誰にでも存在する人生の分岐点高校生にしては、感覚的に早熟だったのかなと 今にして思えば、そんなな印象がある。 16歳の頃、ほぼ毎日通った 大人が集うジャズ専門の喫茶店がある。 ジャズ同好会があって、毎月例会が開かれた。 レコードとではあったが、いくつもの名演と出会った。 経営者の女性は、どちらかというと演歌派だったようだが その同好会の推薦盤だけを揃えたので、いつの間にか 店内には数百枚のジャズLPレコードがストックされ ジャズ雑誌・スィングジャーナルの バックナンバーも揃っていたように思う。 音楽的な衝撃を受けたひとつは、この The Swingle Singers と The Modern Jazz Quartetの演奏だった。 当時はまだまだスキャットによるコーラスが新鮮で MJQ( Modern Jazz Quartet)との協演を聴いて 更に新世界の存在を発見したような思いだった。 確か、パリのヴァンドーム広場を レコードタイトルにした演奏の中の一曲だと思う。 必然的に、学校の授業が恐ろしくつまらなく思えてしまった。 笑わないで聞いていただきたいが、 在籍していた高校は、北海道の地方都市では 進学校として、「今では」そこそこ一目置かれている。 世界史や物理、数学、化学の授業が退屈でたまらなく 典型的な落ちこぼれ学生になってしまった。 あの頃が、わが人生の分岐点だったと思う。 授業が退屈だと思わずに受講していれば まあまあの成績で北海道大学に入り、 そこそこ勉強して公務員試験を受け、 当時道庁の局長だった叔父の推薦で 地方公務員になり・・・ある意味で とても安全な人生を送ることになっただろうなと ぼんやり考えている。 結局は、誰も足を踏み入れていない 未墾の荒れ地を掘り起こし 干ばつや台風で悲惨な目に遭いながらも なんとか開拓農民を続けてこられたのも 理解者との出会いがあり、助けられたからだと思う。 そういう恩人には、毎年盆暮れに、 ドーナツでも和菓子セットでも何でもいいから 感謝の気持ちを込めて、お送りしたいと思っている。 「甘いものより、何でもいいから換金できるものを送ってくれ」 と言われそうだが。
by hirune-neko
| 2011-07-03 16:03
| 音楽・映画・本の世界
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Comments(2)
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by
romarin
at 2011-07-05 06:28
x
The swingle singersはおおやはりでしたね。
私も素晴らしいと思って聞いていました。 人生を決めるのはやはり自分であって、 自分の中に何かを持っている人は箱の中には閉じ込められたくないのでしょうね。北海道人にはそういうところが特にあるのかもしれません。開拓精神というのでしょうか。 素敵な奥様との出会いでそうした道を歩んでこられた昼寝ネコさんは幸せですね。
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Commented
by
hirune-neko at 2011-07-05 11:05
romarinさん
このグループはフランスですよね? ずっと、そう思い込んできました。 間違っているかもしれません。 北海道人は開拓者精神などという 格好のいいものではなく、単なるアホなんですよ。 私の場合は、その最たるアホ人間です。 ご主人様には、是非お利口に生きていただきたいのですが 道産子じゃあちょっと無理かな?
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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