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昼寝ネコの雑記帳

今さら後悔しても始まらないのだが


Tango Los Mareados por Adriana Varela

いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。


青春時代には時間を浪費する特権がある、と強がりをいい
そのまま実践していたように思う。

勉強熱心な高校の同級生には醒めた視線を向け、
微分や積分に全く興味を持てなくなり、
大人に混じって毎日ジャズを聴きに通った。

数年前まで、化学の授業で基本的な質問に全く答えられず
茫然自失する夢を時々見たように思う。

なんとか大学には滑り込んだものの、当事は70年安保闘争の
あおりで、機動隊が大学を封鎖し、授業が受けられなかった。
何年も、そんな状況が続いた。

ちゃんと勉強をしていい成績を取り、いい大学に進学して
一流企業に入る・・・というコースから見れば
完全に落ちこぼれの生徒だった。

今になって、複数の語学、歴史、宗教発生史など
さまざまな分野に興味が湧き、ちゃんと勉強推しておけば
よかったのに、と思うこともある。

しかし、多感な時期に思索することを放棄し、
単に知識を詰め込むだけの毎日だったら、
おそらく今の自分は存在しない。
なので、一見するとずいぶん無駄に時間を
費やしたように思えるかもしれないが
それはそれで良かったのだと得心している。

ほとんどの人は年齢の移り変わりとともに
興味を持つ対象が変遷するものだ。
中には、90歳近くになっても様々な欲をギラギラと
持ち続けている人も存在するが、例外だろう。

風邪ですっかり体調を崩し、今日で3日になる。
ようやく思考力が戻って来たが、おかげで
日常の惰性からは隔離されてしまい、ぼんやりと
客観的な視点で自分のことを考えている。

普段と較べて非日常的だと思ったとしても、
客観的にはそんなに大きな違いはないかもしれない。

しかし、現代社会というのは、ある日突然思いがけない
緊急事態が発生する要素が潜在している。

大概、緊急事態の要因は音もなく静かに進行する。
緊急事態が顔を現したときは、ほぼ手遅れだろう。
今の時代こそまさに、個人一人ひとりが今まで以上に
社会を監視する意思を強く持ち、
行動に移すよう求められているのではないだろうか。

そのツールとして、現代人にはインターネットが与えられ
努力に見合う成果が得られるようになっている。
判断力を有する個人が増えることにより、健全な世論が形成され
成熟した社会環境へと変質できる可能性が高まっていると思う。

もし私が、学業優秀であったなら、どこかの大企業か
あるいは官庁に勤めていたかもしれない。
立場上、あるいは人的なしがらみに縛られ、結果的に
大きな勢力に呑み込まれてしまっていたかもしれない。

膨大な時間を無為に浪費した期間が長い。
莫大な資金を、結果的には散逸させてしまった。
しかし逆に、決して強がりではなく、
得たものは大きかったと思っている。
少なくとも、方向性や入口らしきものと、ようやく出会えた。
寿命はいつ尽きるか分からないものの、確信を持って
突き進める対象が存在する。

何よりだと思っている。


いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。

by hirune-neko | 2015-08-16 15:39 | 心の中のできごと | Comments(2)
Commented by 名無し at 2015-08-17 18:04 x
お大事になさって下さい。
余命関連でブログ訪問させて頂きましたが、他にもさまざまな興味をそそる考察を拝見できて良かったなと思っています。
最近、わたくしの母も体調を崩し気味です。無理はなさらず、どうぞご自愛下さいませ。
Commented by hirune-neko at 2015-08-17 19:41
名無しさん

有難うございます。おかげさまで、かなり復調しています。

私の母は、冗談をいえばまだ笑う理解力がありますので、助かっています。名無しさんのお母さまは、酷暑で一過性の体調不良ではないのでしょうか。最近はそういう方が多いようですから。

ブログは、お読みいただくのが唯一の励みですので、こうしてコメントまで残してくださり、お礼申し上げます。有難うございました。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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