ストーリー・ストーカーな自分
Astor Piazzolla - Remembrance.
今朝、外出しようと思ったら、脳内に違和感を覚え もう一度血圧を計ったらところ、190を超えたので 大事をとって外出を取り止め、安静を保った。 自宅内入院みたいに、ひたすら寝ることに徹した。 何時間も外部との接触を遮断し、 脳内に留まれるのは貴重な時間だ。 昨晩、iTunes Storeでピアソラのアルバムを 何枚かダウンロードした。 その後、mac book proとiPadを確認したら、 すでにiMacと同期されており、 もう聴ける状態になっていた。 いわゆる、iCloudという、 無料のクラウドサービスが機能している。 改めて、スティーブ・ジョブズの偉大な遺産に敬服した。 タンゴオペラと名付けられた 「ブエノスアイレスのマリア」の全曲が 2枚のアルバムに収録されていたので購入した。 ヴィンテージものの貴重品だ。 標題の曲は、ピアソラの「Remembrance」。 全部で6百数十枚のピアソラのアルバムの中から 3千数百曲を自在に検索できるし、 しかも一部分だが視聴もできる。 気に入った曲を単品で購入できるので、 ダウンロードしたのが標題の「Remembrance」だ。 私にはスペイン語の素養がないので どう発音するのか分からないけれど 英語と綴りは一緒なので、どうやら「思い出」なのだろう。 ピアソラの曲のタイトルには、日本語に訳しやすいものが 多いような気がする。 忘却、不存在、悲哀、悔悟、孤立などなど かなり前から、藤沢周平作品に心酔しており 時代小説を書いてみたいと、漠然と考えていた。 数年前にピアソラの作品と出会い、 この藤沢周平とピアソラの作品とが、地下水脈で 結合してしまっている。 そこには共通のメンタリティが流れているように感じる。 ストーリーの概要は、ようやく脳内に定着したのだが、 まだまだイメージだけであり、具体的な形にならない。 昨年、知人が脚本を担当した、川崎市民劇を観に行った。 江戸時代の武将と舞いに生きる妻を中心に、 ストーリーが展開する。 久しぶりに、舞台作品を観たのだが 舞いを一要素として取り入れた作品として、印象に残った。 その後は、脳内では難解と思っていた詰め将棋の 糸口がつかめたような感じで、何年にも亘って イメージし続けてきた課題が、ようやく具体的な形として 見えてくるようになった。 伝統的な日舞の形式にとらわれない、舞いと洋楽の融合。 なので・・・ (藤沢周平+ピアソラ+舞い+語り部+編曲者)÷5 この解は、なんと舞台作品となってしまうのである。 なんでもかんでもダウンロードできる時代に、舞台作品? 交通費と時間をかけ、チケット代を払ってまで 観に来ていただくのは、確かに心苦しいものだ。 でも、パソコンで聴く音楽と生演奏が違う以上に YouTubeの枠を超えた空間で体感できる感動は いい意味で異質なもので、心の奥深くに届くものとなる。 ・・・と、勝手に思い込んでいる。 でも、思い込みがなければ、作品なんて作れない。 だから、この作品に関しては、私は正真正銘の 「ストーリー・ストーカー」であることを自認している。
by hirune-neko
| 2012-03-04 17:23
| 創作への道
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Comments(5)
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romarin
at 2012-03-07 06:31
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血圧は下がりましたでしょうか?
私も今日図書館でピアソラのCDを借りてきました。 Fernando E.Solanasの映画にピアソラが作曲して演奏していると言うものです。 この「Remembrance]、いいですね。 お体、どうぞお大事になさってください。
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hirune-neko at 2012-03-07 10:59
romarinさん
この「Remembrance」という曲は Piazzolla & the Moviesというアルバムに収録されているようです。 Fernando E.Solanasの映画って、タイトルが分かったら 教えていただけますか? そんなにたくさんの映画に 作曲しているとは思えないのですが、興味があります。 ピアソラの曲は、かなり聴いていると思っていたのですが まだまだ発掘の楽しみがありそうですので こつこつと探しているところです。
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hirune-neko at 2012-03-07 14:18
romarinさん
追伸です。調べたら、下記の映画と分かりました。 とても興味がありますので、amazon.comで 取り寄せの手配をしました。楽しみです。 2004年ベルリン映画祭にて「名誉金熊賞」を授与された アルゼンチン出身の名匠、フェルナンド・E・ソラナス監督作を集めた 3枚組BOX。『タンゴ ガルデルの亡命』をはじめ、 『スール その先は…愛』『ラテン・アメリカ 光と影の詩』を収録する。
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romarin
at 2012-03-08 08:01
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hirune-neko at 2012-03-09 00:27
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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