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昼寝ネコの雑記帳

ウォーキング中に、脳内を訪れた精神カウンセラーの主人公


Diana Krall-Guess I'll Hang My Tears Out To Dry

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 今日も7千歩以上を歩くことができた。本当は連続歩行で1万歩程度を歩くと、心臓にも好影響を及ぼすと、専門家が言っているようだ。今日も夜になって、住まいから第三京浜の高架下までを往復したが、連続約5千800歩で、時間にすると40分以上だろうと思う。久しぶりにダイアナ・クラール(Diana Krall)のアルバムを、iPhone+Boseのイヤフォンで聴いた。

 今は麻生区に移転しているが、世田谷・経堂で営業していた美容室のgigue(ジーグ)の店内で、初めて聴いて以来のお気に入りである。あの頃は、書籍「昼寝ネコの雑記帳」の出版をするよう店長の鈴木さんが叱咤激励してくれ、カトリ〜ヌ・笠井さんにはイラスト画を提供してもらった。そのご縁で、貧乏作家気取りの私を不憫に思い、無料でカット・シャンプーをしてくれた・・・という訳ではなかった。ヘアスタイルに全く頓着のない私を見て、いつも「小沢一郎と同じヘアスタイルだ」と(天下の小沢一郎さんには失礼と思うが)呆れられ、ではお任せで、ということでパリ郊外のブローニュ風カットに仕上げていただいた。するとあら不思議、それまでは誰にも注目されなかったのだが、通りを歩いてふと振り向くと、若い女性たちが真剣な視線で私を見つめているのだ。どうしたことだと、ふと足許を見ると、私のヘアスタイルに魅せられたとおぼしきネコたちが、何匹もゾロゾロと後をついてきているではないか。ヘスタイルひとつでこうも違うのかと、すっかり驚いてしまった。しかし、真実は別の所にあった。実はその日、マタタビを購入してポケットに入れていたのだが、どうやらその香りに誘われて、ネコたちがついてきたらしい。

 BOSEのイヤフォンは、耳へのフィット感が良く音質もなかなかで気に入っている。一緒に仕事をしている次男が、確か私が還暦になったときにプレゼントしてくれたものだ。次男はBOSEオタクなのである。

 すっかり長い前奏になってしまった。

 往路の途中でふと、あるストーリーが思い浮かんだ。その概要を公開するが、確信を持って断言する。読まれた方は、私の妄想癖の酷さと現実がまったく見えていないことに呆れ果てるだろう。

 屈折した心理状態の女性が、かなり年上の夫と同居していた。夫には心臓の持病があり、発作が起きたときのために、薬を処方してもらい、常備していた。発作の予兆があったとき、いつもは夫自らが台所の引き出しにしまってある錠剤を服用する。しかしある日、なんの予兆もなく、突然心臓発作が襲った。身動きできず、苦しむ夫を黙って見下ろしながら、彼女は薬を取りに行かず、そのまま夫が動かなくなるのを待って、救急車を呼んだ。

 夫の死因は急性心不全と診断され、事件性は否定された。未亡人となった彼女は、徐々に心の呵責を感じ始める。匿名で法律家に相談し、自分の不作為の行動が起訴された場合の時効期間を確認した。その、時効期日が到来するまでの期間は、とても長く感じられた。苦しみ、いたたまれなくなった彼女はある日、思い切って精神カウンセラーを訪ねる。

 カウンセラーは男性だった。相談に来ても寡黙なまま何も言葉を発しないクライアント、明らかな妄想あるいは虚言癖から荒唐無稽な作り話を繰り広げるクライアント、薬物療法しか解決方法がないと思われるクライアント。実に様々な人間が訪れた。
 夫を見殺しにした女性は、時効成立前なので具体的なことは話せない。しかし、良心を責められ誰かに本当のことを告白して心を軽くしたい。その葛藤があるため、彼女は架空の身の上話を彼に話し続けるだけだった。

 勿論、どのような展開、そして結末になるかまでは到達していない。しかし、カウンセラーである彼のクライアントそれぞれに照準を当てて、人間の深層心理、葛藤、苦しみを1話ずつ完結させるシリーズとして作品化したいと思い至った。日本では、精神科医、心理療法士、カウンセラーなど、いろいろな呼称があるが不勉強でちゃんと理解していない。別に医学部に行かなくても、国家試験を受けられる資格があるのではないだろうか。

 もうかなり以前のことだが、電話で自費出版の相談を受けた。統合失調症でホーム暮らしの女性だった。どうしても出版したいけれど、予算が少ししかないという主旨だった。破格の製作費で出版のお手伝いをし、書籍は出版された。あれから何年になるだろうか。アマゾンで調べたら、2009年の初版となっているので、もう8年になるが、彼女からは今でも、ときどき長いメールが送られてくる。溢れる思いを誰かに聞いてほしいとの苦しさからだ。孤立させてはいけないので、いつも丁寧に返信するようにしている。

 私たちの三男は、今年の4月から神奈川県内のある大学付属病院で研修医をしている。大学を卒業して社会人になったのだが、精神科医になりたいという思いが消えなかった。妻子を持つ身だったが、ある国立大学の医学部に学士入学した。救命救急、脳外科、産婦人科、神経内科など、順番にいくつもの科で学んでいる、最終的に何をしたいか訊いてみたが、やはり精神科になりたいようだ。私自身、人間の心理や精神世界に興味を持っている。私のDNAの一部を受け継いでいるのかもしれない。

 精神科医やカウンセラーを主人公にしてしまうと、専門的な職業の部分は嘘っぽくなってしまうだろうと思う。今の私には、心理療法士の受験勉強をする時間など確保できるはずがない。しかし、一応は調べてみようとしている。もうすでに、あれこれを習得しなければならない状態なので、さらに何か新しいことを視野に入れようとする自分に呆れている。

 自分の年齢、健康状態、累積している遅延案件、余命の残存期間などがまったく視野に入っていない。まるで、架空の世界に生きる登場人物のように、現実世界とはすっかりかけ離れた行動をしようとしている。ため息が出てしまう。しかし、これが自分の個性なのだろうとも思う。無謀なことに、妄想世界で創り上げた創作物を、今度は現実社会で実現しようとしてしまう。かくも救い難い人間だと、ちゃんと自覚しなくてはいけないと思っている。

 ここまでは、実は今日の妄想のほんの一部である。ストーリーはどんどん展開してしまうのだが、そこまでの全容を書いてしまうと、顰蹙(ひんしゅく)を買うことが目に見えている。これ以上は頭の中だけに留めておくことにする。

 さて、これから初めての電子水風呂を経験する。徐々に電子人間になって行くわけだが、目から火花でも出るようになるのだろうか。


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by hirune-neko | 2017-12-22 00:38 | 創作への道 | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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