人気ブログランキング | 話題のタグを見る

昼寝ネコの雑記帳

小粒ラッキョウと味付き数の子物語


Eliane Elias - "Segredos (Secrets)


いつもクリックを有難うございます。励みになっています。

 あと半月ほどで94歳になる義母の、食事を用意することがある。

 今週の初めだったと思うが、頭痛があり食欲もないといって、何も食べられなかった。訪問医の先生に来てもらい、薬の処方箋を出してもらったので、少しずつは快復し食事も少量だが喉を通るようになった。もともと食の細い人で、しかもかなりの偏食の困った人だ。

  何か食べられそうなものはないかと聞いたら、小粒ラッキョウと数の子だといった。駅前のマルイの食良品売り場は割と充実している。味付きの数の子と、小粒ラッキョウの瓶詰めを見つけたので、早速購入してお盆に用意した。すると、数の子が硬くて食べられないという。包丁で細かく切って出したら、おいしいといって食べてくれたので、ほっとした。

 今日は土曜日なので、本当は電話に出なくていいのだが、貧乏性の私は携帯にも転送し出られるようにしている。問い合わせや、受け取った絵本のちょっとした不具合に対するクレーム、インターネット経由での申し込みなど、それなりに対応する案件が発生する。主な取引先は産婦人科クリニックなので、いろいろな問い合わせや、絵本の申し込みセットの製作依頼も来る。おまけに、家族の折り合いが良くなく、頭を抱えている人からの電話も入る。ただ単に聞いて欲しいだけなのだが、むげに断るわけにもいかない。

 そんなこんなで、夕方過ぎには頭の中が飽和状態になってしまった。さぁどうしようかと考えた。今日は、家で私一人だったので、義母からの呼び出しチャイムにも応対しなくてはいけない。残念ながら、仕事に集中する気力を失ってしまった。

 結局は疲れた頭で、アマゾンのプライムビデオのページを眺めてみた。すると、映画ではなくテレビドラマシリーズで、CIAのエージェントになった若い女性が主人公の作品が目に止まった。正直にいうと、あまり期待していなかった。でも試しに、少し観てみようと思った。つまらなければやめれば良いと考えた。コバート・アフェアというタイトルである。

 一本の上映時間が意外と短く、30分から40分程度だった。シリーズ1の最初の作品の冒頭では、主人公のアン・ウォーカーがCIAの入局面接をするシーンが見られた。

 結局は、ついつい最後まで観てしまった。その最大の理由は、普通のスパイ映画は現場の活動シーンを見せるのが殆どなのだが、この作品ではCIA内部の様子や、部署ごとの対立関係、あるいは国務省との確執など、内部事情を知る人でなければ書けない脚本だ、と思ったことだ。

 さらには、舞台がヨーロッパだったり中東だったり、かなり国際的にロケをしており、モサドのエージェントも出てくる。普段聞き慣れない名前の国の情景も描かれている。確かに、ジェイソン・ボーンシリーズもなかなかの出来だと思うのだが、このアン・ウォーカーシリーズはとてもよくできた作品だと思う。人物描写も、それなりに掘り下げていて観ごたえがあった。スパイ映画に、単なるエンターテイメント性を求めるだけでなく、国際諜報活動の実態を疑似体験したい人にとっては、興味深く観ることができると思う。

 しかし、もし日本を舞台にし、中国や南北朝鮮の諜報活動を描いたとしたら、あまりにもリアルすぎて観るのが辛くなるだろう。

  映画の中で、走ること走ること、本当に逃げたり追いかけたりで、俳優さんがかなり走っていた。私の年齢と体力を考えると、とても務まる職業ではない。しかし、基本的な情報収集や分析の手法を作品内で観ていると、大変興味深い。

 そういえば、マルイの食料品売り場をウロウロしていたら、トルコ産の干しイチジクが何種類か売られていた。黒イチジクというのがあるのを初めて見つけた。あまりにも珍しかったので、3種類ほど買ってきた。とても嬉しい発見だった。

