個人と家族にこそインテリジェンスが必要な時代だ 振り返ってみれば、今は嵐の前の静けさだったと言われるのではないだろうか。臨界点がひしひしと迫ってきているような、緊張感を感じている。厭な緊張感であり、胃が重くなる。 一体、いつまでに何を間に合わせようとしているのだろうか。なかなか明確にすることは難しい。おそらく、想像にしか過ぎないが、ひとつひとつのピースを手許に引き寄せ、組み合わせを考えているときに、何かが閃き見えてくるのではないだろうか。従って、焦らずに一歩一歩進めていくしかないのだろう。 改めて、独りでできることには限界があると痛感している。方向性や基軸については明確にするものの、絶えず変化する表象を捉え、その深層を洞察するには、やはり複眼的な検証が必要だと思う。 書類の山に埋もれていた「インテリジェンス」の講義テキストを、なんとか探し出してめくってみた。 第1回目の講義は「オリエンテーション・インテリジェンスとは」、というタイトルだった。当時、防衛研究所主任研究員だった小谷賢先生が用意してくださったテキストだ。 シャーマン・ケントという、イェール大学教授、CIA主席分析官だった方が、1947年に書いた内容だ。 1.インテリジェンスとは、知識、機能、組織である。 2.知識:政策決定者や軍人が知っておかなくてjはならない外国の知識のこと。 3.組織:情報収集、分析、配布などを行う組織のこと。 4.機能:情報収集、分析、配布など一連のプロセスのこと。 半世紀以上前の古い時代であり、しかも今日のようにインターネットや偵察衛星などが存在しない時代だったと思うのだが、現在でも通用する考え方のようだ。 授業で先生が面白い質問をした。ある元CIA長官に愛人ができたと話し出した。メールでやりとりをすると、通信傍受システムに探知されてしまう。さて、この元CIA長官と愛人の女性はどのような方法で、傍受されずメッセージを伝え合っただろうか・・・というのが質問の内容だった。インテリジェンスの最初の授業で、いきなり柔らかい話題になったので驚いてしまった。生徒から正解は出なかった。 GoogleのGmailを使い、送信したい文章を書き終えたら、送信せずそのまま下書きとして保存したという。お互いにメールアカウントのパスワードを共有し、未送信メールを閲覧したそうだ。なるほど、そんな方法があるとは思いつかなかった。デヴィッド・ペトレイアスとポーラ・ブロードウェルという実名とともに、二人の画像が掲載されているが、二人とも映画俳優のような美形だ。 諜報活動の世界は・・・私に実体験はないものの、陰謀と謀略が渦巻いており、気が休まらないだろうと想像している。最初から人の背景を疑わなくては成り立たない。なんと孤独な世界だろうか。それだけに、信頼できる人間同士の絆は強く、相手を大事にすることになるのだろう。分かるような気がする。 考えてみたら、私がしようとしていることは、マニュアルも先例も無い内容だ。前人未踏なのだから、道が険しくて当然だと思う。でも、好きでやっていることなので、あまり負担には感じていない。 そういえば今朝、企画提案書を送った相手の社団法人から電話があった。内容はかなり良く把握していただいたようだ。ただ、公益性の高い法人なので、一営利企業を推薦する先例を作ることを逡巡しているようだ。それは分かる。いろいろ説明し提案も行い、再度検討していただくことになった。企画提案書を送っただけで、待ってましたと決まるわけはない。そんな甘い世界ではないことは、骨身にしみて理解しているつもりだ。進展があったら、改めてご報告させていただく。
by hirune-neko
| 2017-09-08 01:01
| インテリジェンス
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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