ささやかな妄想の秘密、こっそり公開Oscar et la dame rose : Rencontre avec l'équipe du film 8月1日に、このブログで ふ〜ん、求めよ、さらば与えられん、だな というタイトルの雑文を書いた。 文中で映画の紹介をしたのだが、 データをざっと読んだだけで、ダム・ローズ役の女性が ミレーヌ・ドモンジョだと書いたら、すぐさま リヨン在住のshi,shiさんから、違うとの指摘をいただいた。 この女性は、ミシェル某という、日本でいうところの 漫才師だというのだ。あちゃっ、そうなんだ。 でも漫才師?かしまし娘みたいな人なの? 映画そのものは観ていないのだが、 予告編で印象的だったのは 余命12日の白血病の男の子と廊下でぶつかり、 商売物のピザを台無しにされて 男の子に悪態をつくシーンだ。 「消えちまいな!このチビクソガキ」 すると男の子はにこっと笑っていう。 「ずいぶん口が悪いんだね」 彼女はピザ屋さんのオーナー兼、配達人。 つまり超零細なピザ屋さんなのだが 店の名前がまたひどくて「ピンキー・ピザ」だ。 なのでかどうか、彼女はユニフォーム代わりに、 いつもピンク色の洋服を着て配達に来ている。 フランス語ではピンクはローズなのだろうと思うが だからla dame roseとなっているのだと推測している。 そんな口の悪い彼女が、病院の医師から 「彼は誰とも口を利きたがらないが マダムとだけは話したがっているんだ。 毎日配達に来て、彼の話し相手にもらえないだろうか」 「死にかけているガキの相手?冗談じゃないよ」 結局どうやら彼女は、その役を引き受け 男の子・オスカーとの対話が、彼の死まで続く。 共感したシーンがいくつかある。 (予告編しか観ていないのに、偉そうに言うが) マダムはオスカーに、神様に手紙を書くよう勧める。 彼は、紙にいろいろ欲しい物を書き連ねるが マダムは優しく諭す。 「オスカー、神様はサンタクロースではないのよ。 精神に関わるお願いを書きなさい。 例えば、勇気とか、平安とか・・・」 また、彼女は、どんな過去があった役柄かは知らないが オスカーと出会うことにより、自分の心の中に 一生の愛が溢れるようになった、と独白する。 「消えちまいな!このチビクソガキ」と 怒鳴った女性が、心に愛を満たすのである。 もちろん、この原作者には大変敬服しているが マダム役の漫才師である、ミシェル・ラロックに 大変興味をそそられてしまった。 照江、歌江、花江の三姉妹と較べるなんていうのは 実に不遜なことで、役の幅と深みのある 実に器の大きな女優だと思ったのである。 正式には、フランスではコメディエンヌとされるのだろうが 調べたら、いろいろな映画にも出演しており、 ますます魅力を感じるようになってしまった。 今日のタイトルは、妄想の秘密だったっけ? YouTubeで、彼女に関する動画がかなり紹介されている。 つまり、いろいろな役所を演じる表情を観て 彼女の人物像を、私自身の中で立体的に作り上げて行く。 すると徐々に、自然に妄想ストリーが浮かんでくる。 つまり、そのストーリーの中に彼女が登場し 少なくとも、一方的な友人関係ができあがる。 ただそれだけのことなのだが、私にとっては こうして新しい、魅力ある友だちが一人できて とても充実した人生だと感じ、ささやかな幸福だ。 ちなみに数十本の動画から、標題のものを選んだが 演技していない、インタビューなので実像に近い。 マダム・ローズとはずいぶん雰囲気が異なるが たくさんの動画を観て、改めて 演技力に幅と深さがある女優だと評価したい。 shi,shiさんのご指摘のおかげで、 こうしてミシェル・ラロックと親しくなれたので 改めてお礼申し上げたい。 ちなみに、歌唱力はそんなにあると思えないが ジュリアン・クレールと一緒に舞台で歌っている動画も見つけた。 ミシェル・ラロックが、いろいろな事情で フランスにいられなくなって あてどもなく来日し、フランス語学校で臨時教師をする、 という設定だと、舞台が日本なので、ストーリーが作りやすい。 そのうち、時間が十分に取れるようになったら 何か書いてみたいと思っている。 目下は、わがアホ娘が舞う、江戸時代のストーリーを 考え中であり、劇中の音楽にはピアソラ作品を想定している。 短編ではないし、仕事の合間に考えているので なかなか思うように進んでいないが、なんとか完成させたい。
by hirune-neko
| 2011-08-12 12:30
| 創作への道
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Comments(4)
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at 2011-08-12 12:57
