昼寝ネコの雑記帳

妄想型現実社会不適応症候群


Tango Los Mareados por Adriana Varela

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ときどき、不思議な感覚に捉えられることがある。
日常生活で、ちゃんと人と対面し会話していても、その最中に
ふと目の前の情景が現実感を失い、あたかもスクリーン上の
映像を観ているように感じてしまう。

現実の視界は、ある意味では平面的だが
その向こうに展開する非現実の仮想世界は、
時間と空間を超越している。

単なる想像というよりはむしろ、表皮を透視して過去が見え、
ときには未来が見え、現実が自分の想像と渾然一体に展開して行く。

とくに人間と対面すると、実際に声に出して発する言葉は耳に届くが、
声の抑揚、ちょっとした表情、言葉と言葉の間の取り方など、
饒舌の陰に隠れている、そのような沈黙の表情の方が
遥かに饒舌だといつも思っている。

余計なことを考えず、現実に視界に入ることだけを見ていれば
どんなにか楽だろうと思う。

もう少し、いや、もっとかなり精神的に強靱だったら、
もしかして心理カウンセラーが適職かもしれないと、思うこともある。
でもまあ、それは無理だと思う。
人を励ますようなエネルギーなど、とても持ち合わせていない。

それと、好き嫌いが極度にはっきりしているので
職業として、どんな相手でも辛抱強く寛大な気持ちで
じっと話を聴き続けることなど、とてもできない。
話の内容によっては、途中から上の空になってしまい
妄想の世界に身を置いてしまうのは目に見えている。

好き嫌いがはっきりしているのは、文章と音楽もそうだ。
嗜好というのは正直なもので、一切の妥協ができない。

その意味では、ピアソラとの出会いがあったことは
とても幸運だったと思っている。

すでに故人ではあるが、彼の作品は至る所で見つけることができる。
言葉で表現するのは難しいが、ピアソラが音楽で構築している世界に
安住し寛ぐことができる。

精神病理学の世界で「妄想型現実社会不適応症候群」などという
病名があるかどうか知らないが、自分の心理状態は
おそらくそのような感じだろうと思っている。

およそ現実世界で光り輝き、あるいは息をひそめて仕掛けてられた罠。
資産、名声、称賛、地位、名誉、現金、貴金属・・・には執着心がない。

だったら、もっと気楽にゆったりと生きればいいのに、と
いわれるかもしれない。

これまで生きてきてようやく、再出発のゲートが見えてきた。
同世代の人たちはリタイヤしている人も多いし、永年の激務から解放されて
ゆっくり旅行し、趣味の世界に没頭したいと考えるのは自然なことだ。

どれだけの金額を積めば、目的を失い失望・落胆して生きている人に
新たな使命感を与えることができるだろうか。
人生の充実感と達成感、しかも永続性のある構造物として、
使命感と達成感が組み合わされた環境は、お金では買えない。

永年、数十年も抱えてきた「現実社会不適応」という負のエネルギーが
不思議なことに、まるで天使の悪戯のように、あるいは魔法のように
気がついたら、生産的で建設的な妄想に変容している。

年齢的には、生き方の終焉がいつ訪れてもおかしくないはずだが、
まるで重力に抗って、必死で空を飛ぼうとするひな鳥のように、
新たな飛翔に向けて、心の鼓動を抑えている。

毎日空を見上げている時間が増えているのは、
単に、万事窮して天を仰いでいるだけなのか、それとも
新天地を目指して、実際に飛び立とうとしているのか、
自分でも判断がつかない。

体力を失ったならず者でも、年老いた娼婦でも、
あるときに突如、天啓の閃きが訪れ、神聖な生気が蘇生するかもしれない。

人生なんて、最後の最後まで分からないものだと思っている。


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by hirune-neko | 2015-11-05 01:14 | 心の中のできごと | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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