62歳の花嫁のリクエスト曲
Sarah Brightman & Andrea Bocelli - Time to Say Goodbye 1998
ちゃんと改まって年齢を聞いていませんが、 彼女はたぶん、62歳だと思います。 男性二人がペアを組みボランティアで、月に1回の割で お話しする機会が、約1年前から続いています。 彼女は助産師さんで、とても気持ちがまっすぐの それと、意外にずいぶんいろいろな物知りで、趣味のいい人です。 半年ぐらい前だったと思います。 なんの根拠もないのですが、突然思い浮かび 「結婚に対する希望は持ち続けてくださいね」 彼女に向かって、そう言ってしまったのです。 ・・・私は何を言ってるんだろうと、その時は思いました。 彼女自身も、「はあ」と返事をしたものの 曖昧な苦笑いを浮かべていたように記憶してます。 後日、ある人から聞いたのですが 彼女はすでに結婚を諦めており、老後の生活に向けて あれこれ計画を立てているらしかったのです。 その中には「韓国旅行」も入っていたようです。 韓流ドラマのファンなのかもしれません。 その数ヶ月後にお会いしたとき、 思いがけないことを知らされました。 「私、結婚することになりました」 えっ?今日は4月1日じゃないよな・・・? お話しを伺うと、本当に本当の、まっこと事実でした。 思わず嬉しさがこみあげました。 結婚式は2月11日に予定されているのですが そのときに、声楽を習っている知人に歌を頼んだそうです。 リクエストした曲は、標題の「Time to Say Goodbye」。 サラ・ブライトマンの持ち歌なんですね。 曲の由来を知りませんでしたので 結婚式にTime to Say Goodbyeなの?と言ってしまいましたが イタリア語の原題「Con te Partiro」は あなたと一緒に旅立つ、という意味だそうです。 それで納得しました。 年齢的には、私より少しだけお姉さんなのですが 永年独身で生きてきた娘が、ようやく嫁いでゆくような、 そんな妙な感覚に包まれました。 人生というのは、順風満帆なときばかりではありません。 でも、長い年月を真摯に生きてきた証として 苦難や困苦を乗り越える知恵が、備わっているはずです。 引き算をしたら、幸の方が多い人生を これからずっと送ってほしいと願っています。 ちょっぴり、肩の荷が下りたような安心感もあります。
by hirune-neko
| 2012-01-22 17:30
| 心の中のできごと
|
Comments(4)
Commented
by
フォアグラ肝臓
at 2012-01-22 20:05
x
いい話ですね♪
今の世の中、余計なお世話やありがた迷惑など対人関係におけるごたごたが絶えませんが、今回はちょっと違うようですね、 私自身最近対人関係で悩みが多いものですから、こういう話を目の当たりにするとほっとします。 ありがとうございました。
0
Commented
by
hirune-neko at 2012-01-22 23:38
フォアグラ肝臓さん
ご無沙汰しています。 先日の師匠との対局を観戦してくださったんですね。 チャットのコメントに、今日気がつきました。 有難うございました。 フォアグラさんの人間関係の悩みは、やはり 仕事上のことなんですか? 将棋みたいに、頭の中で考えてぱっと解決 というわけにはいきませんでしょうか?
Commented
by
romarin
at 2012-01-26 05:38
x
もしかするとその方はこんな年で結婚なんて・・・と踏み切れないでいたのかもしれませんね。そこに昼寝ネコさんの言葉を聞いて、目の前が開けたと考えられませんか?
人って案外ちょっとしたことで踏み切ることが出来るのかな、と思います。 昼寝ネコさん、本当によかったですね!
Commented
by
hirune-neko at 2012-01-26 13:59
romarinさん
人間は誰しも、いくつになっても、 一緒にいて安心して寛げる相手がいて 自分が理解されていると思えて心が開ける、 そんな存在は必要なのだと思います。 もじゅあと2週間で、彼女の結婚式です。 62歳の花嫁姿って、初めてですがいいものだろうと 想像してます。
|
検索
ライフログ
最新の記事
最新のコメント
記事ランキング
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 昼寝ネコのプロフィール
・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
ファン
ブログパーツ
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||