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昼寝ネコの雑記帳

創作フォーラム「穀粒(こくつぶ)」設立の経緯

Diana Krall - My Love Is Where You Are



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 従前から、言葉を通じて人の心に感動と平安を届けたいと考え、細々と著作活動を続けてきました。これまで、政治と宗教に関しては表だっての発言を控えてきました。なのになぜ、この度は特定の宗教団体の会員の皆さんのために、お世話になっている出版社のクロスロードを説得までして創作フォーラムを設立することにしたのか。それについてちゃんと記録をしておきたいと考えました。

 忘れもしない2011年3月11日。多くの人たちが、大切な家族や友人を失いました。昼寝ネコ一族の子孫である太平洋岸在住のネコたちも、命を失いました。平和ボケしてしまっていた私は、この大災害を予知することができず、また積極的に備えをするよう勧めることも怠っていました。

 仕事柄、お子さんが天使になってしまい、辛いお別れをしなければならないご両親のために、「天使版」の文章を作って提供していました。でも、このときばかりは想像を絶する状況でした。お父さんやお母さんを亡くした子どもが続出したのです。自分の無力感にうちひしがれ、脱力感から何も手につきませんでした。
 ちょうどその頃、そんな子どもたちの心のケアをしようと考えている福祉団体を紹介されました。気を取り直して、「大切なわが子へ」というタイトルの文章を3種類作りました。親を亡くした子どものための文章、子どもを亡くしたご両親のための文章、そして被災地で小さな子どもを生み育てていた両親のための文章の3種類です。最終的に、この福祉団体は絵本を製作して送り届ける費用を、助成してくれました。また今年は、気仙地域(大船渡市、陸前高田市、住田町)で生まれた子どものために、新しく気仙版の絵本を製作し、励ましとして寄贈するプロジェクトにも助成してくれました。
 福祉団体の名前は「LDSファミリーサービス」で、母体は末日聖徒イエス・キリスト教会という名の教会でした。

 古代イスラエル時代に生まれた私は、大抵の教会を知っています。でも調べてみたのですが、この末日聖徒イエス・キリスト教会という名は、紀元後をずっと調べても見当たらなかったんです。でも、教会そのものが創立されて、まだ200年も経っていないことは、やっと分かりました。
 1901年に、アメリカから布教のために初めて横浜の地を訪れ、日本での布教活動が始まった比較的新しい歴史の教会です。

 数ヶ月前、たまたまこの教会の賛美歌を日本語に翻訳した「柳田聡子」さんの、伝記絵本を出版したいという相談を受けました。依頼者は岸野みさをさんという方で、柳田聡子さんとお知り合いであり、二人の共著ということになります。
 これがご縁で、教会の会員の方がどういう教えを学び、何を大切に考えているかを少しずつ知ることができました。とくに、家族の結びつきを大切にし、自分史や家族史などの記録を大事に考えていること、個人の才能や能力を伸ばし教育を受けることを重要視していることなどです。
 これらはまさに昼寝ネコ一族が、古代から王や統治者に仕えていたとき、国民を大切にする施策として提言していた内容と一致します。

 イメージを言葉で表現し、言葉を脳内でイメージ化するには「感性」が必要です。ともすれば、人は目で見える範囲で物事を捉えて判断します。でも本来は、目に見えない領域にこそ大切なことが多く存在するのです。ですから、紙媒体にせよ電子媒体にせよ、言葉で表現しようとするときに、人間の感性が刺激され内在する感性力が蘇生するのです。
 自分史、家族史、作品集などを書籍の形で残すことの大切さを、私たちは学んできました。古代イスラエル時代の昼寝ネコ一族同様、現代社会に生きる人たちに、この、記録を残す作業の大切さを啓蒙し、さらに時間と費用を軽減するお手伝いをすべきではないかと考えるようになりました。
 たまたまフランス・ドゥーヴィルに姪ネコのクレモンティーヌが住んでおり、昼寝ネコ世界最高会議の議長秘書をしています。なので、そのクレモンティーヌに提案書を送ったところ、議長、理事の全会一致で全面協力するようにとの指示書が返信されてきました。

 もともとクロスロードという出版社は、金銭よりも理念を優先する会社ですので、協力を要請してみたところ快諾を得ました。なので、会社の方針として、特定の政治団体や宗教団体に特化した出版活動をしないという基本方針を見直し、クロスロードのサーバーに間借りする形でこのフォーラムが実現することになりました。

 とても長い説明になってしまいました。でも、数千年を生きてきた私にとって、たとえたった一人の人であっても、その人の成長のお手伝いができることは、大変光栄なことなのです。
 莫大な金銭や資産よりも、一人の人間の存在価値の方が大切であること、たとえ社会的に弱小な存在であったとしても、そのような人を大切に考えること、これは古代から私たち昼寝ネコ一族が、家訓として大切に伝承してきた教えなのです。

 言葉には人を傷つける力もありますし、落胆する人が立ち直るきっかけにもなり、感動の涙を流させる力もあり、長年にわたって重く閉ざされていた心の扉を開く力も備わっているのです。
 どうか言葉を大切にしてください。そして、適切な言葉を選び、それが末永く保存されるよう、記録として残してください。

 教会の方を対象に仕組みを作ったのですが、主旨に賛同される方であれば、どなたでも登録してご利用いただけます。サイトはほとんどが公開ページですので、自由に閲覧なさってください。ちなみに、穀粒という名前はクライアントの岸野みさをさんが考えてくれました。

会員制創作フォーラム穀粒のサイトはこちらからどうぞ


創作フォーラム穀粒プロデューサーと
クロスロード出版名誉編集長を兼務
昼寝ネコより心を込めて
創設の日に寄せて 2013年6月4日


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by hirune-neko | 2013-06-07 13:43 | 創作への道 | Comments(2)
Commented by 天野昭 at 2017-06-10 16:38 x
地上で唯一真のイエス・キリストの教会である末日聖徒イエス・キリスト教会・日本東京神殿の福田眞会長とメイトロンの福田康子姉妹と共に神殿宣教師として奉仕した34名の兄弟姉妹達が、日本札幌神殿に集い一緒に、2017年6月7日・水曜日の正午に開始した特別セッションのエンダウメントを受けました。
Commented by hirune-neko at 2017-06-11 21:17
天野 昭さん

コメントをありがとうございました。
よくこんな古い記事を目に留められましたね。
今となっては、懐かしい思い出です。
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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