昼寝ネコの雑記帳

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目に見えないリスクを感じ取る力

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もうじき一年近くになるだろうか。
頭休めに、夜遅くコンピュータゲームに時間を費やしていたのだが、
あまりの単調さに嫌気を覚え、yahooの将棋対戦に手を出した。
将棋なんて学生時代以来触ったこともなかったので、
実に三十数年ぶりの再開となった。
駒の動かし方と基本的な囲いのいくつかは覚えていたが、
思いの外苦戦し、連戦惨敗。なにせ対戦相手は
よほどネット将棋に熱中しているらしく、
対戦数が千単位なのだ。
おまけに奇襲・急戦を身上としているらしく、
基本の受け身がなっていない私など、ひとたまりもない。
で、そこまで惨敗が続くとさすがに悔しいもので、
乏しい時間と費用で効果的な勉強をしたくなった。
かなり以前、知人が「指導棋士」という肩書きを持ち
将棋の家庭教師をお願いできることを知ったが、
通う時間とかかる費用を聞いて躊躇し、そのままになってしまった。
目に留まったのが「ネット将棋スクール」。
ネット上で対戦してもらい、その後に指導を受けるらしい。
メールで質問のやりとりを数回し、入門を願い出た。
主宰者は堀川修先生で、指導棋士四段のプロ棋士。
スカイプ(skype)という無料のネット電話を利用し
対局後に指導を受けるという仕組みで、どうやら
日本では・・・ということは世界でも初めての
ユニークな将棋スクールのようだ。
始めてみると、なかなか教育者の先生で熱心であり、
親切丁寧に教えてくれるので、自分の弱点や欠点が
次々と表面化してくる。おかげで、なんとか序盤の急戦をしのぎ、
中盤の戦いに移行する力が身に付いてきたようだ。
盤上の駒の配置をにらみ、手持ちの駒と相手の持ち駒も
視野に入れて、次の手からの展開を何通りも読む。
将棋は非常に奥が深く、知的なゲームだと思う。
つい一年前までは、「マージャン・ソリテア」といって
同じ絵柄の麻雀パイを選んで崩していくという、
非常に単調なゲームに熱中していた自分が
恥ずかしくもあり、懐かしくもある。
半年ほど前のブログで「昼寝ネコ十四級・目指せ初段」なんて
ふざけた目標を書いていたのだが、いつのまにか
射程距離に入ってきたようで(師匠がそうおっしゃっている)
達成感があり、老後の無趣味生活を案じることはなさそうだ。
今年は三人目の孫が生まれるようなので
男女の別なく、将棋盤を挟んで孫たちに
手ほどきできるようになるといいな、なんて考えている。
このブログには、わずかだがヨーロッパとアメリカからの
訪問者がいらっしゃる。
「ネット将棋スクール」も、その意味では
世界中から入門が可能なので、時差と言語の問題さえ
クリアすれば、インターナショナルな将棋スクールになるなと
思ってみたりする。すると堀川先生も、英語やフランス語など
多言語で指導する必要に迫られるから、
・・・案外語学にも堪能なのかもしれないけれど・・・
まあ、そうはいってもとりあえずは
国内外を問わず、日本人もしくは日本語を話せて
将棋に興味のある方々が入門されるといいなと思っている。
兄弟子にあたるフォアグラ肝臓さんが言うには
「将棋は仕事上の判断にも役立つことを学べるし、
子どもの教育にも益がある」そうだ。
私も同感だ。目に見えないリスクを感じ取る力、
先を読む力なしでこれからの時代を生きるのは困難だろう。
ある程度将棋に浸かっていれば、中国から危険な食品が
日本に入いりこんでいるであろうことや、
闇の二法案といわれるものが
どれだけ日本にとって危険な内容をはらんでいるか、
そういったことも見えてくるのではないだろうか。
なにはともあれ、将棋に興味のある方は、是非一度
スクールのホームページを覗いてみていただきたい。
入門すれば、晴れて昼寝ネコの同門となるわけである。ハハハ

ネット将棋スクール(主宰 堀川 修・指導棋士四段)
http://www1.odn.ne.jp/shougi-school/?OVRAW=将棋&OVKEY=将棋&OVMTC=standard&OVADID=601366041&OVKWID=5559753541

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by hirune-neko | 2008-01-31 12:37 | Comments(6)

幸せの在る風景

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(まるで日本画家が洋画家に変身したような作風ですが、やっぱりカトリ〜ヌ・笠井さんの最新作です。いつも本当に有難うございます。いつか銀座のギャラリーで、昼寝ネコの原画展をしましょうね。えっ?パリでなきゃいやだ?ホゲッ?)

お幸せなご家庭ですね・・・
お幸せな境遇ですね・・・
お幸せな奥様ですね・・・
お幸せな人生ですね・・・

伝統的形式論理学がいうところの
「外延」という概念で括られる「幸せ」という
まあなんとか共有できるイメージは
確かに一般に存在するはずだ。
キミにとって幸せと感じる瞬間は、
どんな時なんだい?
そう訊かれて、人は即座にそして的確に
答えられるのだろうか。

ああ、あと数年で五十代が終わろうとしているのだが、
同じような感覚を十代の終わり、二十代の・・・
という具合に、それぞれの区切りごとに、
ずっと感じてきたのだから、六十歳になったら、
なったらなったらの生き方が、きっとあるのだと思う。
で、本当の意味での幸せって
どこにあるのだろうか。
振り返ってみると、ずっと幸せな道を
歩いてきた人にとって、幸せは
もはや当たり前の境遇であり、
あまり感動や感慨がないのではないだろうか。
反対に、不幸で不遇なときを
長く過ごして来た人こそが
ああ、幸せだなと、心から思える
資質を持っているのではないだろうか。

