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昼寝ネコの雑記帳

仕事上のリスクの存在を見抜く力〜振り返っての雑感


astor piazolla el infierno tan temido

いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。


最近は、至る所で中国の経済環境悪化情報を見聞きする。

1981年に出版社を設立してから、30数年が経過した。
ずっと出版というカテゴリーの中で仕事をしてきた。
これまで、トーハンが業界トップの座を日販に譲り渡し、
書籍や雑誌といえば紙媒体だったのが、あっというまに
電子媒体が登場普及し、それに伴って取次、出版社、書店、
印刷製本会社、倉庫会社さらには運送会社にまで影響が出ている。

もうかなり年数が経過したが、日本経済はバブル崩壊という
手荒な洗礼を受けた。
当時は不動産賃料収入に大きく依存していたが、テナントである
外資系企業が次々と本社を移転したため、空きが出始めた。
一気に資金繰りに支障が出始めたが、
政府の総量規制とやらで、金融機関の融資余力が喪失してしまい、
窮地に追い込まれた。

社員には頭を下げて退社してもらった。
神保町とその周辺に2ヶ所の事務所を借りていたが、
脱力感に冒された心身をなんとか支え、ガランとした事務所で
明け渡しの作業を何日か続けた。
あのとき味わった挫折感は、まだ記憶に残っている。

バブル崩壊という言葉が一般的になる1年ほど前だったので
周りの人たちにとっては、単なる経営破綻と映ったようだ。
1年ほど経ってから、何人もの人たちから意味が分かったといわれた。

あの状態から、深く考えずにがむしゃらに反撃に出た。
今振り返ると、思いつきで視野の狭い発想であり、
無謀の一語に尽きる。
いわゆるメディアサービスのグローバル化を目指し、
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツを飛び回った。
なんのことはない。現在のamazon.comと同じような
構想を思い描いていたことになる。
本当に無謀な時期だった。

そのときに、中国の膨大な需要という幻想に囚われ、
一度、上海に行ってみようと、ほとんど決意した。
しかし実現しなかった。
もしあの時、中国に深入りしていたら、おそらくそれが
致命傷になっていたのではないかという気がする。

結局は、さまざまな異なる局面を経験してきたが
すべてが出版という領域内でのことだった。
なので、こと出版に関してはある程度の土地勘が
養われているような気がする。
もちろん、電子出版の時代だし、おそらくは多言語出版という
発想は、日本の出版社や著者からも出てくるだろうと予測している。
これから先、ますます未開の分野が拡大するだろう。

誰だって成功を夢見ながら、理想を思い描いて創業する。
あるいは新しい事業を立ち上げる。
しかし残念ながら、すべてがバラ色の世界ではない。
誰の言葉だったか忘れたが、
「成功のために、あらゆる失敗を経験しておく」という
とても含蓄のある表現を思い出す。

こんな小さな出版社でも、いろいろな商談を持ちかけられる。
目先の売上や利益に目を奪われると、視野には入らない
さまざまなリスクを見逃してしまう。

まだまだ売上を増やしたい零細企業ではあるが、
商圏を絞り込み、理念を大切にして失わず、企業として
存続できることを基本方針にしている。

弁解になってしまうが、なのでお得意様回りが後回しになり、
理不尽な要求が続く場合は、長い取引先であっても、
こちらから販売を辞退するという、見る人が見たら
呆れてしまうであろう偏屈さを大事にしたいと思っている。

どんな仕事だって最終的には、人間と人間の信頼関係の上に
成り立っているというのが、経験上の定理だ。
人間のもつ品性、品格、感性、人格に根ざす領域を丹念に探し
継続性のある取引関係を築いていきたいと希望している。

ちょっと仕事を離れ、これまでを振り返っての雑感である。



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by hirune-neko | 2015-08-21 00:29 | 現実的なお話し | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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