昼寝ネコの雑記帳

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1冊の絵本を映画や舞台と較べると


Ryuji Kunimatsu -國松竜次
Oblivion (A.Piazzolla arr.R.Kunimatsu)

作品が仕上がるまでには、いろいろなプロセスがあり
読者や観客の目に触れない、有能な人が多く存在する。

クロスロードのホームページで紹介する
何種類かのオーダーメイド絵本のカバーデザイナーを
3名の予定で公募したところ、わずか10日足らずで
問い合わせが30数名、応募者15名、応募点数20点。
明日25日が選考結果の発表期日なので、
今日は文字どおり、頭と胸を痛めて最終選考をした。

落とすのがこれほど苦痛を伴うとは思わなかった。
数学などの試験なら、客観的に点数を出して
上位から規定の人数を合格とすればいいのだが、
デザインに対しては主観が入るし、さらには
暖かいデザイン、シャープなデザイン、
かわいいデザイン、センスのいいデザイン・・・
という具合に
全体のバランスにも配慮しなければならない。

それよりも、明らかに年配の方が応募してくると
ああ、家族があって学費やらの出費がかさむんだろうな・・・
などと、いらないことにまで神経が行ってしまい、
仕事が少なくなっている業界のようなので
選考結果に期待しているであろうところに
落選の通知を送るのは、いかにも胸が痛む。
仕事上のことなので、合格者もいれば不合格者もいるのは
至極当然なのだが、改めて自分は人が好いのだなと
痛感した一日だった。私情が入り、
ぎりぎりまで決断できなかった。
しかし、最終的には絵本を作られるお客様を本位に
あれこれ客観的に見直すと、自然と選考が進んだ。
それでも、3名の予定だったが、4名を選考した。

普段、何気なく書店で購入する絵本や書籍には
著者や画家というキャストだけでなく、
目に見えない舞台裏で働く有能な人たちが多く存在する。
編集者、装丁家、DTP処里者、印刷会社の営業マンも
大切な役割だし、印刷や製本の機械を操作する人も
いわば熟練した職人さんであり、スタッフに相当する。

ちょうど、15名の応募者の皆さんに選考結果の
メールを送り終えた。11名のがっかりする顔が見える。
ある種の虚脱感と、もしかしたら自信喪失と生活不安。
半面、4名の方のほっとした、達成感のある笑顔も
目に浮かぶ。

仕事はあまりナイーブに進めない方がいいと思う半面、
やはり、いいスタッフによるいいチームは
何者にも代え難いと思うので、人は大切に考えたい。
逆の立場になったら、よく理解できることだ。

遅々として進まない選考作業と並行して
YouTubeで、ピアソラのギター曲に限定して
気に入った曲を次々とお気に入りに登録した。
日本人ギタリストの國松竜次さん・・・
初めて聴いたが、とてもい演奏をされる方で
大発見だった・・・嬉しい収穫だった。
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by hirune-neko | 2008-11-25 01:27 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(2)

視界に浮かぶ雑事詩

5年ほど使用したノートパソコン(i-book)の
ACアダプターの線が、根本から切れた。
修理のしようがない感じだった。
その切れ方は、先週観たバベルという映画で、
鳥の頭を掴み、胴体をぐるぐる回して
首の部分からもぎ取る様に似ていた。
結局、オークションで見つけたので落札したが、
出品者は中国人。品物は中国から
EMS(国際郵便)で、今日到着した。
これで模造品が送られて、使用できなかったら
中国に対する個人的不信感が募るだろうな。

先週から立て続けに訃報が舞い込む。
昨日は50歳ほどの知人女性で、
お子さんが赤ちゃんの時に伺ったことがある。
その後間もなく離婚し、大きくなったお嬢さんは
海外留学中で、今晩帰国したようだ。
おそらく、20年ぐらい前に見たのが
家族揃った最後の姿だったように記憶している。
私はまだ死ねない、まだまだ死ねない。

どうしてこうも、異常に眠くなるのだろうか。
運転中に危険を感じ、道路脇に停めて
仮眠することが多くなった。
寝る子は良く育つって、人から言われたけど、
それって、何歳までの話なのだろうか。
育ち損ないの私なので、ちょうどいいのかもしれない。

