昼寝ネコの雑記帳

最もピアソラらしくない作品・・・だけど、なかなかいい

Astor Piazzolla - Tango Tango



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初めてこの曲を聴いたときは、軽くのけぞったのを憶えている。
これがピアソラの作品なのかと思うほど、
軽快であり、少々コミカルでもある。
今日現在、「ピアソラ音の出る図書館」には220曲を掲載し、
鑑賞できるようにしているが、
これほど「軽いノリ」の曲は記憶にない。

ソラナス監督作品の映画「ガルデルの亡命」の、比較的
最初のシーンで使われていたと記憶している。
軍事政権の圧政を逃れ、パリに亡命してきた人たちの
様々な人間模様をストーリー化した映画だ。
別に、ガルデルそのものが登場する訳ではなく、
ラストシーン近くで、その名前が引用される程度だ。

亡命によって、抑圧から解放された束の間の喜びがあるものの、
しかしやがて、ブエノス・イレスに残してきた親・兄弟、
そして仲間たちなどへの望郷の念が募り、
いつか故郷へ帰れる日を待ち望む・・・
そんな亡命者の心象が、いろいろな曲想で
散りばめられている映画作品になっている。
その望郷の想いを、男女のデュオで歌っているのが
Vals del Regreso というタイトルの、しかも
ピアソラには珍しいワルツ数作品の中の1曲だ。
記録によれば、この映画「ガルデルの亡命」の
音楽を担当したピアソラは、大変な情熱を傾けたらしい。

以前は、忙しいといっても、自分の頭の中で
あれこれ思い巡らし、パソコン内で最終形となって
完結するパターンが多かった。つまり、
自分自身のテリトリー内だけで終結するので
時間に制約がなく、比較的自由空間で
仕事をすることができた。

最近は少しずつ趣が違ってきている。
あちこちで種まきをしてきた案件が、地中から芽を吹き出し
苗木に成長しつつあるため、果樹園のあちこちを
かけずり回って、世話をしなければならない。
相手のあることなので、しかも案件数がこちらの都合に
お構いなく増えてしまっている。

そのせいかどうか分からないが、いや、そのせいだと
思うのだが、最近はピアソラの作品でも、重く暗い作品より
軽快な曲を聴くようになっている。
私は日本で生まれ育っているので、亡命者ではない。
若い頃は日本を好きになれなかったが、経年変化で
最近は日本の良さを再認識している。
なので逆に、この日本の良さを浸食されて阻害されないよう
子孫のために守ってやりたいという、奇妙な愛国心まで
生まれてきているようだ。

愛国者・・・自分とは長年無縁と思っていた表現だが、
この年齢になってみて、改めて
安心して暮らせる祖国の大切さを
実感している始末だ。恥ずかしい限りだ。


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by hirune-neko | 2013-06-19 12:04 | 心の中のできごと | Comments(0)
<< 父の日なんてあったんだね 勝者の憂鬱 >>



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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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