昼寝ネコの雑記帳

今度は別のプリンタが絶命した


Antonio Carlos Jobim - Wave 1967

いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。


アントニオ・カルロス・ジョビンのWave(ウェーブ)。
アメリカでは1967年にリリースされたようだが、
学校を抜け出て、友だちと一緒に行ったジャズ喫茶で
初めてこの曲を聴いたのは、1968年だったと思う。
高校2年生の頃だ。

学校の授業が恐ろしくつまらなく感じ、息が詰まった。
朝の出席点呼が終わるとすぐ窓から抜け出し、
バスに乗ってジャズ喫茶に行くのが日課になっていた。
今でも、ジャズ喫茶なんて存在するのだろうか。

バスケ部に所属していたが、先輩と折り合いが悪く、
あっさりと辞めてしまった。
授業はつまらないし、クラブ活動もなくなり、
一直線でジャズの世界にのめり込んでいった。

ある日休み時間に、玄関に誰かが来て呼んでいるといわれた。
行ってみたが、全然知らないおじさんだった。
喫茶店に連れて行かれると、中学時代の同級生の名を出した。
その同級生が、悪しき団体に所属してしまったと噂で耳にしていた。
同級生が、このおじさんに私のガールフレンドのことを告げたが、
それは自分の姪だ、どうしてくれるんだ、という話になった。

「分かりました。そういうことでしたか」
なんだ、ヤクザが金を脅し取りに来たんだ、とようやく理解した。
私は続けた。
「で、その姪御さんは、なんていうお名前ですか?」
おじさんは言葉に詰まってしまった。
「あいつ(同級生)は悪い奴だから、付き合わない方がいいぞ」
という展開になり、車で家まで送ってくれた。
別れしなに、仕事を休んできたんだから2千円なんとかしろ、
という話になった。
半世紀前の2千円が、今の貨幣価値ではどれぐらいか分からない。
そんなお金は持っていなかったので家に行き、
母に、理由は訊かずに、2千円出してくれと頼んだ。
その話はそれで終わったが、数十年経ってから、母に
あれはなんのお金だったんだ?と訊かれて、ありのままに話した。
溜息をついていた。

母は札幌に住むようになり、亡くなるまでのまで30数年を過ごした。
近所で一番親しかったMIさんから、数年前だが
「お母さんからいろいろ聞いてますよ」といわれてしまった。
母が私の悪ガキぶりを明かすなんて、そこまで気を許した
人がいたんだなと、ある意味で嬉しく思った。

母の母、すなわち私の祖母は、まだ私が小さかった頃から
あの子は間違った道に進んだら、相当悪い人間になると思うけど、
正しい道に進んだら、とてもいい人間になる、と「預言」したそうだ。
へえ、と思ったのを憶えている。

もう自分の人生を振り返ることが多くなっても、おかしくはないだろう。
これまで、よく生きてこられたなと感慨深く思う。
別に傭兵として戦地に行った訳でもなく、どこぞの組員になったこともない。
外国の情報機関に金で買われて、スパイ活動をしている訳でもない。
進む道が見出せず、大学は1年間留年した。
とうとう就職試験を受けず、学生時代のアルバイト先だった
進学塾の塾長を任され、数年間を務めた。

あれから40年が経過した。
当時の私からは、今の私の生き方なんて想像すらできなかっただろう。
確かに、生き方は劇的に変化したと思う。
しかし、今もまったく変わっていないのは、
自分自身が無国籍人間だと思うこと、世界のどこに行っても
すぐに順応できそうなこと、独りで過ごすことを好むこと、
あれこれ妄想・瞑想する時間と世界を大事にすること、
そして、当時とまったく変わらずに、ビル・エヴァンスや
アントニオ・カルロス・ジョビンを好んで聴くことだろうか。

本当は、一昨日に続き、昨日もう1台のプリンタが絶命したことを
書こうとした。
常に2台のプリンタを同時使用していたが、旧き戦友をまた失った。
なのに、ふと選んだ懐かしい曲を聴いているうちに、
自然と当時の情景があれこれ思い浮かんでしまった。