キミはよく眠れるのだろうと思う。
でも、なかなか眠れない人にとって、
朝までぐっすり眠れることは、
それだけで幸せなことなんだよ。
水道から水が出る、ガスで調理できる、
冷蔵庫を開ければ食べ物が入っている、
おはようと言ってくれる人がいる、
疲れてそうだねと気遣ってくれる人がいる、

・・・たったそれだけのことでも、
思いがけない出来事に出会ったかのように、
意外な驚きがあり、そしてその後に
心に幸せを感じる人だっているんだよ。
そんな出来事が、当たり前のように
過ごしている人は、本当のところは
あまり幸せではないのかもしれないね。

わたし?
わたしはね、たったひとつの
おいしいあんドーナツだけでも
かなり幸せになれる、経済的な存在なんだよ。
でもね、こうして私のために
心を込めて画を描いてくれる人がいて、
そしてその人を恫喝して画を描かせている人もいて、
じわ〜っと涙が滲むほど、
幸福感を味わうことができるんだよ。
該当するお二人に心より感謝を込めて、
アズナブールの「声のない恋」を聴いている、
大人になりきれない昼寝ネコのつぶやき・・・でした。
・・・おしまい。

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by hirune-neko | 2008-01-29 22:45 | 心の中のできごと | Comments(8)

生き方を変えようともがいているのだが・・・

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   (これもカトリ〜ヌ・笠井さんの作品のネコちゃんです)

昨夜、病気がちの知人がお通夜に行くというので、送迎を申し出た。
札幌市内の道路は、いずこも例外なく150センチほどの高さに
雪が防波堤のように積み上げられている。
信号の無い交差点では、よほど慎重にしないと
右から来る車を確認できないので危険きわまりない。
北海道での生活も、延べで3ヶ月を過ぎた。
寒さと雪かきと、凍結路の運転にはまだ完全に慣れていないが、
でも、もともとが寒冷地仕様の人間であることを再認識している。

昨晩から寒気があり頭が重い。
朝から午後まで所用で外出し、帰宅したが大事をとって
布団にもぐり込む。体温計で計ったが熱はないようだ。
遅い夕食をとり、再び眠りにつく。
おかげでなんとか復調したようだ。

近所のIさんのご子息が、昨夜後楽園で総合格闘技の
試合に出た、残念ながら負けたそうだが、
ホームページで見るとなかなか若武者的な風貌であり、
時代が江戸なら、武芸家として十分通用する才能を
持っているのではないかと感じた。
今日、同年配のO氏と話す機会があった。
今年は仕事の年始で北見まで車で行ったそうだ。
片道6時間だという。馴れた人の所要時間だと思う。
以前、フォアグラ肝臓さんが、雪女が出没しそうなのは
北見峠か金華峠だと書き込んでいたので、訊いてみた。
金華峠は知らないというから、フォアグラ肝臓さんは
かなり道東の地理に明るい方なのだろう。
で、その氏は今度の土曜日、ワカサギ釣りを主催するという。
朝7時半に近所のスーパーに集合して出発らしい。
私など、はなから誘いがない・・・元アウトドア人間も
今ではすっかりインドア人間になってしまった。

さて、毎週日曜日は仕事がオフであるせいもあり、
鏡に対面するように、自分の生き方を吟味している。
「生き方を変える」ということは、誰しもが考えることだろう。
残された寿命がどれぐらいあるのかを知らされていないので、
綿密な計画を立てるのは難しいのだが、それでも
毎日の課題をひとつずつこなしていくしかないし、
それとて、自分の本質に合った生き方を模索しながら
習慣を取捨選択して、自分を精錬するという考えを
維持することが大事なのではないだろうかと
毎週のように考えている。
身に染みついた様々な習慣を、ひとつずつ吟味し
捨てるべきものは捨てる・・・これがなかなか難しい。
最近、珍しくテレビドラマを観ている。
金曜の夜、新シリーズの「京都案内人」とかいう番組だ。
新聞社が舞台で、主役は橋爪功さん演じる記者兼コラムニスト。
彼の、なんというか・・・世俗を捨てた視点と、
現実から超然とした生き方がなんとも愉快だ。
京都の旧い下宿屋に独り住まいで、脇役も
芸達者が揃っている・・・ああ、あそこに一緒に
下宿したいなと、そう思わせる雰囲気だ。
まあ、生き方を変えるといっても、この歳であるし
さまざまな現実的な条件も徐々に制約を受けているのに、
それでもまだ、現実に立ち向かおうとしている自分が
やはりドンキホーテ的でアホな昼寝ネコなのだなと
これはもう諦めるしかない。
でも、今度こそはホクレンに行っても、決して
「玉ドーナツ」(丸いこしあんドーナツ6個入りで105円)
は、断腸の思いで決して買うまい・・・買っても
母に買ったことにして、少しお裾分けしてもらおう、
とか、相変わらず非哲学的な葛藤が頭を占めている。
でもまあ、そう思うだけでもちょっとは進展しているのだ、
そう考えて、安堵のうちに今日を終わろうじゃないか。

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by hirune-neko | 2008-01-27 22:47 | 心の中のできごと | Comments(4)

いまどき、べこ餅専門店が残っていたなんて・・・

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(この画もカトリ〜ヌ・笠井さんの作品です。遅いクリスマスを祝っているジョセフィーヌと・・・ん?これはどこのネコちゃんでしょうか?)

