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昼寝ネコの雑記帳

葛藤・・・ちっぽけな葛藤


Miss Saigon/ I Still Believe
(Lea Salonga and Claire Moore of the original 1989 London production )

自分の抱えている葛藤について書こうと思っていたら
ふいに、ミュージカル「ミス・サイゴン」を思い出した。
小さな子どもを前に、命がけで守ると誓う母親の歌、
「I'D Give My Life For You」を思い浮かべたが
標題の「 I Still Believe」の方が、葛藤というテーマに
一番ピッタリだなと思い至った。

制作はキャメロン・マッキントッシュ、
クロード=ミシェル・シェーンベルクが作曲し、
初演はロンドン・ウエストエンドで、次いで
ニューヨーク・ブロードウェイ、さらに東京でも上演された。
標題の動画は、最初の部分がちょっと切れているが
初演のロンドン・オリジナルキャストと説明されていて、貴重品だ。
キム役のリー・サロンガは、実際にはヴェトナム人ではなく
オーディションで選ばれたフィリピン人で
おそらく、キム役では一番評判がいいキャスティングだ。

最初に観たのは、ブロードウェイで
幸運なことにキムは、リー・サロンガが
エンジニアはジョナサン・プライスが演じていた。
妻役のヘレンは、後半になって出てくるので
あまり記憶になく、ブロードウェイでも
このClaire Mooreが出演していたか確認できない。
東京では、確か本田美奈子さんがキムを演じており
カーテンコールの時に、感極まって
泣き出したのが印象的だった。
エンジニアは、市村正親さんだったはずだ。

ちょっと前置きが長くなってしまった。
このシーンは、ヴェトナム戦争終結とともに
離ればなれになってしなったキムが、
かつて一緒に暮らした米兵のクリスを想い、そして
アメリカでクリスと暮らす妻のヘレンが、不安を抱えながら
夫への愛情を歌う、二重唱の構成になっている。
それぞれの女性の心中を思うと、なかなか切ない。

もうひとつ、すっかり忘れていたことを思い出した。
ウェブでデータを確認していたら
ロンドン公演ではその後、キム役に
日本人の森尚子さんが抜擢されたとの記述があった。
何年か後、仕事で英国滞在中に森さんを紹介され
それがご縁で、かつて主催していた
サロンコンサートに出演していただいたことがある。
たまたまNHKのディレクターが来ており
その後、NHKが彼女を特集した番組を制作し、放送された。
古き良き時代の思い出だが、すっかり時間に埋もれてしまっていた。

自分の葛藤について書くつもりだったのだが
あれこれ思い出すうちに、そんなものは
どこかに吹き飛んでしまった。
私の葛藤など、その程度のちっぽけなものなのだと
すっかり恥じ入り、またある意味で安堵している。

ミス・サイゴンは、今では世界中、どこを探しても
上演している劇場はないと思う。
ヴェトナム人の方々が、上演反対のデモをしたほど
社会的なテーマの上に成り立った作品でもあった。
子どもの将来のために、アメリカに送ろうと決心した母親の、
出発間際の子どもを見送る、悲壮感溢れる表情。
その実話の母親の写真をもとに、
プッチーニの「蝶々夫人」から着想を得て
作られた作品だと解説されている。
改めて聴いてみたが、いい作品だと思う。
by hirune-neko | 2011-08-05 13:43 | 現実的なお話し | Comments(0)
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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