昼寝ネコの雑記帳

Kindle Store vs App Store

Astor Piazzolla - Asleep - Kronos Quartet
Five Tango Sansations


2年ほど前だろうか。
カーラジオから流れるニュースで、iPadの販売が発表され
いよいよ電子書籍時代の到来だと、日本中が沸き立った。
当時、アメリカではamazon.comが、猛烈な勢いで
電子書籍の販売シェアを伸ばしていたが
読み取り端末のKindleは、まだ日本向けの縦組み対応の
機器が発売されていなかった。

つい数週間前に、amazonが日本語対応のKindleを発売し
Kindle Storeなる、ネット書店もオープンした。
App Storeでは、圧倒的に音楽関係の商品が多く、
おまけにパソコンとiPadなどの端末が同期するため
ダウンロード数が急増して、店頭での音楽CDの売上が鈍った。
しかし、電子書籍の品揃えはほとんど無に等しく、
書店への影響力は、そんなにないように感じていた。

ところが、Kindle Storeの品揃えを見て
その考えは一変した。
紙に印刷された書籍が
すべて電子化されているわけではないが、
米国のamazonでは、75%近くが電子化されている。
日本語の書籍も、徐々に電子化される点数が
増えるだろうと予測している。

もうひとつ、意外な状況がある。
amazonで購入した電子書籍はKindleでしか
読めないと考えていたのだが、
Kindle for iPadという無料のアプリをインストールすると
Kindle Storeで購入した電子書籍が
iPadの中のKindleを起動すると、自動的に同期され
iPadでも読めるということが分かった。

読みたいと思って購入していた紙の書籍が
電子書籍でも購入できた。
1.仕事に役立つインテリジェンス
   北岡元著 一般書720円→Kindle版電子書籍571円
2.ビジネス・インテリジェンス―未来を予想するシナリオ分析の技法
   北岡 元著  一般書1,890円→Kindle版電子書籍1,333円

視力が落ちているため、読みたいと思って購入しても、
そのまま積ん読状態だったのだが、iPadで開くと
文字の拡大機能があり、無段階に文字を大きくできる。
おまけに、単純に拡大されるのではなく、画面から
はみ出ないように自動的に行替えがなされる。
つまり、PDFのように、頻繁に上下左右にスクロールする
必要がないので、実に快適に読めることが分かった。
読書スピードも格段と上がるため、この年齢にして
第二の読書青春時代が到来したと、独りで喜々としている。

おまけに、Kindle Storeでは、無料の洋書と和書が
それぞれ数万点は用意されているようだ。
つまり著作権が切れた名作が、無料でダウンロードできる。
和書では、太宰治作品などの、いわゆる青空文庫で
提供されていた作品などだ。

さて、ここでひとつの壁に突き当たる。
一読者としての立場で言えば、Kindle Storeの仕組みは
今のところ文句なしに利用価値がある。
しかし、文字拡大と自動行替えの機能を見て、
果たしてどのように作成するのかが、まだ分からない。
つまり、画像の延長のPDF版ならば、行替えが
自動化できるはずがない。なので、一度放棄した
e-Pubによる製作なのではないかと思っている。

おそらく、電子書籍の販売チャネルもある所までは
多極化すると思われるが、個人的な感想から言えば
sonyのreaderを含め、国産の機器やシステムは
おそらく、最終的にはガラパゴス化するだろうと予測している。
なので、日本の書籍あるいは雑誌、そして音楽楽曲の
販路は、Kindle StoreとApp Storeの2大勢力に
集約されていくのではないかと肌で感じている。

ならば、出版業界に身を置く者として、選択肢は一つしかない。
優良なコンテンツの著作物を作り、製作手法を
Kindle StoreとApp Storeの販路に載せられる
内容にすることだ・・・そう考えている。

これまで、電子書籍の出版は頭の中だけで
試行錯誤して来たが、どうやら方向性は見えてきたように思う。
なので、2013年の課題はさらに増え、しかもどうしても
IT周辺に集約されてしまいそうだ。
これはかなり頭を鍛え直さないと対応できそうもない。
でも、文字通り日本の出版界の大転換点が
もう目の前まで到来していると実感している。

冒頭の曲は、ピアソラ作曲の
Five Tango Sensationsの最初の曲で
Asleepという標題が付けられている。
直訳すれば、何やら眠いという意味なのだろうが
私には、目覚め、新たな胎動という曲想に思える。
昼寝ネコとしては、昼寝時間を削りたくはないのだが
自分の時代が到来したという実感があるため
長い冬眠から覚めて、本格稼働しようと
密かに決意している・・・とはいっても
私の決意など、まあたかがしれているけれど。
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by hirune-neko | 2012-12-29 18:18 | 現実的なお話し | Comments(0)
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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