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昼寝ネコの雑記帳

IL PLEUT SUR SANTIAGO〜サンティアゴに雨が降る


Astor Piazzolla - Llueve sobre Santiago


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IL PLEUT SUR SANTIAGO〜サンティアゴに雨が降る


かなり以前、このブログに
「ピアソラが試みたジャズとの融合は失敗であり、
単に実験だったとして、それで終わらせた方がいい」と
随分大胆な意見を書いた。

それからしばらくして、その記事にコメントがあった。
El Bohemioというハンドルネームの方だったが、
全く同感だと書かれていた。
おお、同じ意見なのだと嬉しく思ったのを覚えている。
だって、ジェリー・マリガンやゲーリー・バートンとの
協演をまったく評価しなかった訳なので、生意気な奴だと
疎まれても仕方がないと思った。

それ依頼、ネット上でEl Bohemioさんとの交流が始まった。
共通の嗜好は、なんといってもピアソラであり、
ネコ好きであり、思想信条が保守的であり・・・
しかし、私と大きく違ったのは、彼がスケールの大きな
行動派人間だったという点だ。

記憶が定かではないが、ピアソラの東京公演を聴いて、
・・・何十年も昔の話しのようだが・・・なんと
船でアルゼンチンに渡り、一度帰国したものの
再びアルゼンチンに住むようになった。
大変なピアソラ・オタクであり、また
カルロス・ガルデルの信奉者でもある。

残念ながら、私にはガルデルの良さがまだ理解できない。
以前、ソラナス監督・ピアソラ作曲の
「ガルデルの亡命」という映画で、名前を知った程度だ。
だけど、アル・パチーノだったかが主演した映画
「セント・オブ・ウーマン」で、盲目の彼が
女性の香水の匂いを嗅ぎ分け、ダンスを申し込んで
踊るシーンがあるが、どうやらあの曲は
ガルデルの作曲らしい。印象に残っている、いい映画だ。

そんなEl Bohemioさんはやがて、サイト上に作った
「ピアソラ音の出る図書館」の会員に登録し、
いろいろな情報を提供してくれるようになった。
やがて、お互いにFacebookに登録していることが分かり、
ピアソラつながりの日本人やアルゼンチン人の方を
紹介していただき、友だち申請することになった。

そんな彼のFacebookに、今日、掲載された記事を
一部だけ紹介したい。

(El Bohemioさんの文章始め)

「サンティアゴに雨が降る」は1973年9月11日に
南米チリーで起きた軍事クーデターによって崩壊した
「人民連合」政府とサルバドール・アジェンデ大統領の
運命をドキュメンタリー様に描いた映画である。
この事件は今年で丁度40年を迎えるが、私はその時期に
チリーのサンティアゴからクーデターが蜂起されたバ
ルパライソの隣町ビニャ・デル・マールに危険を避けて
避難するように来ていた。事もあろうにクーデターは
すぐそこの隣町から起こされたのだ。今でもその時の
生々しい現象を記憶にとどめている。その日は
サンティアゴとバルパライソには雨ではなく
機関銃の銃弾が降っていたのだ。

(El Bohemioさんの文章終わり)

ピアソラの作品である、同じ「サンティアゴに雨が降る」
を聴いたとしても、私はただなんとなく聞き流しているが、
数千キロ離れた南米・コロンビアでこの曲を聴く度に、
かつての軍事クーデターの
凄惨な経験を思い出す人が存在する。
なんという落差だろうか。

El Bohemioさんとはまだお会いしていない。
数千キロの距離を考えると、私がコロンビアに行くか
あるいは彼が帰国来日しない限りは、一生会う機会が
ないのかもしれない。

まさしく現代文明である、インターネットがなければ、
決して知り合うことはなかっただろう。
敢えていえば、墓に眠るピアソラが、
われわれのピアソラ・オタクに敬意を表して
引き合わせてくれたのかもしれない。

ピアソラも最初はうるさく思ったかも知れないけれど、
今ではわれわれのピアソラ熱に根負けして、
「日本におけるピアソラ普及運動」を
苦笑しながらも、応援してくれているような気がしてならない。


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by hirune-neko | 2013-09-22 03:46 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(4)
Commented by El Bohemio at 2013-09-23 04:18 x
昼寝ネコさん

あの頃、ピアソラのピアニストであったパブロ・シグレールがジャズ・タンゴと称して日本公演をしていたんです。そして、FB上にあれは完全なジャズでありピアソラの二番煎じだろうと批判したんです。雑誌ラティーナにこのシグレールの日本公演を絶賛記事を書いた人に、、、。シグレールはピアソラの新しいキンテートのピアニストすがところ何処ジャズ臭いフレーズがどうも気に入らなくて。そして、貴氏のブログ記事を見つけたんですが、そしたらピアソラとジャズ奏者マリガンとかバートンとの共演は失敗だと書いてあった。この人はピアソラを可なり鋭く理解するのだなと関心したのです。こんな経緯ですね、、、あぁーそれから「サンティアゴに雨が降る」テーマ曲ですがピアソラはイタリー人演奏家と共演する羽目になり、彼の思う様にスタッフを選べずに録音したので、本来のピアソラらしい強烈な個性が表現できてないのでしょう。だから聞き流し的には丁度良いのでは。これはリベルタンゴ・シリーズやルミエール組曲、トロイロ組曲、マリガン共演のサミットも同じ条件でしたから。

Commented by hirune-neko at 2013-09-23 11:11
El Bohemioさん

なるほど。そういう経緯だったんですね。
ピアソラにしては、重いテーマのはずなのに
あっさりした曲想だと思っていました。
「笛小野素・アイレスに降る雨」は
とてもピアソラらしいと思うのですが。
やはり作曲という創作活動も、その環境に
大きく左右されるものなんですね。
Commented by Ei Bohemio at 2013-09-24 00:40 x
昼寝ネコさん

イタリーに板ピアソラが遠いチリーの軍事クーデターの現場をどのようにイメージしたかでしょう。イタリー人共演者達にどれだけ彼の心ごみを伝えられたかが疑問ですね。彼と長年演奏してきた同郷のメンバーではツーカーの意気が通じていたでしょうから、この曲も別の印象感が現れたのではないでしょうか。
Commented by hirune-neko at 2013-09-24 16:24
Ei Bohemioさん

ピアソラは当時、イタリアだったんですね。
イタリア人が共演者だったら、もどかしかったでしょうね。
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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