 一時期、経営者が急逝した親戚の洋菓子屋を手伝ったことのあある私にとって、洋菓子であれ和菓子であれ、菓子職人ばかりでなく、営業スタッフの苦労はある程度知っているつもりだ。とくに老舗のデパートに出店していると、その苦労は倍加する。
 最近ではパティシエという言葉も一般化し、料理だけでなく菓子職人もフランスに「留学」することが、そんなに珍しくなくなっているようだ。もともとは、フランスで星をいくつか与えられているレストランで修行し、料理と一緒にデザート作りも習ったのだと思うが、今ではパティシエとしてその地位を確立したのだろう。

 数日前、母に荷物が届いた。かつて室蘭で呉服屋を手伝っていたことがあるが、その女主人からだった。今ではもう廃業しているらしいが、年賀状で昨秋の手術を知り、お見舞いで送ってくれたようだ。
 荷物を開けて母が歓声を上げた。
「盛一(もりいち)の『べこ餅だ』。懐かしい」
 私は18歳まで室蘭で過ごしたが、その名は初耳だった。なんでも、ひっそりと営業し、ほとんどが予約注文なので滅多に手に入らないらしい。石油ストーブで少し炙り、柔らかくして口に入れる。味覚にも記憶を甦らせる力があると聞いたことがある。
「先代の味はもっと素朴だった。少し甘くなったけど、昔のままだ」
 なるほど。本物の笹の葉を使い、素朴なべこ餅だ。子どもの頃、家にべこ餅用の木型があり、自家製のものを何度も「食べさせられた」ことがある。当時はお菓子らしいものも少なく、甘いものは貴重だったはずだが、それでも子ども心にあまり歓迎した覚えがない。で、この盛一のべこ餅は、morimotoのクリームパンや石屋製菓の白い恋人、六花亭のレーズンサンド、千秋庵の山親爺などの著名な菓子と同じ土俵で相撲をとらず、地元の人しか知らないような、細い小路の奥でひっそりと、しかし営々と同じべこ餅を作り続けているのだろう。最近、涙腺がゆるみ始めたせいかどうかしらないが、こういう「頑固な菓子匠」の存在そのものに、感動を覚えてしまう。
 インターネットで検索してみたら、地元の人らしい二人の方がコメントを寄せていたので紹介したい。

目立たぬ老舗
地元の人間でも一回目は見つけられないような場所にひっそりと存在する蘭西の老舗和菓子店です。「べこ餅といえば盛一」と言われるくらい、手作りで限られた数をつくり続ける職人気質のお店ですので、午前中で売切れてしまいますので事実上午前中のみの営業のような感じです。べこ餅はもちろんですが、3月に数量限定で作られる桜餅は文句なしの絶品。他の桜餅は食べられなくなりますよ。販売数がとんでもなく少ないので手に入れるのが非常に難しいのが残念です。

べこもち専門店
界隈では有名な同店ですが、住宅街のなかに目立たぬように所在しています。べこ餅で有名なのですが、早い時間に売り切れてしまうときいていたので、早い時間に行き、無事ありつけました。味はとても腰のある噛みごたえのある餅にうっすらと甘みがついてました。とても素朴な味でした。

盛一菓子舗
住所:〒051-0015 北海道室蘭市本町2丁目7-14
電話:0143-22-6532

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by hirune-neko | 2008-01-25 23:06 | Comments(2)

チャップリンは偏執狂、アホな昼寝ネコは妄想狂

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(まだまだカトリ〜ヌ・笠井さんの作品で、妄想の源でもあります)

2週間ちょっと前に雪が少しまとまって降った。
今の降りを思えばたいした量ではなかったのだろうが、
とにかく雪かきの必要があり、腰を痛めてしまった。
自他共に認める、軟弱な男性のようだ。
立つに辛く、座るに辛い。横になっても寝返りが打てず、
ただじっとしている時間が増えてしまった。
そうなると、働くのは頭の中だけ。
気がつけば、何やら妄想が頭を占めている。

今から三十年ほど前、知人のYに誘われて銀座に行った。
コリドー街といって、首都高速の下の部分に
飲食店が建ち並んでいる一角があり、
その二階部分に「蛙(かえる)たち」
という名のシャンソニエがあった。
オーナーが店長を兼務しているらしく、
Yの叔父だという。武蔵野音大の声楽科卒らしい。
銀巴里(表記はこれでいいのか?)
には行ったことがなかったが
当時の銀座には他にもいくつかの
シャンソニエがあったようだ。

当時、「蛙たち」に行くと、来店した客は名前を呼ばれ
スタッフ、先客ともどもから手拍子で
歓迎を受ける習わしがあった。
名前を呼ばれるだけで、歌わされることはなかった。
・・・で、いよいよ妄想の始まりである。

私が店に行くと、Yの叔父である店長がにこやかに出迎える。
「やあ、○○さん久しぶりですね。○○さんは
当店の開店以来○万人目のお客さんです。
今日は特別に、何か一曲歌っていただきます」
店内はシャンソン好きの男女で満席状態。
でも、私は臆することなく言う。
「そうですか。じゃあ、シャルル・アズナブールの
物まねをご披露しましょう」
店内が一瞬どよめく。
伴奏者に楽譜と出だしのキーの確認をして、マイクを持つ。
「では、アズナブールの『ラ・ボエーム』を歌います。
ちょっと心の準備をさせてください。それと・・・
顔の準備も必要なんです」
と言って後ろを向き、顔の柔軟体操をする。
客たちの笑い声が響き渡る。
伴奏者に軽くうなずいて、伴奏が始まる。

"Je vous parle d'un temps
Que les moins de vingt ans
Ne peuvent pas connaitre
Montmartre en ce temps-la
Accrochait ses lilas"

おお、というどよめきが湧き上がる。
まるでアズナブールそのものなのだ。
そりゃそうだ。だって妄想の世界の出来事なんだから、
似ていて当たり前なのさ。
で、歌い終わると万雷の拍手が鳴りやまない。
店長が割ってはいる。なんでも、フランス大使館の
文化アタッシェの家族と友人たちが来ていて
えらく驚いているらしい。
見るとそれらしい一団がテーブルを囲んでいる。
調子に乗った私は、店長の勧めもあって
次にジュリアン・クレールの「マ・プレフェランス」を
弾き語りで物まねる。
日本人客にはちょっと馴染みがなかったようだが、
大使館ご一行様は涙を流して喜んでいる。
なぜ日本人が、こんな芸当をするんだ?
いつかフランスの国営放送で、素人物まね大会があったら
是非出演したくて、ずっと練習してるのさ。
なんなら、歴代フランス大統領の物まねを見せようか?