確かに私にも青春時代はあったのだと思う。
青春とは、迷いながらも、目に見えない道を探し求める
純粋さを持って生きていることなのではないだろうか。
もしそうであれは、私の青春時代は今もまだ続いていることになる。
・・・よくもまあ、気恥ずかしくもなく、そんなことをいえるなと
実は苦笑している。
青春ではなく、晩秋だろうか。

ついでながら、ピアソラの「ブエノス・アイレスの秋」を
晩秋まっただ中の自分自身だけでなく、
ものいわぬ賢明な読者の皆さんにも、プレゼントさせていただく。
いつも読みくださり、心よりお礼申し上げたい。


Astor Piazzolla LIVE1984 「Otoño Porteño」(ブエノスアイレスの秋 )


いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。

[PR]
by hirune-neko | 2016-07-28 23:55 | 心の中のできごと | Comments(4)
Commented by きいろ香 at 2016-07-31 13:51 x
WAVEイイですね♪( ´▽`)
トム・ジョビンの『おいしい水』『フェリシダージ』も好きでよく聴きます。

今年はヒグラシが多いようで、夕方によく鳴いています。
朝の4時5時くらいにも鳴きだして、おかげで寝坊せずに済んでいます。
関東はミンミンゼミが多いそうですが、こちら関西ではほとんど聞きません。
昔はアブラゼミが主流だったと思いますが、今はクマゼミが多いです。
まあ、何ゼミでも暑いことには変わりないですね。

季節ごとに、自然の音の移り変わりを気にする様になってから、セミの鳴き声もうるさいと思わなくなりました。
Commented by hirune-neko at 2016-07-31 14:58
きいろ香さん

コメントを有難うございます。
ボサノアヴァがお好きで、共通項ですね。

そういえばこちらではセミの鳴き声はききませんね。
関西といえば、もう久しく行っていません。
娘が住んでいた頃は、比較的良く行きました。
阪急宝塚線で十三まで行き、駅前でたぬき饅頭を買って
食べるのが楽しみでした。

京都から関西にかけて営業しましたが、
とうとう1件も契約が取れなかったという
苦い思い出があります。

いよいよ暑さもピークを迎えますので、
睡眠をしっかりお取りください。
Commented by きいろ香 at 2016-07-31 17:14 x
娘さんが十三にいらっしゃったんですか。
十三駅前のたぬき饅頭と言うと、喜八洲ですね!
あそこはみたらし団子が有名ですね。
みたらしも美味しいのですが、私のおすすめは三笠(どら焼き)です。
はちみつの甘さで美味しいですよ。実際はちみつを使っているかどうかはわかりませんが。
ビッグサイズと、雑な包装が庶民的で良いんですよね〜。
こちらへお越しの際は是非どうぞ。
いや、昼寝ネコ様の事ですから、すでに食したことがお有りかも知れませんね。
Commented by hirune-neko at 2016-07-31 18:40
きいろ香さん

喜八洲をご存じとは嬉しいですね。
私は、こしあんでないと食べないんです。
たぬき饅頭はこしあんだったので、それオンリーでした。
三笠があることは知りませんでした。
いつか行く機会があったら、是非試してみます。

娘が住んでいたのは、宝塚です。
なぜ十三を徘徊するようになったのか、
きっかけは憶えていませんが、なんとなく
飾らない庶民的なところが、居心地良かったのかも
しれないですね。

関西は久しく行っていませんが、
もしかしたら性懲りもなく、また営業で行くかもしれません。
<< 業務連絡〜掲示板のコメント消失 絶命一歩手前で、ともに歩んでく... >>



妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
検索
ライフログ
最新の記事
最新のコメント
暇工作さん コメ..
by hirune-neko at 23:53
多分誰かが書き込むだろう..
by 暇工作 at 10:23
> 豆腐おかかさん ..
by hirune-neko at 01:16
かつさん ありがと..
by hirune-neko at 16:14
岡崎トミ子は死んでますよ..
by かつ at 09:09
記事ランキング
以前の記事
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
お気に入りブログ
ファン
ブログパーツ