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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hirune-neko at 2011-08-12 13:03
ayrton_7さん
早速のご回答を有難うございました。 Facebookを調べてみます。
0
いえいえ、お礼などと。。。。
思いがけず色々な人間を知ると言うのが人生の一つでもありますね。
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by
hirune-neko at 2011-08-14 19:35
shi,shiさん
いえいえ、こちらこそ、生きる糧をいただきました。 文章にできないまでも、どういうわけかミシェル・ラロックが 日本のフランス語学校の臨時教師になって 私が、できの悪い生徒としてそこにいる・・・ と、あれこれ想像できるだけでも楽しいものです。 でも、この映画は近いうちに探して観てみます。 歯茎の痛みが早く治まりますよう ネコのおまじないを送っておきます。
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・1951年
小さいころ、雨ざらしで目ヤニだらけの捨てネコを拾ってきては、親から小言をいわれる。小学校低学年の音楽と図工は通信簿が「2」。中学からバスケを始めるも、高校2年で部活を止め、ジャズ喫茶通いが日課となる。授業が退屈でがまんできず、短編小説を書いては授業中のクラスで強制的に回覧させ、同級生の晩学を妨げることしばしば。早く卒業してほしいと、とくに物理の先生が嘆いていたようだ。ビル・エバンス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーンに心酔。受験勉強をすっかり怠り、頭の中は浸水状態。 ・1969年 中央大学経済学部入学 まぐれで合格するも、東大安田闘争・70年安保闘争などの影響で神田界隈はマヒ状態。連日機動隊がやってきて大学はロックアウト・封鎖の繰り返し。すっかり希望を失い、大いなる時間の浪費が始まる。記憶に残っているのは、ジャズを聴いたこと、大学ノートに何やら書きなぐったこと、ぼーっと考えごとをすること。数限りなく、雑多なアルバイトをやったこと。一応は無難にこなした・・・はずだ。いろいろ本を買いあさったが「積ん読状態」で、ただ、アルベール・カミュの作品には衝撃を受ける。それと、寮生活だったので、嫌いだった納豆を食べられるようになったのは、収穫だった。 ・1974年 同大学卒業 1年留年し、5年かけてなんとか卒業。理由は単位を落としたからだが、結局5年間の学生生活で授業に出席したのは、おそらく数十日ではなかったろうか。毎回レポート試験で単位をいただいたが、ほとんどは寮生仲間に「餃子ライス」を報酬に、作成を代行してもらった。今さら卒業証書を返還せよといわれても、もう時効だろう。白門同窓生の恥部であることは、重々自覚している。 ・2006年 現在に至る プロポーズしたら1週間待ってくれという。そんなに待てないといったら、翌日ハート型のケーキを焼いて待っていてくれた。世の中には奇特な女性がいるものだ。おまけに4人も子どもを産み育ててくれて・・・育児放棄の夫に寛大な女性で・・・おまけに子どもたちは・・・三人の息子と息子のような娘が一人なのだが・・・父親を反面教師として、なんとか実社会に順応している。大したものだ。わが家には、「親の七光り」など存在せず、「子の七光り」で恩恵をいただいているようなものだ。 ・2010年 宇宙の旅 人生も、それなりに辛抱して生きていれば、悪いことばかりではないなと思っている。2010年には、どこで何をしていることやら。宇宙のチリになっているのか、地中に埋もれているのか、はたまた相変わらず時間を見つけては昼寝三昧なのか、こればかりは全く予測がつかない。 ・現在 このブログを始めた頃、2010年なんてずっと未来の存在だった。でも、気がついてみたら2010年はすでに過去のできごとになってしまった。2013年になり、もうじき2014年になろうとしているこの時期に、改めてブログに書き残された何編もの雑文が、自分の心の軌跡という遺産になっていることを感じている。6年前に「昼寝ネコの雑記帳」という単行本を出版した。最近は「続・昼寝ネコの雑記帳~創作短編集」を発刊しようと、密かに機会を窺っている。 お気に入りブログ
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