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昼寝ネコの雑記帳

気がついたら放電状態のまま、走り続けていた


Chet Baker & Bill Evans - Alone Together

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最近ずっと、体調だけでなく脳内コンディションが
よくないという自覚症状があった。
おまけに、全国至る所で私の噂をしているのか、
と思うほど、クシャミが止まらなかった。

とにかく毎日、朝から夜まで何かに追われていたので
全然気がつかなかったが、今日ようやく状況を把握した。

普段は脳のエネルギーは糖分しかないとほざいているが
実はもうひとつ大事な要素が抜けていて、すっかり放電状態だった。

何かに集中できて、現実世界から無理矢理自分を引きはがし、
まったく別の世界に没頭する時間を確保していなかった。
なので、枯渇した脳内機能のまま、放電状態と同居していた。

実はなんのことはない。
映画を観ることが、自分にとっての感性エネルギーの充電になる。
そういえば、久しく映画を観ていなかった。
カテゴリーは偏っていて、スパイ、サスペンス、刑事ものしか観ない。

数週間前に、amazonで購入しプライムビデオに保存していた
「誰よりも狙われた男」という映画がそのままになっているのを
思い出して、最後まで鑑賞することができた。

脳内が飽和状態で機能低下しているので、もう選択肢は
それしかないと考えた。

この映画は、インテリジェンスの講師の先生が
授業中にクラスで紹介し、是非観るよう勧めていた作品だ。
2014年に東京で封切られたが、渋谷まで観に行く時間がなかった。

舞台がハンブルグで、ドイツの情報部長が主人公なのだが
どういう訳か主人公はアメリカの俳優であり、台詞も
全編が英語という、少々リアリティに欠ける部分はあったが
諜報活動の内幕をリアルに、しかも丁寧に描いており、
なかなかの秀作だと思う。

日常では決して視野に入らない、情報部の現実を観たようで
疑似体験をすることができた、貴重な時間だった。

作品に敬意を表し、タイトルロールを最後まで観たのだが
原作者はジョン・ル・カレだった。すっかり忘れていた。
どうりで出来がいい訳だ。

主人公の男優は、フィリップ・シーモア・ホフマン。

Wikipediaでは、以下のように紹介されている。

「2014年2月2日、ニューヨークのマンハッタンにある
自宅アパートで遺体で発見された。死因は現地警察の発表では、
ヘロインや、その他の薬物の過剰摂取によるとみられている。46歳没。
2005年公開の『カポーティ』で
トルーマン・カポーティを演じ、アカデミー主演男優賞や
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ドラマ部門)などを受賞した。
2012年、『ザ・マスター』でヴェネツィア国際映画祭男優賞を
ホアキン・フェニックスと共同受賞した。」


46歳とは早世だ。惜しい俳優を失ったものだ。

無知な私は、この俳優の存在をまったく知らなかった。
映画での役柄は、始終タバコを口にくわえ、
でっぷりした体型で、髪はもじゃもじゃ。
しかし頭は切れる。
人情の機微を理解し、約束を実直に守ろうとする。
しかし、現実の諜報の世界では、おそらくそれはタブーなのだろう。
いや、主人公のように第一線で人間関係を構築し、信頼関係で
情報を収集するという「職人型」の人間には、不可欠なのだろう。

ラストシーンはネタバレになるので触れないが、
主人公より上のレベルの管理者にとっては、彼のような人材は
使い捨てであり、冷徹に国家安全という「広い視野」で
捉えているのだろう、と思わせる、しかも説得力のある
そしてリアリティのあるエンディングだった。

役柄としては、とても親近感が持てるキャラクタだった。
007シリーズなどと比較すると、はるかに地味な作品だが
プロットにリアリティがあり、情報機関の内部を覗いてみたい
方にはお薦めの作品である。
なんといっても、現役の防衛研究所に所属する先生のお薦めだもの。

少しは脳内リフレッシュになったような気がする。


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by hirune-neko | 2015-10-20 22:52 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(0)
<< 音楽的に偏食家なのは、いけない... 日本で有事発生の可能性はあるのか >>



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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