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昼寝ネコの雑記帳

失ってみて初めて分かることもある


Milonga en re- Astor Piazzolla


いつもクリックしてくださり有難うございます。とても励みになっています。


自分が所有しているものを、意図的に失おうと
努力する人はあまりいないだろうと思う。

逆に、何かを得ようと考え、努めるのが普通だろう。
お金、資産、学位、地位、名誉、資格などなど。

最近のネコネットで見る限りでは、
ほぼ間違いなく、世界情勢はますます不安定化し
既存の秩序が崩壊し始めるだろうと思っている。

国内外に不動産投資をし、債券や株式を所有し、
為替差益を得るために外貨を保有している人も
多いだろう。

そんな人達は、絶えず政治や経済の動向を注視し、
損失を出さないよう緊張した日々を送って
いるのではないだろうか。

所有するものが多ければ多いほど、気苦労も多い。
失うことを恐れるあまり、常に心配し緊張する。

一方、何も所有しないというのも程度問題だが、
それはそれで、ある種の気楽さはあるだろう。

かなり以前のバブル崩壊や割と最近の
リーマンショックで資産を失い、事業が破綻した人は
たくさん存在する。

所有しようと考える対象が、知識や知恵だったり
資格や技術だったら、さらにいえば感性や感覚など
目に見えず手に取って持つことができないものだったら
どこにもリスクはなく、生涯にわたって価値のある
財産となることは間違いない。

金銭や物質に執着する生き方を離れ、内面を豊かにし
知識と知恵が深い人生は、大変好ましく思える。
ある程度の年齢を経て達観し、同じ考えに至る人は
多いのではないかと思って調べてみたら、
次の文章を見つけた。

「少しの物を所有して主を恐れるのは、
多くの宝をもって苦労するのにまさる。」 

        (箴言・しんげん15:16)

旧約聖書の言葉だった。仏教やイスラム教、
ヒンドゥー教などでも、おそらく同じような教えが
語られているのではないだろうか。

対立構造や論争があるのは、避けられないことだと思う。
しかし対立や論争は憎悪を助長し、最悪の場合、相手の
失脚や物理的抹殺までエスカレートしてしまう。

なんて不幸な時代なのだろうかと思う。
いや、不幸な時代は近年に始まったことではなく、
古代から血みどろの残虐な殺戮の歴史は存在した。

古代から近代までに生きた人たちと較べ、
今を生きる人たちの環境の大きな違いは
知ろうと努力すれば、かなりの知識を得られる
という事実だと思う。

マスメディアから離れても、ネット環境から
膨大な情報を入手することができる時代になった。
なので余計に対立・論争がエスカレートする
原因になっているのかもしれない。

私よりかなり年長の方がいる。
特攻の生き残りで朝日新聞の記者を経て、
教育者になった方だ。

あるときの会話で彼はこう表現した。
「いやあ、ひどい時代になりましたね。
もうこうなると、社会を救えるのは
宗教しかないと思いますよ」
それを聞いたときは、少し驚いてしまった。

そうなのかもしれない。
人の属性をひとつずつ取り外してみたときに、
最後に残っているのはおそらく、人間の最も
根源的な「存在理由」なのではないだろうか。

人格や徳性、いたわりや慈悲の心、愛情。
どの宗教家の教えも、延長線上にはそのように
個たる人間を大切にする思想があると思う。

宗教を看板に掲げて犯罪行為を行う集団もあるが、
真の宗教的教えをも融和させなければ、
今の時代の対立構造を乗り越えることは
なかなか困難なのではないだろうかと思うに至った。

日頃から考えているファミリー・インテリジェンスは
まさか宗教法人化するなんてあり得ないことだが、
ただ、人間一人一人を大切に考えるという思想は
鍵となる言葉ではないかと思っているのは事実だ。


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by hirune-neko | 2015-02-24 19:55 | インテリジェンス | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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