スターバックス・コーヒー・・・たまのゼイタクだ。
シナモン・スコーンと
ホワイトチョコ・マカデミアクッキー
たった数百円で、至福な気分になれる
単細胞な感性だ。

飛び込みで自費出版の相談を受けた女性の
原稿入力を終え、推敲用に今日投函した。
精神病院の入退院を10回繰り返しているという。
文章はきちんと論理性があり、言葉の感性がある。
売れるか売れないか・・・でも、心身ともに
虐待を受け続け、死ぬことだけを考えてきた
人の心理状態と・・・多くの読者に、そうではない
ご自分の人生を、照らし合わせてみて欲しくて
そして、ご自分を客観的に見つめ直して欲しく思い
出版のお手伝いを決めた。

最近は疲労が溜まっているせいなのか
隠遁志向が浮上し、同時に自信喪失気味だ。
片手に受け止めるだけで手一杯なのだ。
厳密な精神分析を受けたら、おそらく
アスペルガー症候群とか診断されるのではないだろうか。
周りの人たちの、予測できない言動に
連続して接すると、ひどく疲労し思考が停止する。

こんなときに観るべき映画は?
聴くべき音楽は?
それすら思い浮かばない。
食べるべきものは?・・・もちろん、あんドーナツに
決まっている。もう、麻薬のようなものだ。
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by hirune-neko | 2008-11-23 23:19 | Comments(2)

マスコミへ募る不信感

国籍法改正案なる名前を耳にされていますか?
日本人の男性が、外国人女性が産んだ子どもを
「これは私の子どもです」と認知すれば、
たとえ婚姻関係になくても、その子どもに
日本国籍が与えられる、というのが
争点になっています。つまり、ホームレスの
男性にいくばくかのお金を与えれば、
実態の伴わない子どもが、大量に
日本国籍を有するということになるわけです。
当然、DNA鑑定を義務づけよ、という声があり
インターネット上では、さまざまな反対運動が
展開しているようです。
どういうわけか、一般国民に対しては
十分な情報が与えられないまま、
短期間で法案化しようとされています。

それに呼応するかのように、産経新聞以外の
新聞社は、このことをまったく報道していません。
まさに、マスコミの責任と義務の放棄だと
非難する人ガ増えているのもうなずけます。
しかし、各主要新聞社が偶然にも、この法案改正に
まったく興味を持たず、報道の価値なしと
判断したとは思えないのです。
まさに口を封じられたとしか思えないのです。

どの政党が、あるいはどの宗教団体が
率先してこの法案改正を主導しているか、
そして、この改正で大量の自国民を
合法的に日本人化することを目論んでいる
どこかの国と、どの政党や宗教団体が
親密な関係にあるか・・・
などを紐解いていくと、私達の知らない間に
日本という国が、他国の浸食を許しているという
事実を知ることができると、そう判断しています。

ここは政治ブログではありませんので、
あえて固有名詞は書きませんが
私のようなおじさんが、政治的無関心では
いけないなと思い直している今日この頃です。

マスコミも、総理の失言をこれ幸いに
声高に報じるのではなく、もっと政治の
深い側面を分析して報じてこそ、
ジャーナリズムの真価だと思うのですが、
巨額な広告出稿や新聞の代行印刷などの
いわば「現実的利益供与」で、ジャーナリズムの
良心を売り渡している様を見聞するにつけ、
ストレスが高じて
あんドーナツの量が増える毎日です。
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by hirune-neko | 2008-11-22 17:11 | 現実的なお話し | Comments(2)

強迫観念からの解放

やみくもに仕事の局面を拡大しなくてはいけないと思い
突っ走った時期があった。
約20年間、脇目もふらずに動き回った。
終盤時期に日本のバブル崩壊が発生し
その後の十数年は、まさに塗炭の苦しみで
仕事の発想も環境も180度逆転した。
最初の20年間は、資金を湯水のように使って
後発企業として基盤の整備を急いだ。
多面的な展開をしたので、管理面が甘く
結果的に残ったのは、経験とちょっとした歴史だった。
でも、その頃の蓄積があったから、
後半の10数年間を、なんとか
コントロールできたのだと思う。
なんでも自分でやらなければいけなくなったが
それなりに、なんとか消化してきたと思う。

