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昼寝ネコの雑記帳

猫の給仕頭がやってきた


SAMUEL BARBER - Adagio for Strings, Op. 11

いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。


今朝、宅配便で「猫の給仕頭」がやって来た。
一応は美術品なので、厳重に梱包されていた。
箱から出して対面し、頭を撫でて挨拶をした。
物言わぬブロンズ像なのだが、親近感を覚える。

しばし眺めていたがふと、寝たきりの母のテーブルに置いて
私の代わりに見守ってもらおうという、無精な考えが湧いた。
私の代わりの給仕頭を送るので、遠慮なく用事を言いつけるよう、
手紙を添えてやろうと思う。
オリジナルを展示している、松岡美術館に確認したら、
猫の給仕頭の像が写っている絵はがきが、2種類あるという。
明日、広尾に行く用事があるので、途中立ち寄って購入し、
「本物の写真」だといって、同封してやりたい。

ちょうど母の日になるので、プレゼントにもなる。
自分が無精をして、代わりの給仕頭を送ってきたと、
文句はいわないだろう。ジョークは通じるだろう。
猫の給仕頭がやってきた_c0115242_22355438.jpg

「昼寝ネコの雑記帳」の再版と、新たに「昼寝ネコの雑記帳〜
創作短編集」を発刊したいと書いたら、ブログ読者の方から、
以下の4種類の作品を集録するよう、リクエストが寄せられた。

1.「ボクのご主人様はプロフェッサー」(正編・続編・完結編)
2.「10ドルで買われた絵」(その1・その2)
3.「函館日吉町下宿屋繁盛記」(その1・その2・その3)
4.「Scent of woman~父の香り」(未完成)

なんとこの方は、くまなく過去の全記事を読んでくださっているようで、
私よりも記事内容に詳しくなっていらっしゃる。
書いた立場としては、とても嬉しいことだ。

1と2はすぐに内容を思い出せたが、
「函館日吉町下宿屋繁盛記」はまったく記憶になかった。
検索して読み返したが、実際に訪れたいくつかの場所が
モチーフとして使われ、懐かしく思い出しながら読んだ。
寡黙な心の中から紡がれる言葉を、心理描写を交えて表現した、
なかなかいい作品だと(自分で書いたのだが)思った。

「Scent of woman~父の香り」は、アルパチーノの主演映画。
「Scent of woman」が思い浮かんだが、なぜ父の香りなのか、
読み進めるまではまったく思い出せなかった。
最終部分が未完成のままのようだが、脳内にはラストシーンが
記憶として残っている。
おそらくは、忙しさに紛れてそのままになっているのだろう。

こうして改めて読み返してみると、過去に訪れた場所が、
断片的なモチーフになっており、忙しくないときには、
登場人物が脳内に現れて、身の上話をするというのが、
通常のパターンだ。
自分が、人の心の陰影や苦難に心を留め、努めて寛容な視点から、
その人物に言葉の力で生命を吹き込もうとしているのだと、
改めて認識することができた。

ブログを始めて10年目に入った。
どこに短編作品を書き残しているか、まったく記録していない。
見落としのないように、丹念に読み返してみたいと思う。
私には超えられない領域があるが、その領域に心を留めてくださる
読者が、果たしてどの程度存在するのか、皆目見当がつかない。

振り返れば、作家になろうと決心して本を読みあさり、
机に向かって、長時間作品の構想を練ったなどという経験はない。
ひたすら仕事で飛び回っていた。
なので、どんなプロの作家と較べても、飛行距離だけは
負けない自信がある。
仕事の合間に立ち寄ったセントラルパーク、コモンパーク、
ハイドパーク、ブローニュの森、ブロードウェイやソーホー
などが現実のイメージとして、微かにだがまだ残っている。

人並みに・・・もしかしたら人並み以上の挫折と葛藤を味わい、
さらには舞台や映画作品を通じて、疑似体験を重ねたので、
ふとしたときに、登場人物や情景・背景設定が思い浮かぶのだろう。

まだまだ仕事の渦中ではあるものの、作品のイメージが
拡がってくれるといいなと思っている。
まだ出会っていない登場人物が、脳内で語りかけてくれることを
待ち望んでいる。

上記のリクエスト作品に興味がおありになる方は、
以下のタイトルをクリックしていただくと、
お読みいただけるので、是非どうぞお読みいただきたい。

1.「ボクのご主人様はプロフェッサー」(正編)
 「ボクのご主人様はプロフェッサー」(続編)
 「ボクのご主人様はプロフェッサー」(完結編)

2.「10ドルで買われた絵」(その1)
 「10ドルで買われた絵」(その2)

3.「函館日吉町下宿屋繁盛記」(その1)
 「函館日吉町下宿屋繁盛記」(その2)
 「函館日吉町下宿屋繁盛記」(その3)

4.「Scent of woman~父の香り」(未完成)


いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。

by hirune-neko | 2016-05-03 22:33 | 創作への道 | Comments(2)
Commented by 日本晴れ at 2016-05-04 00:10 x
お疲れ様です。

「猫の給仕頭」、今日の記事の写真を拝見したら、すごく質感が感じられ、表情も生き生きと写っていて、この像の魅力がひしひしと伝わってきました。
本当に親近感を覚えてしまうような愛らしい表情ですね。背筋を伸ばした姿勢といい、知性と品格を感じます。 僕自身はアートに疎いですが、お師匠が購入を即断されたのも何となく理解できそうな...

「昼寝ネコの雑記帳」書籍版の新刊、楽しみです! 個人的には、創作短編集だけじゃなく、北海道長期滞在時や東北探訪時のエッセイとか、やっぱりバラエティ豊かな、お師匠のオハコの「雑記帳」スタイルを所望します。 前作みたいに妙味ある小編てんこ盛りでお願いします!
Commented by hirune-neko at 2016-05-04 22:56
日本晴れさん

コメントを有難うございます。
日本晴れさんは早起きなんですか?
それとも夜通しおきていらっしゃるんですか?
なるべく就寝時間は早めにした方がいいですよ。
一時期、深夜2時とか3時まで当たり前のように
仕事をしていましたが、血圧が上がりやすくなり
不健康状態になってしまいました。
ジワジワ影響がありますから、気をつけてください。

新刊書の構成については、まだ迷っています。
ご希望内容も視野に入れて、考えてみます。
いつも貴重なご意見を、有難うございます。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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