・・・とまあ、妄想というのは、かくも果てしがなく
荒唐無稽なものである。人から分裂気質ではないかと疑われても
だがしかし、これぐらいしか楽しみのない人間だって
存在するのだということを、国会議員の皆さんにも
知っていただきたいものである。

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by hirune-neko | 2008-01-24 13:35 | 心の中のできごと | Comments(4)

内緒、内緒のヒミツのお話し

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   (これもカトリ〜ヌ・笠井さんの作品ですよ)

秘密を守れない方、および約束を忘れてしまう方は
今日の文章を読まないで、このままお引き取りください。
なんとなれば、母のことを書くからであり、
その母は、自分のことを第三者に話されるのを
極端に嫌うからなんです。ですからもし、
これを読まれてから母に、
「あんたの親不孝息子が、ブログにこんなことを書いてたよ」
なんてチクられたら、居候の身の私としては
大変困った立場に追いやられてしまいますので、
くれぐれも、秘密厳守でお読みいただきたいんです。
大丈夫だと確約できる方のみ、読み進んでいただいて結構です。

さて、知らなかったわけではないんですが、
母が、無名ではあっても歌人であることを再認識しました。
若い頃から短歌を詠んでいたことは知っていましたが、
改めて、作品を書きつづったノートを読み、
また、歌人・佐藤佐太郎氏(不勉強で知りませんでした)の
一番弟子の女医さんが主宰されていた短歌同人誌に
永年投稿していた作品を改めて読んでみて、
へ〜、と思ったわけです。
作品は膨大な数にのぼりますが、
そのうちに全部燃やしてしまうなどと
心にもないことを言っています。
なぜなら、こういう歌があるのです。

『子に遺す 何もなきわれ 生きの日の 
 歩みを記さむ 短歌に託し』

ほんの一部を読んでみて、私自身がいいなと
感じた作品を、ここに公開したいと思います。
本当は、いつかちゃんと整理できたら、
出版してやりたいなと思っているんです。
おお、私はやはり、思ったより親孝行なんだなと
今晩だけはそう思っています。

『秋深き 山の全容 紅葉す
 命の極み つかの間を燃ゆ』

『沢深き 樹林の中を 一すじの 
 水は緑を 染めて流るる』

『病みおりて 手入れせざれば 何時になく 
 黄梅の花 咲くは少なき』

『おおかたの 梢の葉落ちし 銀杏樹の
 歩むに惜しき 黄葉の重なり』

くれぐれも、母にはご内聞に願います。

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by hirune-neko | 2008-01-22 23:17 | 創作への道 | Comments(10)

ついに捉えた決定的瞬間・・・

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隣家にはゴールデンレトリバーと一緒に
黒いネコが飼われている。
名前は知らないが・・・まさか
「クロ」ではないと思うが、
イヌと一緒に散歩するは、雪の中を平気で駆け回るは
これが本当にネコなのかと思うぐらい
ちょっと変わっている。

昨夜からドカ雪が降り、私の車がすっぽりと
雪に埋もれてしまった。
昨日は3回も郵便局に行ったが、毎回車に積もった雪を
専用の工具できれいに取り除かなければならなかった。
で、朝起きてみたら、ドカンとまた積もっていた。
ふと見ると、隣家の黒ネコが雪の中を
漕ぐようにして家に帰ろうとしている。
結局、この雪の小山を乗り越えることができず、
車の周りを迂回して帰っていった。
小さな被写体だが、車の左奥に
悪戦苦闘中のネコが写っている。
雪でまぶしかったのでちゃんと撮れたかどうか
自信がなかったのだが、かろうじて
判じていただけるのではないだろうか。
わが家のシロだったら、絶対に外出しない寒空に
このクロちゃんは、元気はつらつ、
オロナミンC状態なのである。

P.S. この約1時間後、隣家のご主人が
   外に出てきたので訊いてみました。
   「お宅の黒いネコちゃん、名前はなんていうんですか?」
   ちょっとためらって、
   「子どもたちは『クロ』って呼んでます」
   げっ!?同じ発想の家があるもんなんだ。

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by hirune-neko | 2008-01-19 12:58 | Comments(8)

私の中の、非日常的なもの                

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ミネラルウォーターには、発泡性のものと
非発泡性のものがあるが、もともとは
胃酸過多気味なのか、発泡性のものを好む。
海外で食事をする機会が多かったのは
もうかれこれ十数年前になるが、
たいがい、どこのレストランでも
ペリエかサン・ペレグリーノはメニューにあった。
ときどき発泡性のミネラルウォーターが飲みたくなるので
あちこち探し回った時期があるが、
ペリエもサン・ペレグリーノも、なぜか高価で
買ってまで飲む気がしなかった。
でも、探せばあるもので、首都圏では
「ライフ」というスーパーで安価なものを見つけた。
ちゃんと天然の鉱泉水で発泡性。
値段も清涼飲料水と変わらない。
500ミリリットルで100円ちょっとだから、
いわゆるリーズナブルなのではないだろうか。
原産国はイタリア、商品名はBrio Blu(ブリオ・ブル?)
メーカーはROCCHETTA(ロケッタ?)
ここ手稲地区では、下手稲通りにある
ホクレンでしか見ていない。
飲料水の種類は多いので、どんな人がこれを買うのか
とても興味がある。
炭酸気はペリエなどに較べるとぐんと弱いが
ときどき飲みたくなるひと品である。

