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昼寝ネコの雑記帳

不気味さは静けさの中に


Astor Piazzolla - La maison de Monique


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不気味さは静けさの中に


不法入国し、日本に滞在している彼は
いつも監視の目を気にして生きていた。
頻繁に住まいを変え、名前も変えた。
外国の情報部で、日本人教師から日本語の読み書きを習い、
日本の人気テレビ番組を観たり、様々な訓練を受けていた。
なんとか日本人になりすましてはいたが
決して自信はなく、常に怯えと緊張感に包まれていた。

大震災のとき、壊滅的な被害を被った町があった。
ある日、本国からの指令があり、彼はそれに従った。
家族がすべて亡くなり、かつ役所では戸籍関係の書類が
すべて流失してしまった町なので、安全だという。

彼は、亡くなった日本人男性の氏名、生年月日、本籍地、
現住所、家族の名前などをしっかり頭に入れて、
神奈川県のある市役所を訪れた。
転入届を出すためだった。身分証明書?免許証?
あの津波で命からがら、奇跡的にやっと助かったが
身の回りの物は何一つ持ち出せなかった。
家族は皆、目の前で津波にのまれ、助けられなかったことが
悔やまれる・・・彼はそういうと涙をこらえ、声を詰まらせた。

市役所の戸籍係は、家族で唯一の生き残りだという
彼の言葉を信じるしかなく、また同情して
手続きを始めてくれた。

東北のある町で亡くなった人間が、忽然として
生き返った瞬間だった。

彼は、今では健康保険証を取得し、運転免許を取り、
コンビニのアルバイト店員として働いている。
誰からも疑われず、たとえ監視の網に引っかかったとしても
日本人としての正式な身分証明書を所持しているため
何も怖れる必要はなかった。

そのような彼、あるいは彼女が、一体どれぐらいの人数、
私たちの周りに潜んでいるのだろうか。
すでに警察や公安委員会は事態を重視し、
情報収集に乗り出しているそうだが、果たして
実態を解明できるのだろうか。

これは創作ストーリーでもなんでもなく、
日本の現実の姿をそのまま推測して書いている。

個人的に、日本と日本人は、その短所も長所も含め、
この年齢になってみると、捨てたものではないと
考えるようになった。
おそらくこのまま最期まで、
日本で暮らすことになるだろうと考えている。
なので、日本が日本らしさを維持し、また
日本人がもう少し大人になって、日本人らしく、
平和で安全に暮らせる国を目指してほしい、と
そんな願いを、とくに政治家の皆さんに対し
切にお伝えしたいと思った次第だ。

政治家の方なんて、このブログを読みにくるわけがない。
またクレモンティーヌが現れて、言動に気をつけろと
小言をいわれるかもしれないが、
行く末が心配な日本だと、本気で心配している。


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by hirune-neko | 2013-09-26 23:09 | 現実的なお話し | Comments(0)
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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