失意を感じる人間の方が正常な時代なのではないだろうか3c Bajo Kurt Moll Mozart La flauta mágica O Isis und Osiris いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。 オペラでは、バス歌手のためのアリアが少ないはずだ。 有名・高名なモーツァルトがどうも好きになれず、 食わず嫌いの期間が長かったのだが、「魔笛」のこの ザラストラのアリアを発表会で歌うことになり、 初めてドイツ語に接したのは、30数年前のことだ。 今改めて聴いてみても、クルト・モールの歌唱法には深みがあり 耳を傾ける価値があると思う。 「魔笛」のストーリーもザラストラの歌うアリアの歌詞の意味も、 どんなシーンだったかも思い出せないぐらい、 記憶の彼方の遠い風景になってしまった。 ちょっと前に、近所のセブンイレブンに行き、ナナコカードに チャージして買い物をしてきた。 TSUTAYAで借りたDVDを返しての帰り道だ。 商店街を歩いていたら、高齢の男性が間口の狭い民家のドアを開けた。 こんなところに民家があったのかと驚いた。見落としていた。 すでに同年代の男性が戸口に立っており、何やら秘密めいたことを 共有しているかのような、独特の表情で含み笑いを浮かべていた。 建物の壁面には、ポスターが2枚貼られていた。 その1枚には、日本共産党・志位和夫と書かれていた。 なるほど、そういう意味だったのかと納得した。 TSUTAYAに行くときは、別のコースを通ったが、 途中にある銭湯のシャッターが閉まったままで、貼り紙があった。 見ると12月の日付で、営業を終了したと書かれていた。 世の中は常に変化している。 形あるものは、その表象しか見ないのでシャッターが降りて 初めてその変化に気づく。 客足が徐々に遠のいていたのか、経営者が高齢化したのか、 マンションに建てかえる計画なのか、そんなことはあくまでも 想像の領域のことであり、真相は誰にも分からない。 他国が、あるいは国内に潜伏していたゲリラが武装し、 突然攻撃を加えてくれば、それは誰の目にも明らかな武力衝突だ。 一方で、スリーパーやアンダーカバーという言葉がある。 長年に渡り、一般市民として生活を送り、本国の指示を待って行動する。 あるいは目立たないように、行動する。 善良な市民を装って、実はさまざまな情報を収集したり、 目当ての人間に接触する。 目当ての人間が経済的に行き詰まっていれば、本国に相談し しかるべき現金を用意して、親切そうに支援を申し出る。 個人的な善意からの行動であれば、何も問題はないだろう。 しかし、その人間が外国の情報機関に所属していれば、明らかな 工作活動であり、要注意だ。 いつの頃からか、感覚的に社会と距離を置き、 世の中の営みを客観的に眺めるようになった。 何かに熱中することもどんどん減ってきた。 その代わり、何かに失望している人や、私が大切だと思うことが 視野に入っていない人たちに、シグナルを送ることに 興味を持つようになった。 社会で最も不確実で不安定であり、ちょっとしたきっかけで 容易に変容し、捉えがたいのは、人間そのものであり、 とくに人間の内面世界だと思っている。 これまでのずっと長い期間、人と接することに徒労感を感じ、 積極的に人との関わりを持つことを避けてきた。 しかし、良く考えてみれば、私自身の視野には大切な要素が抜けていた。 容易に変容しがちな人間の内面は、しばしば人を失望させるが、 辛抱強く寛容に見ていると、人間はその人の意思次第で変わることができる。 生き方を変えるという、最も偉大な奇跡を起こす可能性を秘めている。 今在るがままの姿から、本来在るべき姿を意識して決意すれば、 そこに到達しようという崇高な、しかしもしかしたら苦痛を伴うかもしれない 長い旅路を始めることができる。 地上のあらゆる生き物の中で、 これだけは人間の大きな特質なのではないだろうか。 その可能性に心からの信頼と期待を寄せて、 これからの全てを構築しようと考えている。 いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。
by hirune-neko
| 2016-02-13 17:44
| 心の中のできごと
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Comments(6)
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日本晴れ
at 2016-02-14 00:37
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お疲れ様です。
お師匠の情感、人間愛に溢れる文章や気品ある芸術論、その合間に顔を覗かせるユーモアに癒される一方、今日の記事のようにときに本格的なインテリジェンス論、哲学論に触れられたりと、バラエティに富んだ内容を楽しめるのが「昼寝ネコの雑記帳」ならではの醍醐味かと思います。 今日の内容は結構シリアスで、表現もかなり踏み込んだところもあり、愛読者としては実際ハラハラさせられました(苦笑)。 さて、お師匠も直感を大事にされているとのことですが、僕も自分のアンテナがここ数日、とある件についてビンビン反応しているのです。 お師匠の高度なインテリジェンス・スキルによるご見解を伺いたいところであります。 余命ブログさんでもここ連日、二回にわたって取り上げられている 深田萌絵さんのブログ削除 事件です。 余命ブログの本文にコメント欄も含め、ネット上で一通り調べてみたのですが、これはひょっとすると 平成の一大疑獄 にまで発展しかねない事情を孕んでいるようで、またこれ以上に‘事実は小説より奇なり’と思わせるものは無いほどの一連のエピソードに溢れかえっているのです。 余命ブログさんでも、まだ真実の行方についての結論保留状態だそうです。 いつも勝手な書き込みばかりで恐縮なのですが、ここは「名探偵 昼寝ネコ」師匠の見立てもお訊きしたいところです。