仕事に対する見方も、ずいぶん変わったように思う。
長年、日本的なものを馬鹿にし、否定的に捉えて
組み立てを考えた。だから視線は常に
欧米の方を向いていた。
今は違う。日本には独特のいいところが多く
精神性を大切にする国民性が
社会基盤として整っているように思う。
中国や韓国のみならず、欧米のハイテク商品には
日本の資本材が中核にあり、
先人の努力と工夫、才知には敬服している。

精神世界で大切なことは
観念や感覚で捉えるのが普通なので
それを商品化するとなると、
なかなか掴み所が難しいと思う。
私自身、今でもそう思っている。
だが、これからの時代には
目に見えないが価値あるもの・・・の存在が
今まで以上に、徐々に認知されるのでは
ないだろうか。
少なくとも、日本にあってはその傾向が
強まると確信している。

ハイテク商品の中核にある資本材同様
日本から、精神世界の重要要素を
多言語化という関門を乗り越えて、商品化し
今度は以前とまったく違った姿勢で
欧米に勧めていきたいと、そう考えている。

30年ほど前に感じていた、
妙な強迫観念からは、ようやく解放されて
本当の意味での新たな一歩を、踏み出したい。
そんな意欲が、ほんの少しだけれど
体内で育ちつつあることを、その胎動を感じている。
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by hirune-neko | 2008-11-21 23:39 | Comments(0)

単調な作業の連続

手書き原稿が165ページ分ある。
10月に100ページの入力を終えたので
残すところ65ページ。昨日からの作業で
28ページの入力を終えたので、あと37ページ。
とても一気に終えられる分量ではない。

目は原稿とキーボードを交互に追い、
ブラインドタッチの真似事を試みる。
で、頭の中の浅いところでは、
ぼんやりとしたイメージが浮かんでは消える。

逃げるイメージが、常に心と頭を占めている。
逃げるための軍資金稼ぎに仕事をしているのだ。
何から?誰から逃げようとしてるのか・・・?。
テレビの料理番組を数分見ていて
気付いたことがある。
料理人は、火や水や包丁を使って
現実の仕事をする。そこには十分の緊張がある。
一方、レシピを考案する人間は、
火傷する恐れも、包丁で指を切る恐れもなく
いわば仮想の世界で、非現実な仕事をしている。

私は間違いなく、後者の人種で
間違っても、カウンター越しに客と会話しながら
注文の料理を作るなんていう芸当はでき得ない。
原稿用紙1枚につき、1万円払ってくれる
奇特な出版社があったら・・・あるいは
新刊書を出版したら、3万部は確実に売れるぐらいの
固定読者があったら、90%以上の確率で
知り合いのいない所に移住し、インターネット用に
LANケーブルを引き込んで、隠遁する
そんな誘惑に駆られると思っている。
候補地はいくらでもある。
逗子から葉山にかけての湘南。
根津神社にほど近い、下町。
札幌の隣に位置する、石狩市の水平線が見渡せる所。
アメリカもイメージしてみたが、ほとんど
大都市しか行ったことがなく、しかも
創作意欲が湧きそうもないので・・・
オバマちゃんには悪いけど、パス。
いや、向こうから願い下げだろうと思う。
でも、フロリダのキー・ウェストにはまだ行っていないが
ヘミング・ウェイが創作活動をした土地らしいので
一度は見学に行ってみたいと、ずっと思っている。
だが、アメリカの根底にある旺盛な消費文化には
強い違和感があり、かなり辟易としている。
メンタリティは、英国が合っているように思っている。
フランスはどうだろうか。
言葉の問題は努力で解決できるとして、
果たして、持ち前のセンチメンタリズムが
どれぐらい持続できるだろうか。
フランスからだと、英国は勿論のこと
イタリア、ドイツ、スイス、スペイン、
東ヨーロッパにも行きやすく、魅力的な地勢だ・・・。

