昼寝ネコの雑記帳

視界が開けてきたのはいいのだが・・・


Ástor Piazzolla - Marejadilla


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視界が開けてきたのはいいのだが・・・



62年間生きてきて・・・正確には
62年9ヶ月なのだが、最近は少し考えごとができる
時間的な余裕が出てきたせいか、時々自分自身の
経年変化について振り返ることがある。

唯一誇りに思えることは、権力や財力・地位に対して
卑屈に腰をかがめなかったことだろう。
もう30年以上も前のことだが、当時は余裕があったようで
声楽を習っていた。声域がバスなのでオペラのアリアも
テノールやバリトンに較べて、圧倒的に種類が少ない。
ある日先生が、プッチーニのラ・ボエームから
「コートの歌」を選んでくれた。
死の床にある友人のために、永年使用したコートを
質入れするときの惜別の歌だ。
そのコートに向かって
「お前は権力や財力に対し、腰をかがめることはなかった」
と歌うのだが、彼の名はコリーネで哲学者だ。

権力者や資産家と、もう少しうまく付き合っていれば
今よりは金回りがよかったのだろう。
しかし、金回りがよくなった分、身動きの取れない
自由のない生き方になっていただろうと想像している。

当たり前のことだが、1日が24時間というのは、
どんなに暇を持てあましている人にとっても、
世界で一番多忙だといわれるアメリカ大統領にとっても、
まったく同じ公平な条件だ。
人間の生き方で差がつくのは、睡眠、通勤・通学、
食事、入浴、仕事など、誰もが必要とする共通の時間を
除いた後の、2時間あるいは3時間をどのように活用するか、
だという人がいる。確かにそうなのだろう。

これまでの人生が、どんな景色だったかを振り返っている。
ひんやりした緑深い森の中、立ちこめる濃い霧に
視界を遮られ、さんざん迷った挙げ句、いつの間にか
また出発点に戻ってしまっている。
その繰り返しで、徐々に徒労感と無力感が鬱積する。

最近ふと気づいたことがある。
いつの間にか知らないうちに、ずいぶん視界が開けている。
人生を生きる土地勘が養われ、自分なりに無駄なものと
大切なものとの識別ができるようになっているようだ。
何に時間を使えばいいのか、何を習得すればいいのか、
まるで自分自身のレッスンプロになったように
適切にコーチングできるような気がしている。

そこで持ち上がっている課題は、体力、視力、運動能力が
明らかに落ちてきている点だ。
人はこうして徐々に老いていくのだろう。
まだある程度の集中力と理解力・記憶力が
残されている間に、基本構造を作り上げられるよう
時間を捻出したいと考えるようになっている。

しかし、ときどき感じたことをこうしてブログに残し、
ピアソラの図書館を公開する準備を進め、
何編かの創作を形にすることも、自分らしく生きる上で
不可欠な要素だと思っている。
なので、そう簡単には全身に染みついた体質は
変えられないだろうとも思っている。

いつも思うことだが、目的は達成できる方がいいけれど、
目標を見失わずに一歩ずつ前進しようと努める
人間の姿が一番尊いのではないだろうか。
2014年は、自分自身から見て尊い存在になれるよう
とりあえず、決意だけはしておこう。
そして、ある程度の計画も立てておこうと思っている。
あと残された数日間の2013年を、
大切に生きようと思っている。



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by hirune-neko | 2013-12-28 00:12 | 心の中のできごと | Comments(0)
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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