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昼寝ネコの雑記帳

映画「スール その先は・・・・・・愛」

Astor Piazzola y Roberto Goyeneche - Vuelvo al Sur


朝、外出してほどなく、花粉症の症状が徐々に悪化し始め
今現在はかなりひどく、悲惨な状況になっている。

ピアソラが音楽を担当した映画の、2作目を観た。
邦題は「スール その先は・・・・・・愛」となっていて
主人公がスールという名前の女性で、恋愛ものなのだろうと
そう思って見始めた。
原題は「Sur(スール)」で、スペイン語で「南」という意味。
テーマ曲として使われているのは
原題が「Vuelvo al Sur(ヴエルヴォ・アル・スール)」で
邦題はたしか「南へ行こう」だったと思う。
なので、スールという名前の女性ではなく、
南へ、という意味であり、当時の軍事独裁政権を
背景に、南へ自由を求める、という象徴的な
意味を持っている・・・はずだ。

いきなり、男性歌手のロベルト・ゴジェネチェが登場し
バンドネオン奏者として、どうやら若き日の
ピアソラの姿も見える。
この曲は、かなり前にブログで紹介したことがあるのだが
いつ、なんというタイトルで書いたか
どうしても思い出せなかったので、google検索してみた。
「昼寝ネコの雑記帳 ロベルト・ゴジェネチェ」で。
すぐに特定できた。2011年05月08日の記事で
タイトルは「旧友との再会」だった。
     *「旧友との再会」を読まれる方はこちらです。

映画で使用された音楽で、これ以外は
残念ながら、あまり印象に残っていない。
テーマを一言で表現するなら、軍事独裁政権に対する
「怨嗟(えんさ)」ではないだろうか。
作品の構成に関して一番気になったのは
カットバック、つまり回想シーンと現在のシーンが
あまりにも頻繁に交錯するため
頭の中で時系列に整理するのが難しかったこと。
結果的に、作品の中に没頭できなかった。

それと、男女間の愛憎があまりに直線的であり
草食老人の私には、改めて日本的なる「静謐さ」が
安住の地であることを再認識した。
なんだかんだ言って、私は日本的なもののファンである。
by hirune-neko | 2012-03-18 20:59 | 音楽・映画・本の世界 | Comments(4)
Commented by romarin at 2012-03-20 02:48 x
そうですか。私は見たことがありませんが昼寝ネコさんの書いていらしているのを見ると映画としては結構しんどい部類かしら。
でも音楽はいいですね。
花粉症、つらそうですね。お大事に・・・・
Commented by hirune-neko at 2012-03-20 11:43
romarinさん

映画としては、疑問です。
いいたいことは良く理解できるのですが
軍事独裁政権に対する恨み辛みが出過ぎていて
余韻のない作品になってしまっていますね。
でもまあ、あくまでも私の個人的な感覚での意見です。
「いじりすぎ」るために、自然な流れが
ぶつ切りにされていて、寛いで鑑賞できないんです。
せっかくピアソラを使っているのですから
もったいないなあと、そう思いました。
Commented by El bohemio at 2012-12-27 07:05 x
この映画とタンゴ、ガルデルの亡命も軍事政権から迫害された人物を取り上げたようするにプロテスト映画ですね。小生はチリーのピノチェーによる軍事革命を目の当たりに体験しています。ア国の軍事政権が確立する前の年に何らかの危険を感知してブエノスから逃げ出しています。ですから前記の映画に登場する主人公の立場を多少なりとも理解できる気がします。小生は政治にはあまり関心はありませんので何時もかかわりの無い行動をとります。チリーの軍事革命の時は日本人旅行者も巻き添えになったのを目にしています。
Commented by hirune-neko at 2012-12-28 01:51
El bohemioさん

チリーにもいらっしゃったんですか?
軍事政権なんて、日本では経験がなく
まったく平和ボケの国ですからぴんと来ないと思います。
でも、実際に自分や家族が理不尽な扱いを受けたら
そりゃあ恨み骨髄だと思います。
そういう歴史背景もあって、暗さや切なさが
漂っているのでしょうか?
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妄想から始まり、脳内人格を与えられた不思議な存在

by hirune-neko
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昼寝ネコのプロフィール
・1951年
 小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。

・1969年 
 中央大学経済学部入学
 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。

・1974年 
 同大学卒業
 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。
     
・2006年 
 現在に至る
 プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。

・2010年 宇宙の旅
 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。

・現在
 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。
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