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by hirune-neko | 2008-01-15 23:34 | Comments(0)

北海道新聞の記者様 投稿「ついに出会った『雪女』の正体」

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(この画はカトリ〜ヌ・笠井さん作で、ご本人一番のお気に入りだそうです)

 道東出身のフォアグラ肝臓さんに言わせれば、雪女の出没する場所は石狩街道などではなく、北見峠か金華峠の方がそれらしいという。いつか契約が決まって道東に行く機会があったら、是非ともその峠を経由して行ってみようと思っていた。しかし、雪女との出会いは意外と早まったようだ。しかも、石狩街道などではなく、札幌のど真ん中の「大通り公園」での遭遇だったのである。これは是非、北海道新聞の記者様のスクープにしてもらいたいと思い、投稿文を作成することにした。

 一昨日の夜、仕事帰りにふと大通り公園に立ち寄り、ベンチに腰を下ろした。もう何十年も訪れていなかった場所で、ふと懐かしく思い出したのである。夜気は冷たく、テレビ塔を見上げながら、長居はしない方がいいなと思い始めたそのとき、いつの間にか横に奇妙な雰囲気のネコが座っていた。
「ニャ〜」
「おやおや、今晩ニャ〜」
 得意のネコ語で話しかけてみたが、返事はすべて「ニャ〜」」だった。
「なんだい、ネコのくせにブーツなんか履いて。おまけにお前の足はまるでバレエダンサーのように、しっかり180度に開いているね。プレパラシオン1番のポーズじゃないか」
「ニャ〜、ニャ〜」
 どうやら何か言いたいらしい。そっと手を近づけてみた。横腹が異常に冷たい。かわいそうに。コートのボタンを外し、抱き寄せて温めようとしたが頑強に拒む。
「まあいいや。で、こんなところで何をしてんの?お腹、空いてない?」
 こいつ、ネコだけどバレエダンサーのように減量してんのかな。やたらなものは食べないんだろうな。
「昼寝ネコさん!」女性の声がする。
「ん?!}
 誰だろう、私のことを知ってる人なんてほんの十数人なのに。おまけに札幌で知ってる人なんてごくわずかだし・・・。そう思ってベンチの後ろを振り向いたが誰もいない。念のためにもう一度周りを確かめたが誰もいない。???
「昼寝ネコさん!」また女性の声がする。
 まさかとは思ったが、ネコに視線を向けて観察した。
「昼寝ネコさん!わたしが呼んでいるんですよ」
 確かにネコがしゃべっている。なんてこった、こいつも昼寝ネコの一族だったのか。
「びっくりさせてごめんなさい。昼寝ネコさんを探していたんです」
「えっ?私を探してた?おまえさん、どの時代から生きてるの?」
「わたしは『昼寝ネコ一族』ではないんですよ。ずっと遠い星から、昼寝ネコさんを探しにやって来ました。ネコの姿の方が目立たないと思って、この格好でお待ちしていました」
「んんっ?ネコの格好って、じゃあ普段はどんな格好してんの?」

 さしもの私も、彼女の会話にはついていけなかった。つまり、私の理解力と想像力を遙かに超えた内容だったのだ。やりとりを要約するとこのようになる。地球人にも理解できるよう、翻訳を加えているそうだが・・・。

 彼女が住んでいる惑星は、地球から数万光年離れた場所に位置している。文明は最高度に発達し、大きな問題はなかったが、惑星の持つ再生能力が徐々に減衰したため、眠っていたウィルスが活動し始め、危機的な状況になっている。水と空気の豊富な環境の惑星に移住するか、あるいは強力な抗体をもつ「個体」を宇宙から探し出し、血清を作って住民を救わなければならなくなった。そこで、宇宙中に無数の無人探査衛星を派遣して調べた結果、地球人のDNAが安全に適応することが分かった。しかし問題なのは通常のDNAだけでなく「m-DNA」の適合性の問題らしい。つまり、肉体的な適合性の他に、高度に精神性が発達している、その惑星の人々にとって精神世界のDNAが非常に重要らしく、適合しないと精神が破綻したり凶暴になったり、実質的な廃人になってしまうという。そこで探査衛星が詳細に調査した結果、昼寝ネコ一族の・・・中でも一族の血を一番濃く受け継いでいる私が、最適のm-DNAの保持者であることを発見し、「彼女」が依頼人というかネゴシエーターとして私に接触して協力をとりつける役割を担って、地球までやってきたという・・・まあ、ざっと簡単にいうとそういうことになるらしい。