ここまでくれば立派な妄想で、何か病名が
つくのではないだろうか。

本当に、現実が重く感じることが多い。
労働者にはなれないという自分の弱点を逆手に取り
見事に建設的な現実逃避ができる方法が
ないものだろうか・・・と思いめぐらすのが
趣味のようになってきている。
明らかに黄色信号である。
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by hirune-neko | 2008-11-21 01:54 | 心の中のできごと | Comments(0)

ホームページのリニューアル報告

10月のまる1か月を使い、ホームページをリニューアルしました。
強調したいのは、独力でやったということです。
最近のホームページ作成ソフトは、そこまで
進化しているということです。

リニューアル後、まだ3週間も経っていませんが、
googleでキーワード検索を行った結果をご報告します。
・グリーティング絵本・・・なんと1位なんです!!
・メッセージ絵本・・・2ページ目で13位でした!!
・ペット絵本・・・ひょえーっ3位ですよ!!
・成長記録絵本・・・ぎょえっ!!これも1位でした!!
・絵本作家になる絵本・・・堂々の2位でした!!

少ないもので数十万件、多いものだと100万件ものサイトから
この成績なのですから、すごいなあと驚いています。
つまり、巷間で「SEO対策」と称しまして
キーワード検索で上位にランクされるよう
上手にホームページを作るので
毎月3万5千円で5年リースを・・・という営業の電話が
頻繁にかかってきます。
えっ!?月額3万5千円で5年?
ということは、200万円以上じゃないですか!
それで何位になれるっていう保証があるんですか?

つまり、私のようなHTMLのド素人でも
1か月で作成できて、しかもソフトには事前に
SEO対策が仕組まれているらしく、なんと
たった3週間で、前記の成績になっているんです。

もちろんアクセスする人を増やし、
受注も増やさないと意味がないわけではありますが、
でも、スタートとしては上々ではないでしょうか。
種明かしをしますと、自力リニューアルを決断したのは
Quick Homepage Makerというソフトがあったからです。
ずっと以前、私にも写せます、という
インスタントカメラのコマーシャルがありましたが、
これは本当に、ブログ感覚で、私にも作れます、
というソフトなんです。

機能性を高めるのはこれからですが、
ときどき、ホームページに遊びに
いらっしゃってください。
http://www.crossroads.co.jp
お知りになりたいことがありましたら
分かる範囲でご説明しますので
どうぞご遠慮なく・・・そうそう、
リニューアルの数日後に、自費出版の問い合わせがありました。
何年も前に仕事を手伝ってくれたことのある方なんですが
パートナーの方が、リニューアルしたホームページを
ご覧になり、他のたくさんの出版社の
ホームページと比較して、いたく感心してくださったそうなんです。
とても嬉しい評価をいただきました。
で、昨日東京でお目にかかり、自費出版の提案をしました。
多少の不確定要素があり、見積もり金額は少し動くと思いますが
9分通りの内諾をいただくことができました。
国定忠治ではありませんが、営業上、強力な
つぇ〜味方ができた思いがしています。
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by hirune-neko | 2008-11-20 01:12 | Comments(2)

耳鳴りが聞こえる

最近、耳鳴りが聞こえるようになった。
例えば、幻聴のようにありもしない音が聞こえるとか、
声が聞こえて振り向いても誰もいないとか、
そういう類のものではないので、そんなに心配してはいない。
懐中時計の秒針のチッチッチッというような音が聞こえる。
だが、もうひとつ厄介なのは、独り言がでてしまうことが
以前に比べて多くなってしまったことだ。

札幌では車を運転してスーパーに買い物に行くことが多い。
携帯電話をポケットに入れ、ハンズフリーのイヤホンを
耳に入れたままスーパーに入る。
ちょうど電話がかかってきたので、入り口で
あれこれと応答するのだが、出入りする人から見ると
どこかのおかしいのが、独りで、存在しない誰かに向かって
話している・・・ように見えるのだろう。とくに60歳以上の方々が
チラッと、気の毒そうな視線を私に向けて横を通っていく。
まあ仕方がないことだ。ハンズフリーなんていうもの
自体を知らなければ、よく見かける独り言おじさんと
一緒にされても仕方がないのだと諦めている。

