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昼寝ネコの雑記帳

本格的な風邪でした

Terence Blanchard : The Pawnbroker


長時間、椅子に座っていると、身体がきしんでしまい
ちょっと休もうと、床の上に仰向けになりました。
すると、知らないうちにいつのまにか、うたた寝を・・・。
どうも体調がおかしく、クシャミと鼻水が止まりません。
翌朝はのどが痛くて、咳も出て・・・体調は絶不調。
翌日は、午後7時に床について、なんと翌日の
午前10時半まで、ずっと惰眠を貪ってしまいました。
昨日のことです。

薬は嫌いなので、急性の疾患で異常事態の時以外は
まず飲みません。
その代わり、一般市民の皆さんが口にされないであろう
ヘンテコなものを常用しています。
最近レパートリーに加わったのは、フランスキクイモ、
Jason Winters Teaというハーブティー、酸素水に
水素水、そら豆エキス、それとサプリメント何種類か。

フランスキクイモとJason Winters Teaは、
末期ガンで余命半年と宣告され、6年生き抜いている
女性から勧められて始めました。
ガンに効果があり、ガン予防にもなるらしいです。

いや、そんなことより、酷いコンディションでも
精神的には、不安を感じなくなり、その点は
とても有難いと思っています。
でも、病に対する不安はないものの、
自分の妄想性創作症候群が、
ますます悪化しているような
そちらの方に対する不安が、少しずつ募っています。

最近は、締切のある仕事が増えており、
かなり現実世界に身を置いて、論理的に思考しています。
でも、ひとたび仕事が一段落したら
またあれこれ妄想の世界に浸りきるのではないかと
楽しくもあり不安でもあり・・・というのが
偽らざる心境です。

標題の曲は、一度ブログで紹介しています。
ロッド・スタイガー主演の、恐ろしく暗い映画
「質屋・Pawnbroker」のテーマです。
確かクィンシー・ジョーンズ作曲のはずですが
サウンドトラックのヴォーカル曲より
この演奏の方がずっと良くて、なぜか突然
また聴きたくなりました。
この映画を、映画館で観たのは
もうかれこれ40年ほど前なのですが、
ストーリーは良く覚えていないものの
鮮烈な印象で、記憶に残り続けています。

最近、何かで解説を読んで、ああ、そんな
ストーリーだったのかと、やっと理解した次第です。

人間には、誰にだって
心象の原風景というものがあります。
どういう理由からか、私は「暗いイメージ」に
惹かれます・・・というかほっとします。
なので、時代小説でいえば
池波正太郎より藤沢周平作品に波長が合いますし、
行ったこともないのに、シベリアの荒涼とした
広大な大地に親近感を持ちます。
そのせいか、ピアソラの曲想には、
明るいイメージの作品が少ないですね。

欧州の著名な作曲家にはない、
ある種の絶望的な、越えることのできない
境界線を、諦観の視野で捉えて、
逃れの仮想空間を音楽で表現した・・・ような
そんな気がします。
歴史はちゃんと勉強していませんが、
アルゼンチンの軍事独裁政権時代に
多くの才知溢れる人材が亡命したと聞いています。

ああそうなんでしょう、きっと。
私の心象風景には、いうなれば
亡命先の見つからない亡命希望者
みたいに、どこに行っても違和感があり
誰に会っても心を開けない、
まるでスリーパーとして
他国に潜入している諜報部員みたいな
そんな疎外感がつきまとっているのかもしれません。

いつ、本国から指令があり
遂行すべきミッションが知らされるか・・・
そんな静かな緊張感が潜在しているんです。
精神科の医者にありのままに訴えたら
何か病名を付けたがるかもしれません。
ああ、そういえば、昨年の春
妻子ある身で仕事を辞め、某国立大学の
医学部に学士入学したわが家の三男は
精神科医を目指しています。
いずれは、そっと病的な症状なのか
あるいは単なるきまぐれグ〜タラなのか
診断してもらうと思っています。
その三男と娘が揃って、映画・レミゼが
とてもいいから観るようにって、連絡してきました。

やはり、風邪で体力と気力が消耗したせいで
思考回路が錯綜しているだけなのだと
結論づけることにしましょう。
by hirune-neko | 2013-02-17 01:07 | 心の中のできごと | Comments(6)
Commented by Romarin at 2013-02-17 03:12 x
お風邪ですか?私も実はインフルエンザにかかってしまいました。もう治っているのですが、回復に時間がかかっています。わたしは体が思うように動かないと悲観的妄想に陥るのです。これは困る。これからの人生が真っ暗な感じに見えてしまってね。
どうぞお大事になさってください。風邪はゆっくり休むのが一番です。
Commented by hirune-neko at 2013-02-17 17:12
Romarinさん

悲観的妄想ですか。理解できますね。
私の人生展望は、真っ黒までは行きませんが
依然としてグレーゾーンではあります。

Romarinさんこそ、お仕事を抱えていらっしゃいますので
休みたくても無理をされることもあるでしょうから
早期のご快復を祈っています。
Commented by El bohemio at 2013-02-22 11:26 x
昼寝ネコさん
風邪のグヮいはいかがですか。
少し時間的にずれたお見舞いですが、、、
ピアソラ音楽はたしかに明るい清々しい
曲はほとんどありませんね。たしか、
55年の“チャゥ・パリ”と“リベルタンゴ”
位で後はほとんど絶望的なイメージが
付きまといます。しかし、その絶望的な
暗い世界から這い出す力強い勇気を
与えてくれる曲想も沢山あります。

Commented by hirune-neko at 2013-02-22 14:00
El Bohemioさん

お見舞いのお言葉を有難うございます。
思ったより快復が早く、時々、思い出したように
咳が出る程度です。

「絶望的な暗い世界から這い出す力強さ」
これはまったく同感です。
かなり以前、進退窮まったときに
ロベルト・ゴジェネチェの「Vuelvo al Sur 」を聴き
文字通り、魂を根底から揺さぶられる思いでした。
あれから本格的にピアソラを聴き始めました。

学生の頃、カミュに傾倒し、
すっかり厭世的な色合いに染まってしまいました。
今でもその傾向は色濃く残っています。
なので、ピアソラの曲想はとても好きですね。
Commented by El bohemio at 2013-02-22 23:43 x
昼寝ネコさん
全快されて良かったですね。
ゴジャネチェの「Vuelvo al sur」は
亡命先から帰れない祖国への強烈な
郷愁を絶唱した彼の素晴らしい歌ですね。
カミュはカトリックの国フランスでは珍しい
無信者の哲学者というイメージ以外に
彼を知らないのですが、ピアソラ音楽の
曲想と共通する何かあるのでしょうか。
Commented by hirune-neko at 2013-02-23 00:54
El Bohemioさん

有難うございます。
ようやく復調したという感じです。

カミュとピアソラの曲想との共通点ですか?
並べればこじつけになってしまうでしょうね。
でも敢えていえば、どちらも現実に安住できない
ある種の違和感がエネルギーになってるのではないでしょうか。

今、私の年齢では、ピアソラに安住できます。
カミュは20代の頃に読みましたので
まだエネルギーがありました。
今はもうありません・
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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