昼寝ネコの雑記帳

警察官が知ったら、これも軽犯罪法違反になるのだろうか


Liliana Herrero - El viaje (Astor Piazzolla)

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母の肺の癌細胞が脳に転移していたため、12月に担当医に会いに
札幌まで行って来た。

母は過去に何度も意識を失い、庭や部屋で数時間昏睡状態になって、
奇跡的に自然に意識を回復するという前科がある。
なので、電話をしても反応がないとあれこれ想像して心配になる。

予備知識は何もなかったので、インターネットでウェブカメラを
調べてみたのだが、どうもよく理解できない。
なので、地元のヤマダ電機に行って、店員さんに相談した。

8年前に心臓の手術を
して以来、母は居間にベッドを置いて寝起きしている。
壁にカメラを取り付けると、さすがに、これはなんだと
質問されるに決まっている。
本当のことをいえば、そんなものは絶対に厭だから外せというに
決まっている。
なので、隣の部屋までWIFIの電波が届かないので、
増幅する機器を取り付けるのだという説明をし、壁に設置した。

帰宅して、自宅のパソコンから閲覧する設定に手こずった。
母の近所の方に事情を説明し、それらしき説明書をスキャンして
送ってもらった。
その方は今日、母の所に来ていたが、ちょうど私が電話し、
カメラで部屋の様子を見ていたら、カメラに向かって
ピースサインをして見せた。

ときどき、安否確認を兼ねてログインするが、歩く姿などを
実際に見ることができるので、電話の声だけでは判断できない、
体調を把握できる。

考えてみたら、ここ数年は年に一度の定期検診に付き添うだけで、
母の姿を直接目にする機会は皆無だった。
カメラの向こうでは、何も知らない90歳の母が、台所から出てきたり、
洗濯物を干したり、新聞を手に取ったり、寡黙ではあるが
背中に哀愁感が漂っているのを感じる。

私が用意した「トランスファー・ファクター」という成分の
サプリメントを、もう3週間は飲んでいるだろうか。
数日前の電話で、めまいがとれたとか、新聞の文字が
少し読みやすくなったといっていた。
脳腫瘍が縮小している兆候なら何よりだ。

札幌滞在中に、父の従姉妹が発した
「おじちゃんは、本当の子どもではなかったんだよ。
だからあんたには、じいさんの血は流れていないんだよ」
と私にいった言葉が、まだ心の中から消えない。
祖父とその兄弟たちの酒癖、乱行の数々を見ていたので、
子ども心に、なんてひどい家系だと思っていた。
寡黙な父の普段の姿を見ながら、祖父と同じ血を引く
人間であることが不思議で仕方がなかった。

その意味では、私の永年の疑問は氷解した。
しかしでは、私の父はどのような経緯で祖父母の子どもになったのか。
実の両親には、どのような事情があったのか。
90年も前のことなので、調べても無駄かもしれない。
しかし、氷河の塊に閉ざされたまま、
人目に触れることのなかった事実が、まだそのままの姿で
保存されているのではないかという、漠然とした印象が濃い。

生涯で秋田に行ったのはたった一度だけだ。
仕事が落ち着いたら、あるいは秋田の産婦人科クリニックか
市町村に営業に行く機会があったら、家系図と謄本を頼りに、
当てずっぽうに調べてみようと思っている。

子どもの頃から、父とは遊んでもらった記憶がない。
高校生になって仲違いし、そのまま上京したので
和解も何もないまま、父は45歳で還らぬ人となった。

ピアソラが作曲を担当し、ソラナスが監督した、
「El Viaje(旅)」という映画がある。
再婚した母との住まいを後にし、大事に保管しておいた
父からの手紙を頼りに、南米を自転車で訪ね歩く少年が主人公だ。

私には、父に対する感傷的な気持ちはない。
ただ、劣悪な家庭環境で育ち、せっかくの能力や才能を潰され、
おそらくは無念のまま他界したであろう父の、人間としての
真情を嗅ぎ取りたいという強い希望がある。

親子としてではなく、人間同士として、相手の葛藤や挫折感、無念さを
自分なりに重ね合わせてみたいと考えている。

突然だが、ふと気になることが思い浮かんだ。
あり得ないことだと思うが、警察官が母の部屋に入り、
「これは監視カメラですね。誰が設置したんですか?」

いかに高齢の実の母親の部屋といえど、プライバシーを
覗き見ることになるので、これは軽犯罪法違反の嫌疑があります、
なんていわれないだろうか。少々気になるところだ。

住所と名前を確認し、かつて新千歳空港で特殊警棒所持の
軽犯罪法違反被疑者として取り調べを受けた、あのネコ人間かと
北海道警の警察官は優秀な人たちばかりだから、すぐさま
調べ上げるだろう。

まさか即、電話してきて、手稲警察署まで出頭してください、
なんていうシナリオは、いくらなんでもないだろうと思うが、
とにかく物騒な2016年になりそうなので、あまり過信はしない方が
いいかもしれないと思う

やれやれ、生きにくい世の中になったものだ。


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by hirune-neko | 2016-01-06 23:08 | 心の中のできごと | Comments(6)
Commented by 薔薇姫s at 2016-01-07 18:53 x
今晩は。

軽犯罪法になるのでしょうか?もしこれがそうなればおかしな社会ですね。不愉快過ぎますねわ。
Commented by hirune-neko at 2016-01-07 19:08
薔薇姫sさん

いえ、いくらなんでも大丈夫でしょう。
母には絶対にいえない内緒の秘密です。でも。親孝行ですよね?
Commented by 薔薇姫s at 2016-01-07 20:07 x
昼寝ネコ様はとても親孝行をなさってます。
内緒ないしょの話はあのねのね??
お母上との会話も楽しく読ませていただきました・・・またお嫁に行くなんてね・・・面白かったわ。

今日から少し寒くなってまいりましたので暖かくして下さいませ。
Commented by hirune-neko at 2016-01-07 21:43
薔薇姫sさん

冗談をいっても、まだ笑って反応してくれますので、
気が楽です。会話が成り立たなくなったら困惑するだろうと思います。

咳はまだ出ますが、普通の咳になってきました。
食欲も少しずつ出て、体力も快復基調です。
Commented by 薔薇姫s at 2016-01-07 23:03 x
順調にご快復のご様子・・・よかったですね。
Commented by hirune-neko at 2016-01-07 23:34
薔薇姫sさん

ご心配くださり、有難うございます。
とても励みになります。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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