 2015年の後期に、ある大学院でインテリジェンスの講座を受講した。講師の先生は、防衛研究所の主任研究員の方だった。プリントの資料を渡されて、説明を受けた後には質疑応答もあった。独学で狭い範囲のことしか理解していなかった私にとっては、とても勉強になる授業だった。しかし、授業ではあくまでもアカデミックなインテリジェンスを学んだのであって、実際の現場や情報部内がどのような動きをしているかについては、映画を観ることでまさに疑似体験をすることができて、とても参考になっている。

 今日も、匿名希望の皆さんから貴重な情報を寄せていただいた。重要と思われる内容は、当分の間このブログでも紹介させていただこうと思っている。

 あくまでも素人判断ではあるが、寄せられたいくつもの情報内容を拝見すると、やはり今年は中国及び南北朝鮮の、国家としての存立が柔軟さを増すのではないだろうか。ロシアのプーチンさんだって、沈みゆく懸念の高い中国と組むのか、あるいは日本やアメリカそしてオーストラリアや東南アジア諸国と提携し、政治・経済・軍事的な安定を目指すのか、を現実的な視点から検討しているのではないだろうか。

 北朝鮮が、アメリカをも射程範囲内にする、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射目前だといわれている。アメリカにとっては、ある意味では喉元に刃を突きつけられたようなもので、そのまま座して死を待つはずがない。北朝鮮が、不用意にアメリカに対してブラフを行うと、おそらくはさすがのアメリカも、黙っていないのではないだろうか。いわゆる先制攻撃を仕掛けるだろうし、このような冒険主義を推進する国家元首に対する暗殺計画も、大統領の許可によって実行される可能性が高まるのではないだろうか。ウサマ・ビンラディンの暗殺計画に大統領が署名したように、トランプ新大統領はおそらく躊躇しないのではないだろうか。仮に、アメリカがそのような行動を起こすなら、韓国や中国に対してもかなりのプレッシャーになるのではないだろうか。

 日本は、すぐ側に日本を敵視する国が存在し、常に侵略の隙を狙われているのは誰もが認めるところだろう。こんな緊張した情勢なのに、ミサイルが飛んできて人命が失われたり、他国の軍隊が日本国内に侵略してくるまで反撃ができないという法律は、果たして現実的なのだろうか。インテリジェンスの初学者ではあるが、このような国際情勢にあって、専守防衛であるとか、平和憲法であるとか、さらには敵国からの情報活動をまともに防ぐ法体系がなく、本格的に他国に滞在して情報収集することもできにくい、そのような国は他に存在しないはずだ。

  授業で習ったが、日本の現行法では、いわゆる偽造パスポートは発行できないそうだ。それでは、海外で情報活動をする日本の情報部員の安全性は、確保されにくいのではないだろうか。世界各国の情報部では、情報部員がいくつものパスポートを所持することは常識のようだ。

 日本ではおそらく、核武装というテーマが議論され始めると、猛烈な反対をする勢力が活発に活動するだろう。核武装は、他国に対して好戦的な国になるということではなく、文字通り相手国に対する抑止力になるという要素が大きいはずだ。

 今日はさすがに、何本ものCIA関連の映画を観たせいで、すっかり刺激を受けてしまったようだ。いずれにしても、少しでも多くの日本国民が国家安全保障、あるいは国家観というものをしっかり視野に入れるようになってほしいと希望している。

 ご参考まで、今日観たシリーズの何本かの作品の一部を、以下にご紹介する。少し長いが、一番雰囲気を伝えていると思う。

【テレビドラマ「コバート・アフェア」】
Annie and Eyal - Covert Affairs


いつもクリックを有難うございます。励みになっています。


by hirune-neko | 2017-01-29 01:01 | インテリジェンス | Comments(0)
<< 情報収集の目指す方向性と情報の価値 ときどき、非常事態のシーンが目... >>



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
検索
ライフログ
最新の記事
最新のコメント
ちはやさん コメン..
by hirune-neko at 00:17
昼寝ネコ様 お早う..
by ちはや at 08:10
ちはやさん コメン..
by hirune-neko at 00:24
昼寝ネコ様 お早う..
by ちはや at 08:54
ちはやさん コメン..
by hirune-neko at 22:52
記事ランキング
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
お気に入りブログ
ファン
ブログパーツ