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hirune-neko at 2016-02-14 01:29
日本晴れさん
いつも励ましのコメントを有難うございます。 返信コメントを記載し、変換ミスがあったので一度削除したら コピ−保存したはずなのに、保存されていませんでした。 ショートカットキーがときどき機能不全になっていますが、 肝心なときに発生し、参りました。 今日の余命記事はざっと読みました。深田萌絵さんご自身もコメントを されていましたね。おそらくご本人なのでしょう。 余命ブログにまで実名で登場し、火消しに奔走するというのは、 そうとう追い詰められているんでしょうね。 余命としては深入りすべき案件ではないと、部外者の私は思いますが、 おそらく、何か確証をつかんでおり、それが一連の反日活動と リンクしているために、余命読者への警告すべき状況だと判断し、 続編を掲載するとの予告をしたのでしょう。 そこで、これ以上不利な情報が拡散するのはまずいと判断して、 ご本人が登場されたのではないでしょうか。 IRSや中国要人の名前が出てきますし、現下はシャープや東芝が 台湾系企業(実態は中国が背景にある疑問企業のようですね)に 買収される・・・ある種の経済覇権や日本への合法的な浸透を、 中国政府が画策しているのでしょうか。 それが頓挫することは戦略上非常に困るので、必死になるのでしょうね。 オバマ大統領の祖父母と毛沢東の関係が云々と書かれていましたが、 米中の利害対立は、政治・経済・軍事のいずれを見ても、 一般人が簡単に状況把握などできないでしょう。 私が個人の皆さんにお勧めしているのは、食料品・飲料水・日用品の 備蓄をしっかり進めることと、信頼できる情報源を確保することです。 私自身は、いつか書くだろう短編小説の素材になるかどうか、という 野次馬的な視点で、引き続き注視したいと思う程度です。
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鞠子
at 2016-02-14 01:35
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2007年の4月に昼寝ネコさんがブログに書かれたこの文章
[みんな、ほっとしたいんだと思う。課題から離れて、少し深呼吸をし、いい空気を吸ったり遠い水平線を眺めたり。ゆっくりしたテンポの音楽を聴いたり、絵画や彫刻の前に立って時間を止める。株価や先物の価格変動に煩わされず、自分のコントロールできる範囲の仕事をしたい。みんなそう考えているのだと思う。] 本当にそうだなと思います。 だから毎日ここにくるのかなと。
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hirune-neko at 2016-02-14 02:02
鞠子さん
こんな遅い時間まで起きていらっしゃるんですね。 ずいぶん以前の記事までお読みくださり、有難うございます。 私自身、いつかはそんな環境に身を置きたいと思っています。 でも、まだまだ遠い道のりですね。 正常な神経と感覚と価値観の人にとっては、まことに 生きにくい時代だと思います。 ですから、せめて同じ感覚や価値観を共有できる場所や人間関係を 大切にされて、そこを避難場所にするしかないんでしょうね。 こうして、ブログ読者として共感を示してくださると とても励みになりますし、ほっとしています。 有難うございます。
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薔薇姫s
at 2016-02-14 14:15
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今日は。
pcのマウスが作動しなくなって1週間近く不快な状態でした。 今日漸くマウスが到着しました。 深田萌絵さんの件はtwでも支援が広がり始めました。 ウィッキペディアの削除とかの画像も出てますのでどうやら真実のような感じになってます。 中共人民解放軍やパヨク大手銀行・・・事実は小説より奇なりの事件の様相を呈してきました。非常に興味ある事案です。 もしこれが事実ならば中共の日本侵略は最終段階とに入りつつある・・・今年来年は眠りが覚める年になりそうです。
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hirune-neko at 2016-02-14 19:17
薔薇姫sさん
マウスが作動しないと、どうにもならないですね。 マウス(=ネズミ)なので、ネコのブログが苦手なんじゃないですか? 深田萌絵さんの件は、闇が深い幹事がしますね。 中国は完全に末期症状だという感じがしますので、 窮鼠猫を噛む、の状態で暴走しなければいいなと思っています。 いずれにしても、予測が困難な局面ですね。 いつもお読みくださり、コメントも有難うございます。
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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