今の時代の「孤立無援の思想」Astor Piazzolla - Seul Tout Seul ↑いつも応援クリックをありがとうございます。 今の時代の「孤立無援の思想」 今日も、仕事の合間に十数種類の政治ブログを縦覧した。 どれも悲観的な論調であり、希望を持たせてはくれなかった。 で、なぜかふと「孤立無援の思想」という言葉が思い浮かんだ。 自分自身の造語なのか自信がなかったので、調べてみた。 googleで検索すると、懐かしい作家の名前が表示された。 そうだったんだ、高橋和巳の作品名だったんだ。 思わず苦笑してしまった。左翼的思想の持ち主と書かれている。 私が4年間の大学生活を送った学生寮の名前は「北海寮」といい、 北海道出身の学生のために建てられたものだ。入寮当時の理事長は、 フジサンケイグループの鹿内信隆社長で、 北海道の出身の方だった。 その当時ニッポン放送の専務だった人物が、 私の叔父の従兄弟にあたり、 そのご縁で、鹿内理事長の推薦をいただいて、 無事に入寮を許可された。 北海道出身の学生であることが条件なので、在籍している大学は 種々雑多だった。ちょうど入寮した年が1969年で、東大安田闘争と いわれ東大の入試がなかった年なので、唯一東大生はいなかった。 文系もいれば理系もいたが、大体どの部屋の本棚にも共通して 置いてあったのが、高橋和巳だったり庄司薫だったり、 はたまたヘーゲルやカフカ、サルトルにカミュなど、思想関係の ものが多かった。 当時の私はすでに、「周りの顔色を見ず、空気を読まない」 性質だったように思う。群れて行動することを好まず、 ひたすら思い浮かんだ文章をノートに書きためていた。 あれから40年以上が経過したが、どう考えても 「周りの顔色を見ず、空気を読まない」性質は変わっていないようだ。 でも、さすがに多少は実社会でもまれたせいかもしれないが、 生きる上での方向感覚や土地勘は、少し養われたように思う。 「孤立無援の思想」は、それはそれでいいのだが、 やはり利害を超越した領域での、理解者・同調者は得がたいと思う。 しばしば現実的な危機は、ぎりぎりまで秘匿されて視野に入らない。 しかし、その実体が有姿の存在として実社会に影響力を 行使し始めたときは、すでに手遅れな状態になっているだろうと思う。 40年前にはインターネットなど存在しなかった。 人々はマスメディアの報道によって、判断するしかなかった。 今では、そのマスメディアが恣意的に知らせない情報にこそ 真実が隠されていることが露呈し、真実として知らせようとする 内容に対して、一般市民は疑問を持つようになった。 買収されにくい個人ブログから発信される情報が、 徐々にマスメディアを駆逐しつつあることを実感している。 40年前の「孤立無援の思想」は、感覚的領域に存在したが、 今現在のそれは、現実感を伴って拡がっている。 ここまで書いてみたものの、当時、高橋和巳が 「孤立無援の思想」をどのような意味で表現したのかを とうとう知らないままになっていることに気づいた。 しかし、人間が孤立無援を怖れずに自己主張できる社会は 決して誤った方向に収斂していかないだろうと思っている。 2013-12-08 11:08 nice!(0) ↑いつも応援クリックをありがとうございます。
by hirune-neko
| 2013-12-11 19:35
| 心の中のできごと
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Comments(4)
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El Bohemio
at 2013-12-11 23:01
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昼寝ネコさん
アストル・ピアソラも「周りの顔色をみず、 空気を読まない」主義の典型人物でしたね。 だからというわけではありませんが、 あれだけの作品群を残せた異端の音楽家。
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hirune-neko at 2013-12-11 23:49
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El Bohemio
at 2013-12-20 01:50
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昼寝ネコさん
彼ピアソラは伝統タンゴを破壊したと 本国アルゼンチン出は今でも排除 している人たちが居ますね。 日本でもしかりです。 彼の死後クラシック音楽家 がピアソラ作品を演奏してから ピアソラブームに火が付き、一時は 誰も彼もネコも杓子も騒ぎましたが 今はどうなったでしょうか?
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hirune-neko at 2013-12-20 11:14
El Bohemioさん
確かに、私が知っているフルート奏者やチェロ奏者も ピアソラをレパートリーに入れています。 ピアソラの曲想は、かなり個性が強いので 音楽的な感性によってどう捕らえられるかなのでしょうね。 クラシック音楽一辺倒の演奏家でも、ピアソラ作品に 魅力を感じるかどうかは、やはりその人次第なのでしょうね。
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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