昼寝ネコの雑記帳

一生涯で今日しか言えない言葉〜今朝ママンが死んだ


Hier Encore - Charles Aznavour - paroles

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昨晩11時に到着したとき、母はすでに無反応だった。
呼吸が速く荒く、明らかに異常だった。

口を大きく開けて呼吸するため、口内が乾ききってしまう。
ふすまを開けた隣室に寝床を作り、およそ1時間ごとに
水を湿した脱脂綿で、唇に水分を与えた。

母が延命治療を拒んでいたため、主治医と相談の上で、
翌日から点滴を止めることにした。
1週間ぐらいでしょう、と主治医がいった。

1時間ごとに母の枕元に行き、唇に水分を与える作業を
1週間続けたら、途中で自分の方が倒れてしまうのではないかと
いささか自信がなくなっていた。

朝6時頃から、疲れのためか寝入ってしまい、8時頃目が覚めた。
耳を澄ましたが、呼吸の音が聞こえない。
そばに行ったら、呼吸をしていない。
無呼吸症状がときどき出ていたが、明らかに呼吸を停止している。

文字通り、「今朝ママンが死んだ」。
この台詞をいえるのは、生涯に一度だけだろう。

細かい打ち合わせが重なり、疲労困憊していたが、
葬儀屋さんに遺影を作成してもらうのを止めて、
自分で母らしい「葬儀用のフォトアルバム」を作ろうと思った。
私の記憶にない、おそらくは私を産む前の若かりし母の写真を、
お気に入りだといって、誰かに託していたらしい。

せっかくなので、全部で4枚を画像データ化し、レイアウトした。
また、母への慰労の気持ちを込めて、散文を併記した。

私から母への、最後のプレゼントである。


(Hier Encore〜帰り来ぬ青春)

人は誰にでも、 思い出したくない 辛く悲しい日々がある。
涙をこらえ、感情を抑えた 忍耐の日々がある。
やがて月日が流れ、 過ぎ去りし青春時代を 懐かしむ晩年を迎える。

人はやがて気づく。 自分が人生の旅人であり、 振り向けば、
歩み去りし荒れ地に 花が咲き乱れていることを。

地上での旅を終えたとき、 人は初めて知る。
人生には終わりがなく、 遙か永遠の彼方に続くことを。


(弔問者へのメッセージ)

 地上での旅を終え、肩から重荷を下ろした今、過ぎ去りし日々を懐かしく思い起こし、同時に何よりも、晩年の私を支え、優しい思いやりと愛で包んでくださった皆様に、心からの感謝の気持ちをお伝えします。そしてまた、私は新しい旅路を歩み始めます。(2016年5月20日 ○○ ○○○)

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by hirune-neko | 2016-05-21 01:26 | 心の中のできごと | Comments(20)
Commented at 2016-05-21 03:08 x
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Commented by 山本瑞教 at 2016-05-21 08:47 x
ご母堂の天命が完うされますように!
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 10:30
ちはやさん

どうもありがとうございます。
もうひと頑張りします。
Commented at 2016-05-21 10:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 10:31
山本瑞教さん

ありがとうございます。
ある意味では、恵まれた人生の終わり方だったと
思っています。ほっとしたというのが、正直な気持ちです。
Commented by 鞠子 at 2016-05-21 11:11 x
とうとうお母上様が永遠の旅に出られたのですね。
お母上さまの行く道を守り、息子さんの心身を支えて下さい
ますよう神様にお祈りしております。
Commented by かつ at 2016-05-21 11:55 x
御冥福を御祈りします
Commented by きいろ香 at 2016-05-21 12:13 x
心よりお悔やみ申し上げます。

言葉が浮かびませんので、「キサーゴータミーの説話」をお贈りします。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 12:23
日本晴れさん

有難うございます。
今現在は忙しくしていますが、誰もいなくなって初めて、
喪失感とか欠落感というものを味わうのだろうと思います。
業務が中断・停滞し、お詫び申し上げます。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 12:25
鞠子さん

はい、有難うございます。
よろしくお願いします。
あっけない幕切れでしたが、それが
親心なのだろうと思っています。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 12:27
かつさん

有難うございます。
今は棺の中で、まるで眠っているかのような
穏やかな表情です。
本人も、安堵しているのだと思います。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 12:29
きいろ香さん

有難うございます。
「キサーゴータミーの説話」って知りませんでしたが、
探してみます。
いつも有難うございます。
Commented at 2016-05-21 14:05 x
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Commented at 2016-05-21 16:52 x
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Commented by hirune-neko at 2016-05-21 23:41
霜月さん

存在感のある立派で人物のおじいさまだったんですね。
最後までずっと仕事をされていた方なのだろうと
想像しています。

アズナブールのこの曲を一人で聴きながら、
実は人知れず、溢るる涙でした。
喪主挨拶でも、最後まで冷静に話せず
一瞬言葉に詰まってしまいました。

明日の火葬で一段落です。
疲れを溜めないよう、無理しないことにしました。

いろいろ励まし、慰めてくださり
有難うございました。
Commented by hirune-neko at 2016-05-21 23:52
三っ太刀さん

有難うございます。
お父様は突然だったんですね。

突然というのは、覚悟する暇がありませんので、
精神的な衝撃は大きいですよね。
よく分かります。

でもおっしゃるように、「子に先立たれる」親の
気持ちを考えると、そうならなかっただけでも
十分な親孝行だったのではないでしょうか。

私の場合は立派でもなんでもなく、
単に親を、心配でなかなか死ねない状況に
追いやっただけです。
それをして、親孝行だと母はいっていました。

欠落感や喪失感は、これから訪れるのだろうと思います。

有難うございました。
Commented at 2016-05-22 00:01 x
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Commented by hirune-neko at 2016-05-22 00:16
獅子座さん

励ましを有難うございます。

済みませんが、R.I.P.は、なんの省略でしょうか?
不勉強で申し訳ありませんが、教えてくださいますよう
宜しくお願い申し上げます。
Commented at 2016-05-22 00:28 x
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Commented by hirune-neko at 2016-05-22 06:49
日本晴れさん

なるほど、そういう意味でしたか。
さすがなんでも、良くご存知ですね。
まったく知りませんでした。
勉強になりました。
いつも有難うございます。
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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