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昼寝ネコの雑記帳

情報過多症候群の時代に生き残る


Gidon Kremer - Pachouli (Piazzolla)



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情報過多症候群〜information overload

最近はあまり「サバイバル」という言葉を
目にしなくなったような気がする。

個人的な考えだが、サバイバルには大別して
アウトドア・サバイバルとアーバン・サバイバルの
2種類の考え方があるように思う。

出版社を始めて間もなくの頃、C・W・ニコルさんを
紹介されて、「冒険家の森」〜サバイバル教書
という単行本を出版した。アウトドア・サバイバル本だ。
すでに絶版扱いなのだが、amazon.comで検索したら、
1982年の初版で古本なら52円から買えるようだ。

その後、元傭兵だったという柘植久慶さんが、
自らの経験を活かして、現代社会で起こる
様々な事態を想定したサバイバル本を多く出版している。
いわゆるアーバン・サバイバルのカテゴリーだ。

当時、ニコルさんは長野県の黒姫に住んでおり、
何度かお邪魔したことがある。
私自身も黒姫に山小屋を建て、中古のジープを購入して
林道を走り回ったのだが、あれからもう30年が経過した。

Facebook友だちの女性が、女性を紹介してきたので
お付き合いという軽い気持ちで、友だち申請した。
承認されたので「以前どこかでお会いしていますか?」
と訊いたところ、ずっと以前のまだ独身の頃の
知り合いだった。旧姓を聞いてようやく思い出した。

彼女はご主人と、長野県のある山林というか原野に
テントを張り、時々野外生活に通っていたらしい。
ところがこの度、住まいを引き払い、その場所に
仮小屋を建てて、ご主人自らが家を造っているという。
今どき、この時代にそのようなライフスタイルを
選択する方が実在するのだと知って、新鮮な感動だった。

数十年前に、ソローの「森の生活」という本を
読もうと思いつつ、そのままになっていたのも思い出した。

そんな回想がいくつも重なったためか、朝起きて、
現代社会に生きる私たちは、インターネットの発達で
あまりにも膨大な情報にさらされており、逆に
次善・最善の選択をすることが困難になっているという
ある意味で病的な社会事象を憂慮する気持ちに囚われた。
情報過多症候群とでもいえるのではないだろうか。

情報過多という概念は、インターネットが出現するより
はるか以前の1964年にはすでに指摘されているようだ。

「情報オーバーロード(英: information overload)は、
情報過多によって必要な情報が埋もれてしまい、
課題を理解したり意思決定したりすることが困難になる
状態を指す。初出はバートラム・グロス(英語版)の
1964年の著書である。」(出典:Wikipedia)

テレビと新聞を丹念に見ているから、情報は把握している。
多くの方はそのように生きてきたと思う。
しかし大変に残念ながら、少なからぬマスメディアが
近隣国の支配・影響を受け、日本および日本人を貶め、
近隣国の意向に従う、いわゆる偏向・捏造報道に
傾斜してしまったことは、インターネットの潜在力によって
しっかりと周知認識されてしまっている。

しからば、膨大な情報が氾濫している現状で、
仕事、育児、家事などを多忙にこなしながら
一体どのようにすれば、より的確な情報を正しく
取捨選択し続けられるのだろうか。

「あの人がいうのだから」、「あの媒体がいっているから」
「あそこは信頼が置けるから」・・・だから大丈夫だ。
そういう対象に到達できればいいなと、心から願っている。

それはまさに、現代人に不可欠な
個人インテリジェンスであり、
家族を守るファミリー・インテリジェンスなのだと
確信はしているのだが、まだまだ理念と概念だけが
脳内で空転しており、具体的な稼働は当分先だろうと
焦る気持ちを抑えている。



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by hirune-neko | 2014-07-12 13:43 | Comments(2)
Commented by バオバブ at 2014-07-12 19:06 x
わたしもソローの森の生活を持ってますが、
半分のところで挫折‥また読んでは挫折。
いつまで経ってもすすみません。
先日開きましたらカビが生えてましたもん、
あの本を熟読できる人って、にゃんこ先生くらいではなかろうかしら????
Commented by hirune-neko at 2014-07-12 22:30
バオバブさん

えっ!? ソローの森の生活をお持ちなんですか?それはなかなかノスタルジックなお話しですね。できたら読了して、内容をかいつまんで教えてほしいと思ったのですが、苦痛を強いることになりそうですね。でも私は1行も読んでいないんです。いつかチャレンジします。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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