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昼寝ネコの雑記帳

男子厨房に入るべからず、の意味をようやく理解した


Astor Piazzolla - Romance Del Diablo


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骨折の後、歩行困難になってしまった93際の義母。
その義母の夕食の用意をするために、厨房に入った。
厨房というよりは、台所の方が私には分かりやすい。

豚汁と麻婆豆腐の鍋に火を点け、
フライパンにココナツオイルを流して、ホッケを焼き始めた。
焼き上がるまで、しばしの待ち時間があったため、
ふと何気なく、周りに視線を向けた。
すると、クッキーらしい包みが目に入った。おお、ラッキー!
手に取ると、どうやらチョコレートかココアのクッキーのようだ。
包みを破ると、中身には光沢があった。
ほう、チョコレートでコーティングされているんだ、と思った。
ためらわず、半分を噛みきろうとしたら存外固い。
味もまったく甘味がなく、ちょっと苦い。
何か変だぞと思い、パッケージの文字を読んで、目を疑った。

「クレゾール石鹸」

と書かれていた。消毒用の石鹸なのだろうか。
もしかして考えごとをしていて集中力を欠き、
おお個性的なビターテイストの、大人向けチョコだ、
なんて思い込んで、丸ごと食べてしまっていたら、
今頃は集中治療室だったのではないだろうか。
数年前、知人の奥さんが台所用洗剤を飲み、自分で救急車を呼んだ。
結局は手当ての甲斐もなく、他界してしまった。自殺だった。

冗談抜きで、自分の思い込みの恐ろしさと、卑しさに呆れてしまった。
最悪の場合、新聞ニュースでは、どのように報じられるだろうか。

「甘い物依存症の老年男性、台所にあったクレゾール石鹸を、
チョコレート菓子と誤認し、そのまま食べて集中治療室へ搬送される。
警察は自殺の疑いもあるとして、本人の快復を待って事情を訊く模様」

いやあ、こんなに長い見出しはあり得ないだろう。
本人の快復を待って、なんていったって、そのまま還らぬ人に
なるかもしれず、真相は闇の中ということになりかねない。

しかし、なんとも私らしい人生の終え方ではないだろうか。
これだけは断定するが、私は決して自殺などしない人間だ。
人生でどん詰まりのどん底にあったとしても、自殺をするぐらいなら
どこぞに蒸発して、その日暮らしをした方が気が楽だ。

昨日から今日にかけて、匿名希望の投稿者の皆さんから、
情報投稿だけでなく、Weekly みるとすの編集方針について、
ご意見や提案をいただいている。
なかなか鋭い視点からのコメントで、心強く思っている。

私自身が心配しているのは、内外の懸念事項があまりにも
多く噴出しており、マスコミが表面現象だけを報道することで、
表象に関する種々雑多な情報に振り回されてしまい、皆さんが
いたずらに不安感を抱いて、賢明な判断がしにくくなるのではないか
という点だ。

公開情報から選定してお届けする、というのが基本機能なので、
選定者の慧眼と力量に頼るしかないのが実情だ。
私自身も、なるべく事象を広角に捉え、投稿者の皆さんと
一緒になって、洞察力を向上させたいと考えている。
ただ、幸いなことに、情報を投稿してくださる皆さんは、
しっかりした視点をお持ちなので、心強く思っている。

ワイドショー的な,興味本位のテーマ選定や情報紹介を避け、
英邁に本質を見据えながら、有益な情報提供につなげていきたい。

クレゾール石鹸をチョコレート菓子と誤認するようなネコ人間に、
ちゃんとした判断ができるのか、といわれそうだが、
まだまだ、しばらくは大丈夫なのでご心配は無用だ。

歯形のついたクレゾール石鹸は、そのまま台所に置いてある。
これに懲りて、なんでも食べる前にはパッケージをちゃんと
読んでからにしようと反省している。

実は内緒の話なのだが、シュガーレスのミント菓子を
数個まとめ買いした。
スッキリ感が5分持続する、と書かれている。
甘い物が必要になった時のために用意したのだが、
気がついたら、次々と連続して口に入れてしまっている。
今日の反省から、ケースに書かれた小さな文字の注意書きを読んだ。
すると、連続して大量に食べると、場合によっては腸機能に
異常を来す可能性があると書かれていた。
この際なので、まとめてゴミ箱に捨ててしまった。
あれば無意識のうちに、また連続して口に入れてしまう懸念があり、
自分の自制心には、あまり信頼をおけていないので、
断腸の思いで一大決心をして、捨ててしまった。

人知れず、甘い物依存症と闘っていることを知ってくだされば、嬉しく思う。

男子厨房に入るべからず、の本当の意味を今日、ようやく理解した。


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by hirune-neko | 2016-10-05 00:30 | 現実的なお話し | Comments(2)
Commented by 日本晴れ at 2016-10-05 01:02 x
お疲れ様です。

石鹸をお菓子と間違えて、というお話を読んで、似たような事案を思い出しました。

中国のマラソン大会でお菓子に似た石けんが配られた件 ・・・ 包装紙がまるでお菓子のようなデザインだったらしいです。
http://qq4q.biz/yNkk

逆に個人的体験として、ずいぶん昔にアメリカのスーパーで、でっかい洗剤みたいなプラスチック容器をよく見たらジュースだったというカルチャーショック的な出来事が頭をよぎりました。 たくさんのことに急かされる時代なので、逆に慌てないで確認する習慣づけは大事かと思います。 人間の頭脳も本当にデリケートかつけっこう誤認や錯覚しやすいですからね。
Commented by hirune-neko at 2016-10-05 11:57
日本晴れさん

コメントを有難うございました。
中国の洗剤誤飲というのは、笑えない笑い話ですね。
私の場合は固体でしたので、少しも誤飲はしませんでしたが
液体だったら、分かりませんね。

>たくさんのことに急かされる時代なので、
>逆に慌てないで確認する習慣づけは大事かと思います。
>人間の頭脳も本当にデリケートかつけっこう
>誤認や錯覚しやすいですからね。

私もそう思います。
急げば急ぐほど、判断力が低下しますね。
かといって、ペースダウンするほど余裕はありませんし、
困ったものです。

有難うございました。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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