「私のm-DNAって、どこが普通の人間と違うの?」
「まず第一に、現実的なものに固執しないことなんです。次に、変人と紙一重なぐらい妄想・想像力があること。それと、同胞の人間や動物に対し敵意や憎しみを持ちにくく、言葉の概念を超越して状況や他者の人格を洞察する感性を持っている・・・これがm-DNAの基礎構造にはどうしても必要であり、いくら化学が発達しても合成できない性質のものなんです」
「はぁ・・・で、私にどうしろというわけ?」
「血清を作りたいんです。血液を5リットルほどいただきたいんです」
「5リットルって、人間の体内の血液量を知ってんの?」
「はい、昼寝ネコさんの場合は、今朝6時ちょうどの時点で体重が81.25キロ、全血液量は6.32リットルでした。ちょっと血糖値が高めでしたが、それは大丈夫です。それと、いただいた血液は瞬時に人工血液にコピーして体内に戻しますので、危険は全然ありません」
「・・・?」
 言葉が出るわけはない。なんと言っていいのか判断ができなくなっているのだから。
「話の筋は分かったけど、どうやったらその奇妙な申し出を・・・そんなことよりキミがその、なんたら惑星から来たってことを信じられるのか、自分でも困ってんだよ。大体日本語をしゃべってるけど、もし私がフランス人だったらどうすんの?」
「もちろん、フランス語で話します。昼寝ネコさんが英国人だったら英語、イタ公・・・いえ失礼、イタリア人だったらイタリア語で話しかけます」
「へえ、だったらちょっと仏・英・伊の順でなんかしゃべってみてくれる?」
「お安いご用です。では、フランス語です・・・Allons enfants de la Patrie, Le jour de ・・・次は英語です・・・God save our gracious Queen,Long live our noble Queen, God save the Queen・・・イタリア語です・・・Fratteli d'Italia l'Italia s'e' desta, Dell'elmo di Scipio, s'e' cinta la testa・・・なんでしたらアフリカの言葉でも?」
「いやいやもういいよ。参ったなあ。じゃあもうひとつね。ネコの姿でやって来たと言ったけど、他にどんな姿で来られるの?」
「人間でもゴキブリでも、およそ地球上の生物であればどんな姿にも変えられます」
「じゃあ、例えば有名な女優にでも変身できるわけ?」
「はい、もちろんです。ただ体細胞を合成変換させるので少し時間がかかりますけど・・・せいぜい30分」
「たった30分で?もしそれができたら、信用しないわけにいかないだろうなあ」
「はい、お望みでしたら私たちの科学技術がどれだけ凄いかお見せできますよ。女優ならカトリーヌ・ドヌーブでも山田花子でも随意です」
「ずいぶん両極端な例を出すもんだねえ。・・・じゃあさ、山田花子じゃちっとも面白くないからさ(山田花子さんごめんなさいね)、カトリーヌ・ドヌーブの若い頃、そうだなあ『シェルブールの雨傘』に出てた頃のカトリーヌ・ドヌーブっていうのも可能なの?」
「はい、もしわたしがシェルブールの雨傘のカトリーヌ・ドヌーブになって、昼寝ネコさんの前に現れたら、血液をいただけますか?」
「まあねえ、人道的な見地から言うと、それと宇宙親善の・・・あまり耳慣れない言葉ではあるけれど、キミの星の大勢の人たちが助かるんなら、協力しないわけにはいかないだろうねえ」
「ありがとうございます」

 いやあ、もののはずみというのは誠に恐ろしいもので、このネゴシエーターと私、昼寝ネコは30分後に4丁目プラザの前で待ち合わせすることになった。どうせ夢だろうが、やけにはっきりしているから、もう少し醒めないでいるのだろう・・・この夢に付き合ってやるか。そう考えると、すぐ近くに駐車していた車に戻り、エンジンをかけた。
 25分待って、指定場所の4丁目プラザに向かった。週末のせいなのか、人出が多い。車も渋滞気味でのろのろ運転だ。まずいなあ、遅れそうだよ。いや、そうではなかった。カトリーヌ・ドヌーブが突如札幌の街に現れたので、周りに人が集まってきたのだ。その時、人混みの中から、正確に言うと人混みを引き連れて、金髪の女性が私に気づき、手を振って向かってくる。最近視力が衰えがちの私は必死で目を凝らす。夢ならこの辺で醒めるのではないだろうか・・・そう思いながら金髪女性に目を凝らす。彼女は真っ直ぐ私の車に向かってくる。助手席のドアを開けるなり、あのカトリーヌ・ドヌーブは、顔いっぱいでほほえんで言った。
「サヴァ・ビヤン・ムッシュ?ご満足ですか?」

 人混みを抜け出すのは至難の業だった。一方通行の広い通りをUターンして逆行し、脇道を何本もくぐり抜けて、やっと5号線に戻ることができた。走り慣れた手稲に向かいながら、どうすればいいか彼女に尋ねた。この格好じゃ目立ちすぎるから、人目を避けて・・・石狩街道に向かいましょうということになった。
 運転している間ずっと、彼女は私に視線を向けていた。 私は彼女の表情を見るのが怖かった。外気温零下9度の寒い夜だったが、なぜか彼女は暖房を弱めるように言い、助手席の窓を少し開けた。

 道路の両側には除雪車の積んだ雪が塀のように連なり、夜更けの雪混じりの外気は冷たかった。時折、ワイパーのキュッキュッという音が響くだけで、耳鳴りを感じるほど無音の車内だった。
「あの標識の横道に入りましょうか」
 彼女は突然、言葉を発した。かれこれ30分近く走ったことになる。信号のないその細い道を右折すると、ゆるやかな上り坂をしばらく走った。やがて、廃屋のような古屋が見えたのでその辺りで車を停めた。

