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昼寝ネコの雑記帳

続・ダウニング街の昼寝ネコ「エピローグ」

続・ダウニング街の昼寝ネコ「エピローグ」_c0115242_1144476.jpg

 (どれもこれも、画はカトリ〜ヌ・笠井さんです)

つまり、昼寝ネコは代々、世界の要人のそばに張り付き、他言できない様々な政治上・軍事上の機密を毎夜のごとく、要人たちから直に聞いているのである。以前、公にしたことがあるのだが、昼寝ネコの血は特殊である。死とともに他の場所で記憶を失うことなく再生し、また別の主人に仕える。数千年にわたって生きながらえているネコはザラなので、その知識と見識は卓越している場合が多い。

私が、どこの国の要人に仕えている昼寝ネコと親交があるかというような情報は、我々にとっては一種の掟として、つまり決して他者に洩らさないという厳格な規律のもとに受け継がれているのである。かつて、一部の要人が自分一人で保持できなくなった重要な秘密を、カソリック教会の神父様に告白し懺悔したことがある。彼は、カソリック教会がある意味で国際的情報ネットワークを形成していることを知らず、「敬虔・神聖な気持ち」で告白したのだが、政治家としてはナイーブすぎた。その情報は、ヴァチカンを経由してあっという間に世界を駆けめぐり、深刻な混乱を引き起こしてしまった。その点、われら昼寝ネコは、機密情報を得て投機に走り私腹を肥やすとか、誰かを欺いたり、果ては死に至らしめるようなことは決してしない。伝統的なユダヤ教の教理を軸に、あくまでも世界平和と人類の繁栄を願っており、昼寝ネコの持つ特殊能力で交信し、方向性と対応方法を協議している。そして、自分たちの接している要人たちには、努めて寛容に振る舞い、プラス思考のインスピレーションを与えるよう訓練されている・・・。そう・・・つまり、世界に影響を与えるような、ひとかどの人物に対して影響を与えるというのは、並大抵のことではない。「ブリッコ」の可愛いだけのペットでは、なんの役にも立たないのである。要人が、その鋭い眼で見つめても、決して眼をそらせてはいけないし、問いかけに対しても、うかつに返事をしてはいけない。非常に神経の張り詰めた激務なのである。だから、日中は十分に昼寝をして体力を回復しなければいけないのである。

つい先日、時差の関係で東半球に棲息している昼寝ネコのカンファレンスがあった。カンファレンスといっても、一堂に会するわけではなく、わかりやすくいえば、テレパシーで交信するようなものだ。テーマは「人間の生涯で克服するのが最も難しいことは何か」だった。そこで学んだ内容を応用し、要人たちが利己心を薄め、さらに世界平和に向けて最善の選択ができるよう「影響力を行使する」わけである。ここで、具体的な事案に触れるわけにはいかない。具体的なテーマを他者に洩らすことは規律に反することになるし、どの要人のネコから伝わった情報かがあからさまになれば、その昼寝ネコの生命に関わる重大な問題になってしまう。

さて、前述のカンファレンスで一番多かった意見は、「人間にとって一番克服が困難なことは、人を赦す、あるいは受け入れることだ」だった。政敵、軍事的敵対、覇権争いなどのような国際政治における敵対もさることながら、日常生活でごく普通に発生する「憎しみ」・・・もっといえば「憎悪」。これが人間の人格に影を落としているというのが、大方の分析結果だった。「憎悪」や「猜疑心」は確実に人の心を蝕み、誤った方向に人生や社会を導いてしまう。視界や脳裏は暗黒世界につながる思いで満たされ、小さな敵対心は容易に大きく膨れあがってしまう。さて、では我ら昼寝ネコは、その個性的な要人たちにどのような方法で正方向の影響力を与えられるのか・・・次回のカンファレンスでは、その具体的な方法を論議することになった。私?・・・私の意見は決まっている。やはり、定期的にこしあん系の和菓子を食べる・・・これに限るのである。

もし皆さんの飼っていらっしゃるネコが、こしあんぱんや、こしあんドーナツを好んで食べるようなら、まず間違いなく古代イスラエル時代から生きながらえている賢者のような昼寝ネコだと思う。だが、何事にも例外があるので、あまり過大評価はしない方がいいかもしれない。

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by hirune-neko | 2007-09-29 00:06 | 心の中のできごと | Comments(2)
Commented by ケ・セラ・ソラ at 2007-09-30 22:44 x
最近、ソフトバンクのコマーシャルで、いろいろな犬が公園みたいなところでカンファレンスしているのがありますね。
ネコとか犬はどういう風に意思の疎通を図るんでしょうね?
疑問なんですぅ・・
Commented by hirune-neko at 2007-09-30 23:06
>ケ・セラ・ソラさん

ネコと犬の意志の疎通ですよね?
うぐぐ、それは難しい質問ですね。
原則的に、ネコと犬は意思の疎通はしないんです。
犬もまあ利口なのがいますけど、
ネコの場合は、とくに昼寝ネコの場合は
かなり長期的な展望での考えに基づいていますので、
犬と国際政治の話はどうもちょっとねえ・・・。
かみ合わないでしょうね。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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