昼寝ネコの雑記帳

そういえば、振り返ることは少なかった


Eliane Elias Minha(All MIne)

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ちょっと必要性があり、1980年前後の刊行物を
パラパラと閲覧してみた。
刊行物は月刊なので、年間12冊のペースで
かれこれ半世紀以上継続出版されている。

1981年に、自分の顔写真入りの記事が掲載されていた。
ちょうど30歳の頃だ。

普段、自分の過去を振り返ることは滅多にない。
いや、正確にいうと、ずっとなかった。
なのに最近、どういう訳か遠い昔の出来事が
脳内でフラッシュバックする。

ほとんど例外なく、思い出したくない光景ばかりだ。
そのせいで、あまり過去を振り返りたくないのかもしれない。
それと、過ぎ去ったことを悔やんでも何も取り戻せないと
確信しているからなのかもしれない。

数週間前、まだ20歳代と思われる男性を紹介された。
文章を書かれる方で、出版社に原稿を持ち込んでいると聞いた。
「利己と利他」というテーマで、自分独自の体系を
創り上げようとしている。

彼の話を聴くうちに、余計なことかとは思ったのだが
先人の思想体系と似通っていると思う部分があったので
指摘させていただいた。

サルトルの実存主義といっても、半世紀近く前には
おそらく知らない人の方が少なかったと思うが、
現在の若者には、耳馴れない言葉だったようだ。
少々理屈っぽくなったが、「即自と対自」それと
独特の表現だが「投企」するという意味について
説明してみた。興味深そうな表情だった。

でも、彼は自分の頭で考え、自分自身の感性で
思索を続けているようなので、好感を持った。

考えてみたら、私自身もこれまでずっと、
絶えず考え続けてきたように思う。
どこかに答えが出ているような知識だけを追い求めず、
手探りで格闘してきたように思う。

いつの間にか、決して強がりではなく、
付和雷同せず、事大主義にならず、地位や権力に媚びず
得心の行くまで考え続けてきたという、自負心だけは残っている。

客観的な評価は何も受けていないが、それでいいと思う。

以前も書いた記憶がある。
プッチーニの「ラ・ボエーム」というオペラの中で
「コートの歌」というアリアが歌われる。
確か哲学者だったコリーネ(?)が
危篤状態の友人のために、永年愛用したコートを
手放して現金にすることを決意し、そのコートに対する
惜別の歌だ。

歌詞の内容は正確に憶えていないが、
お前は権力や冨に対して、一度も腰を屈めたことがなかった、
と確かそのような内容だったと思う。

最近はオペラを聴かなくなってしまった。
私の体力には、長くて重すぎる。

ビル・エヴァンスは、イントロはなかなかいいのだが
途中から彼独特の、前衛的演奏になるので重すぎる。

年齢を経てくると、好みだけは頑迷になってしまうようで
何に対しても好き嫌いがはっきりしてしまう。
相手に厭な印象を与えない限りは、無理に合わせることも
ないのではないだろうか。

それにしても、最近はここ数十年の出来事やシーンを
思い出すことが多くなってしまった。
いいことなのかどうか、今のところは皆目分からない。


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by hirune-neko | 2015-07-08 00:46 | 心の中のできごと | Comments(0)
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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