
資力が落ちているし、左右の見え方に歪みがあるため、
小さい字を、しかも膨大な量だと読み続けているうちに、
脳内に疲労が蓄積しやすい。
そこで、PDF化し保存した。
さらにはamazonのキンドルドライブに送り、いつでも
どこでもiPadで読めるよう、準備していた。
結局はiMacで開き、150%程度に拡大して読み進めた。

史実・歴史的事実は著者が勝手に変更することができない。
おそらくは膨大な量の資料を熟読し、郷土史家や
何人もの関係者を取材し、作品としてまとめ上げたのは間違いない。

これまでのどの作品にも共通しているのは、
社会の最底辺で呻吟する一般市民への視線が、それも
慈愛に満ちた視線が維持されていることが。

いくら歴史的な事実がベースだとはいえ、登場人物に
個性と生命を吹き込むのは至難の業だと思う。
ページを読み進めるうちに、自然に作品の世界に引き込まれた。
文章が脳内で映像化され、音声までもが伝わってくる。
さらには、人物の心象、心の叫びまでもがリアルに伝わってくる。
心を動かされ、落涙したシーンが何カ所もあった。

単なる郷土劇、歴史ドラマというカテゴリーを超越し、
人間の魂に直接語りかける、優れた作品に仕上がっている。
改めて、作者である小川信夫先生の劇作家としての力量、
そして、おそらくはこれまでに見聞してこられた、
さまざまな思想への洞察力、90年を生きてこられた人間としての、
人生哲学、価値観などが重層的に織り込まれた、
優れた作品だと評価したい。

・・・あっ、私は演劇評論家でも何でもないのだが、
少々力が入ってしまったかもしれない。
川崎市民でなくても、一見の価値がある作品であることは
間違いないと評価している。

公演の舞台が、この作品をどのように再現するのか
今から楽しみだ。

改めて、小川信夫先生の今後益々の健筆を期待したい。
3,000歳の私から見たら、90歳なんて、まだまだ若いですよ、
と伝えたかったのだが、さすがにそれは止めておいた。

読後感想を送り終え、ほっとしているところだ。
さて、明日こそは遅延しているWeekly みるとすの修復を
しなくてはいけない。決して忘れてはいない。


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by hirune-neko | 2016-10-13 01:53 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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