「昼寝ネコさん、最後の確認をさせてください。探査衛星の調査では確かに昼寝ネコさんの両方のDNAが適合することが確認されています。でも、実際に血液か呼気で最終確認をする必要があるのです」
「で、どうやって確認するの」
「まず、こうしてお互いの右手と左手を接触させます」
 私たちはお互いの手の指を絡めた。彼女の手は、とても冷たかった。不思議な雰囲気だったが、ミミとロドルフォが初めて出会ったとき、ミミの手の冷たさに驚いたロドルフォが「冷たい手を温めてあげよう」と歌ったアリアが、突然思い出された。なんてのんきな自分だろう。
「わたしの体内にはDNA測定装置が埋め込まれています。お互いに唇を合わせて、ゆっくり私に息を吹き込んでください。30秒ほどで済みますから」
「口から口に?」
「はい、そうです。純粋な医学的方法ですから、雑念を取り払ってくださいね」
 雑念を取り払えと言われても、絶頂期のカトリーヌ・ドヌーブと二人きりで、手をつなぎ合い、顔と顔が近づいて行くのだから、それはちょっと難しそうだな。しかし、まるで冷凍庫に顔を入れて行くような異常な冷気に覆われ始め、私は恐ろしくなった。
「ずいぶん、空気が冷えて、なんか変だね」
「私たちの惑星では、外気温が上がって体温も上がると、様々なバクテリアやウィルスが活発化するので、空気中の窒素を吸って体内で液化し、体温を下げるように進化しているんです。ですから、気にせずに・・・さあ、私の口から息を吹き込んでください。あとは自動的に分析が始まりますから」
 まあねえ、そこまで言われて引き下がっていては、地球男児として宇宙親善の精神に反するから、まあじゃあ思い切って・・・。凍傷を恐れながら、私は鼻で息を吸って彼女の口から息を吹き込んだ。何度か繰り返した。たぶん30秒経ったのだろう。彼女が顔を離して話し始めた。
「自動分析器が分析を始めました。分析データを惑星のセンターに送り、そこで最終判定をしますので、少し時間がかかりますがお待ちください」

 さて、その後の記憶がさっぱり辿れない。湯船に浸かって眠ってしまったらしく、ガクンと首が前に曲がった衝撃で目が覚めてしまった。一瞬、自分がどこにいるのか判断がつかず、石狩街道からどのように帰宅したのかさえ覚えていない。やはり、おかしな夢を見てしまったのだろうか。それにしてもリアルな夢だった。不思議な出来事だった。時折、実にはっきりとした夢を見る私にとって、この夜の一連のことは、夢だったとしてもそんなに珍しいことではない。やれやれ、それにしてもカトリーヌ・ドヌーブって、知人が銀座で本物とすれ違ったときに、あまりの美しさに卒倒しそうになったと言っていたが、分かるような気がするなあ。本物でなく、そっっくりさんでも夢の中でもいいから、今度はじっくり観察して映画の話しでもしてみよう。

 いつものようにメールチェックを始めた。相変わらず迷惑メールが多い。
「ん?差出人・シェルブールのカトリーヌ・ドヌーブ 案件・分析結果?なんだこりゃ?」一応開いてみることにした。

(昼寝ネコさん、先ほどはご協力をいただき、有難うございました。センターで詳細の分析をさせていただきましたので、結果をご報告させていただきます。昼寝ネコさんのDNAおよびm-DNAは理想的な状態でした。地球人には珍しく人間離れしており、どちらかというとネコに近いものでした。本来はすぐにでも血液のご提供をお願いしたいところなのですが、ひとつ問題が発生しました。昼寝ネコさんの血液中には「嗜好性DNA症候群」といい、血清投与後1年以内に「こしあんドーナツ禁断症状」が発症することがわかりました。これが、「すあま」だったり、清月堂の「落とし文」だったり、あるいはmorimotoの「クリームドーナツ」だったら良かったのですが、私たちの星は「小豆」が育たない環境なんです。こしあんの類が作れないのです。数百年前にも、別の種類の嗜好食品が欠乏し、パニックになった同胞があわや他の惑星を支配しようとする危険な状態になったことがあるのです。従って国家歴史シミュレーション委員会の決定に従い、今回は昼寝ネコさんに血液の提供を求めないことにしました。ですが、昼寝ネコさんの血液は、のどから手が出るほど貴重なもので、地球人の中で唯一の存在なものですから、私たちは別のオプションを提案したいと思います。今後は一切、こしあんドーナツを食べないでください。専門医の意見では、6ヶ月間こしあんドーナツを口にしなければ、昼寝ネコさんの「嗜好性DNA症候群」は、跡形もなく消えるそうです。その時は、専門軍事チームが地球に行き、すでにDNA分析を正式に終えた昼寝ネコさんを・・・ん〜適切な訳語が見つからなかったのですが、今度は昼寝ネコさんが協力を拒んでも、私たちの死活問題ですから、その軍事チームが無理にでも昼寝ネコさんを・・・そうそう思い出しました。昼寝ネコさんを地球から「拉致」して私たちの惑星にお迎えし、厳重な管理の下に「レアDNAカプセル」に密封して、一生涯私たちの子々孫々の代まで大切に監禁させていただきますので、決して「こしあんドーナツ」を口にせず、軍事チームが拉致しに行くまで、楽しみにお待ちください。なお、隠れて食べようとしたら・・・左手薬指をご覧ください。決して外せない指輪をはめておきました。こしあんドーナツを口に運ぼうとしたら電流が流れます。口に近づけるほど強力な電流になり、口に入れる頃には失神しているよう自動設定がなされています。私たちにとって、宇宙レアメタルよりもはるかに大切な人材の昼寝ネコさんですから、どうぞ節制なさり、お過ごしください。この惑星では、お好きなものはなんでもご用意します。こしあんドーナツ以外でしたら、すべてのご要望にお応えします。カトリーヌ・ドヌーブでも、お好きなグイネス・バルトローでも・・・。次にお会いできますことを心から楽しみにしています。それと、このことは決して人に口外しないように。とくに昼寝ネコのブログで公開したりしないでください。このことは、昼寝ネコさんとわたしの間のヒ・ミ・ツ・・・ですよ。)