独り言と言っても、具体的に長い文章を言うのではなく
過去の失態や嫌なことを思い出して
何かひと言いう程度なのだが、周りの人からすると
薄気味が悪いだろうなと、恥ずかしくなってしまう。

どれもこれも、心の中で長いことわだかまっている
解放されない何かが澱んでいるのだろうと
自分では勝手に判断している。

まあ、ここにこうして何かを書くのも
独り言のようなものだが、それはそれで
私にとっては価値と意味をもつ行為になってる。
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by hirune-neko | 2008-11-16 00:31 | 心の中のできごと | Comments(2)

良き羊飼いの声

c0115242_2227621.jpg

もうかれこれ十数年前、業界のツアーでスペインに行ったとき、
乾いた荒れ野をバスで走っていたら、ツアーガイドが声を発した。
「あれが羊飼いですよ」
見ると、長髪の若者が杖か何かを持って荒れ地を歩いていた。
聖書の羊飼いのイメージとはかなり違う。
羊も、数頭見えるか見えないかという少なさで、
ちょっと拍子抜けしてしまった。
旧約聖書・イザヤ書の中には確か
「羊は羊飼いの声を知っている」という表現があったはずだ。
羊たちは、自分を導く羊飼いの声を聞き分けるのだ。

現代には、いろいろな羊飼いがいて、われわれを
様々な方向に誘っている。
そのほとんどが、安全な場所に導くのではなく、
往々にして彼らの私欲のために、破滅への道を歩むことになる。

マット・デイモン主演の「グッド・シェパード」
すなわち、良き羊飼いは、CIA創設時の内情をテーマにした映画。
英国情報部に勤めるチャーリー・マフィンを主人公に
スパイ小説を書いているブライアン・フリーマントルはまた
岩波選書からCIAやKGBをテーマに本を出している。
日本には正規のカウンターインテリジェンス、すなわち
防諜機関がないとされており、スパイ天国ともいわれている。
だから、日本でスパイという言葉を聞いても、おそらく
映画や小説の中の出来事という程度の認識しか
ないのではないだろうか。

マット・デイモンが、記憶を失ったCIA要員を演じた
ボーンシリーズを観て以来なのだが、
不思議と似たような設定が続いているように思う。

人生とは、表面で見るだけでは理解不能な
それぞれの陰影を抱えているように思う。
子どものころは、何を見ても見えたままの姿を
平面的に捉えるが、人生をある程度生きてくると、
何も語らないちょっとした言葉遣いや表情に
その人の人生の陰影が見え隠れすることが多い。

私自身は、現在でも良き羊飼いの声が存在することを知っているが
あまりにも多くの雑音にかき消され、
耳には届きにくいことも知っている。
職業上、すべてを疑わなくてはいけない人間は
常に緊張を強いられ、強靱な神経を必要とする。
だが、そんな立場の人間でも・・・いや
そんな状況に置かれた人間ほど、心から安心して
くつろげる、平安な人間関係を求めているものだ。
ほとんどの人間が、最後の最後まで・・・
たとえ何度裏切られて、何度傷つこうが
警戒心を解き、心を開ける相手の出現を、密かに望んでいる。
それがグッド・シェパードの根底にある
テーマなのだろうと、ふと思った。

それにしても、小説はペン1本で書けるが、
映画は膨大な人力と才能と費用の結集した
総合芸術であることを改めて痛感した。
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by hirune-neko | 2008-11-09 22:45 | Comments(0)

心の陰影が見えるとき

c0115242_22272661.jpg


無知な私にとっては無名の女優二人と男優一人。
カメラマンも照明も著名な人らしいが、
私にとっては無名な方々・・・ごめんなさい。

前半は何度か、観るのを途中で止めようかと思った。
それほど、観客に媚びないある種丁寧で独善的な作り。
意味不明な冒頭のシーンに我慢し、
脈絡のないプロットの連続に忍耐する。
ようやくうっすらと、イメージが浮かび上がり、
ジグソーパズルのように図柄が組み合わされていく。
そして、見終わってみると・・・そこには
それぞれ人物の心の陰影が見事に描かれて、
まさに総合芸術が完成されていた。