 最後まで読み終える前に、私は当然のことながら左手薬指にはめられた指輪の存在を確かめていた。あれは夢ではなかったのだ。見慣れない色彩の無骨な金属製の指輪が、確かにそこにあるのだ。思考が定まらない。こしあんドーナツとの訣別どころの騒ぎではない。私はどんでもない連中に目をつけられてしまったのだ。この半年間、私はこのかけがいのない美しい地球で、どうやって生きればいいのだろうか。雪女・・・これが雪女の正体なのだ。気づくのが遅すぎた。シェルブールの雨傘のラストシーン。雪の降るガソリンスタンドでのさりげなくもの悲しい別れ・・・が思い出された。ああ、生涯の大失敗だった。あのときに、カトリーヌ・ドヌーブではなく、山田花子を選ぶべきだった。

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by hirune-neko | 2008-01-13 16:11 | 心の中のできごと | Comments(6)

北海道新聞社の記者様、雪女っているんでしょうか

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よく知られた有名な作品に「サンタクロースっているんでしょうか」
というタイトルの出版物があります。
「ニューヨーク・サン新聞の記者様、
サンタクロースっているんでしょうか・・・?」
という出だしで始まる、この本です。

2007年から2008年にかけて、ちょうど
初冬から厳寒の冬を、約3ヶ月札幌で過ごしています。
二日ほど前の朝の気温は零下9度でした。
どうやら私は本質的に寒冷地仕様のようで
朝の空気がとてもすがすがしく感じる程度で
ひどく寒いとは思いませんでした。
屋根からは、暖気時に先端が水分をたっぷり含み
凍結した雪の固まりが、今にも滑落しそうな
不気味な表情を見せています。
危険なので、慎重に雪下ろしをしなければいけません。
まあ、街中の住宅街では、雪や氷にも
現実的な不便さを感じるのがせいぜいであり、
さして何かを感じさせるようなことはありません。
でも夜遅く降りしきる雪の中、ずっと郊外の道路を、
対向車線にはすれ違う車もなく、自分だけが白い世界に
取り残されて孤独な運転をしていたとして、
視界の先のぽつんと灯っている街灯の下に、
どうやら人間らしい姿を眼にしたら、どうでしょう。
徐々に近づくに連れて、それがコートの襟を立て、
長い黒髪に見える女性だったらどう感じるでしょうか。
こんな時間にバス停で待っているはずはない、
誰かが迎えに来るのを待っているのだろうか・・・。
そんな怪訝な気持ちで、ゆっくりと彼女の前を
通り過ぎようとしてふと見たら、
何かを訴えるような黒い大きな瞳と視線が絡んでしまった・・・。
そのとき、不思議な力に支配されブレーキを踏む。
・・・こんなときはやはり、パワーウィンドウでなければ
画にならないのです。助手席に無理矢理身体をよじって
ハンドルをグルグル回していたのでは、ちょっと興醒めなのです・・・
少しバックしてパワーウィンドウを開け、
「何かお困りですか?ひどい雪ですし
この近くでしたらお送りしましょうか?」
でも、もしこの女性が、見るからに80過ぎの年齢相応に
老けた顔立ちだったらどうでしょう。
まあもちろん、その男性の性格にもよると思います。
「ひゃあ。こんな遅くに寒いだろうなあ、あのお婆ちゃん」
瞬間的にそういう同情心を感じても、おそらく30秒と経たないうちに
彼はそのお婆ちゃんの存在を記憶に留めていないかもしれません。
でも、私は違いますよ。80過ぎのお婆ちゃんなら
間違いなく車を停めて、意向を打診します。
でも、それだとあまりにも当たり前の展開なのです。
深夜近く、辺りには人家が無く、妙齢の女性が・・・
妙齢というのは具体的に何歳というべきものではなく、
その男性にとって、一番衝撃的な・・・つまり、あり得ないほど
幻想的な設定に、突如として、あり得ないほど魅力を感じさせる
女性が出現した、という設定ですから、妙齢とは何歳か?
というのは、この際は全くの愚問なわけです。
さて、その女性は黒髪を雪の結晶で飾りながらこう言うのです。
思いがけない親切な言葉にためらいの表情を浮かべ、
ため息が出るほどの笑顔を見せて、
「ラッキー!お兄さん、チョー・サンキュー」
などとは決していいません。そうではなく、
「ご親切なお方ですのね、有難うございます。
わたくしは、この降りしきる雪が、わたくしの
人生を覆い尽くすまで、こうしてこのまま、
立ち尽くしているのです。どうぞわたくしにお構いなく、
このままおいでください」
そういわれて、はいそうですかと車を走らせる男性は
まずいないでしょうね。
でも私は違います。言葉遣いと表情を慎重に洞察し、
何か怪しげな魂胆がないか、はたまたこれが噂の
正真正銘の雪女ではないのか・・・という吟味をし
ありきたりの怪しげな女性だったら、何か言い訳を考えて
「んじゃね〜」とおいとまをするんです。本当です。
さて、問題は正真正銘の雪女だったら、この後
この出会いがどんな展開になるかなんです。
わずかに、小泉八雲の「雪女」という作品があり
ほんの少しは垣間見ることができるのですが、
この厳寒の北海道の雪の中で、本当に
雪女は棲息しているのか、そしてまた、
雪女の魅力と、その冷たい情熱に籠絡された男性が
その後、どのような運命を辿っているのか、
その実体を是非とも知りたいと思っているのです。

もしこのブログをご覧になっている方の中に
北海道新聞の記者様がいらっしゃいましたら、
どうか是非こっそりと、コメントしていただけないでしょうか。
でなければ、私は吹雪の深夜を選び、雪女探索のために
凍てつく石狩街道を日本海沿いに、どんどん
北上しかねないのです。
どうか、好奇心旺盛な昼寝ネコの身の安全のために
本当のお話をお聞かせください。

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by hirune-neko | 2008-01-11 22:48 | Comments(6)



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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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