三人の登場人物は、結局お互いの内なる想いを
分かることができないまま・・・伝えないまま、
それぞれの方向に去っていく。
イタリア映画にもこんなにストイックな部分が・・・
新鮮な発見だった。
そして、自分自身の心の陰影を
不思議なことだが、三人の登場人物それぞれに
見ることができた。

映画の内容は、ブログで上手に紹介している人がいるので
そちらをご覧下さい。
久々に、プロの作品でした。

http://beat-half.blog.ocn.ne.jp/cinema/2007/03/_la_spettatrice_bd68.html
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by hirune-neko | 2008-11-07 22:58 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(0)

シャーロット・ランプリングvsシャロン・ストーン

実に何ヶ月ぶりか、思い出せないぐらいしばらくぶりに
TSUTAYAに行った。棚の前を行ったり来たり・・・
なんの予備知識もなく、面白そうな映画を探すのも
なかなか楽しいものだ。
だって、最新映画情報とかいうテレビ番組や
雑誌の記事にはとんと縁がないものだから、
行き当たりばったりで判断するしかないんだもの。

で、出演者の名前がシャーロット・ランプリングと
シャロン・ストーン・・・もちろん主役は
シャロン・ストーンなのだが、彼女の名前だけだったら
手を伸ばさなかったと思う。
シャーロット・ランプリングは、はるか昔に
「春の嵐」で出会った。その後、ポール・ニューマンが
主演した「評決」という法廷もので再会した。

「春の嵐」は、結局のところどんなプロットだったか
さっぱり覚えていないが、シャーロット・ランプリングの
不思議な魅力に少し捕らわれていた。

「評決」では、主要人物の背景は
すっかり明かされなかったように記憶しているが
決して明るくはない過去を背負いながら、法曹界に復帰・・・。
そんな感じの、多分「元」優秀な女性弁護士だったのだろう。
こっぴどい結婚生活に破れ、深い傷を負って生活のために
とりあえず元の勤め先の法律事務所に戻った・・・
らしい設定を匂わせるのだが、結局のところは
最後まで彼女の素性は明かされない。

ラストシーンは印象的で、彼女はポ−ル・ニューマン扮する
弁護士に電話をし続け、一方のポール・ニューマンは
彼女からの電話だと知りつつ、無理矢理抑制して
受話器を取らない・・・つまり、法廷では敵対する
事務所同士であり、潜入スパイ的な働きをした彼女を
許せないという現実的な立場と裏腹に、
お互いに孤独の中で出会った、同じ嗅覚の人間同士という確信が、
葛藤の固まりとなって二人を遮っている・・・
単なる法廷ドラマの枠を超えた、なかなかの秀作だと思う。

シャーロット・ランプリングという名前からすると、
英国人なのか米国人なのか、それすら知らないのだが・・・。

さて、話題がすっかり脇道にそれてしまったが、
この映画ではシャロン・ストーンが主役で
アメリカ人女流作家を演じている。
舞台は英国・・・画面には何度かテムズ川の風景。
そして、ハムステッドとかハイゲートという
ロンドン北部の閑静な住宅地の名前が出てくる。
シャロン・ストーンは、画面に出てくるたびに、
毎回異なる、ド派手で趣味の悪い衣装をまとい、
一方のシャーロット・ランプリングは
毎回黒いドレスで、一瞬いつも同じ洋服かと思わせる。
シャーロット・ランプリングは、おそらく軽く60歳を
越えていると思うのだが、知的でエレガントな
精神科医を演じている。

いやあ、長々と書いてしまったが、
俳優としても役どころとしても、
圧倒的にシャーロット・ランプリングが秀逸なのだ。
どちらから見ても、拡がりのある存在感と不透明な透明感を持った
そして、見る人の耳目を惹きつける魅力を持っている。

もし私が映画のプロデューサーなら、ためらわずに
彼女が主演の映画を作るだろうと思う。
それを言いたかった・・・だけである。
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by hirune-neko | 2008-11-07 00:16 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(2)



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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